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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

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GYAO!が終了する3つの理由と将来への影響

3月にGYAO!が終了

動画配信サービス「GYAO!」が3月末にサービスを終了するとヤフーが発表した。

GYAO!は、2009年にUSEN運営のGyaOとYahoo!運営のYahoo!動画が統合されて、ヤフーが運営している動画配信サービスだ。

GYAO!は、TV番組の無料配信や、映画やアニメなどの有料配信、音楽配信をしていて、広範なサービスを提供している。

そのGYAO!がサービスを終了する理由を考えてみます。

TVerとの競合

GYAO!はフジテレビなど地上波テレビ局が株主に名を連ねていて、テレビ番組の見逃し配信を行っている。

ところが、テレビ番組の配信といえば、今ではTVerが定番となっている。TVerは見逃し配信を主体としたサービスで、GYAO!よりも幅広いジャンルの番組を配信しているので、見逃し配信ならTVerという視聴習慣がついた。

TVerの存在感が高まるにつれて、GYAO!のユーザー数は減っていったと想像できる。

GYAO!は地上テレビを補完するような番組を提供していたが、最近ではTVerでも独自コンテンツが増えてきており、GYAO!の存在意義が薄らいできていた。

Amazon Primeなどとの競争

動画配信サービス業界の競争は苛烈だ。Amazon Prime VideoやNetflix、Disney+など多くの動画配信サービスが鎬を削っている。それらの動画配信サービスがサブスクリプション料金なのに対して、GYAO!は無料で動画を配信している。その代わりに広告が入る。地上波テレビ局が株主に名を連ねているので、地上波テレビと同様のビジネスモデルを採用している。

ところが、最近はサブスク全盛で月額料金を支払うことで、気軽にたくさんの動画を観られるサービスが好まれている。

中途半端なサービスであるGYAO!は敬遠されるようになってきていた。

Yahoo!内サービスとの競合

LINEと実質的に統合したYahoo!は数多くのサービスを提供している。動画配信サービスも複数あり、GYAO!と同時に「LINE LIVE」も終了する。LINEにある「LINE VOOM」に経営資源を集中させるそうだ。

GYAO!サービスの終了は、Yahoo!グループ内の経営合理化の結果でもある。

GYAO!終了の余波

GYAO!のサービスは、TVerやLINE VOOM、Amazon Prime Videoなどの動画配信サービスで補完できるので、大きな影響はなさそうだ(GYAO!ユーザーにとっては過去に購入した作品が観られないなどの問題を抱えることになるが)。

ただ、GYAO!はテレビ番組の見逃し配信、映画などの有料配信などを行う総合的な国産サービスだった。それらを統合して多種多様なコンテンツを抱えたサービスは国内にはない。

AmazonやNetflixなど海外サービスが強い現状、国産のGYAO!は貴重な存在でもあった。今回の終了により、海外サービスの勢いがますます強くなる可能性もある。

LINE VOOMに人気が集まれば良いが、Yahoo!がどこまで他社のサービスと競争していくか興味深い。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
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