TVerリニューアル
地上波テレビ番組をネットで視聴できる「TVer」が大幅リニューアルした。
主な変更点は、こちら。
- ログイン機能
- 「マイページ」を追加
- リアルタイム配信・追っかけ再生
今回の変更点からTVerの将来を考えてみます。
ログイン機能
「TVer ID」というIDが導入された。同じTVer IDでログインした複数端末は視聴状況やマイページの内容を同期される。
今までのTVerはID制がなくログインする必要がなかった(今後もログインしなくても視聴はできる)。IDを導入しなかったのは、ログインする手間をなくして、視聴する敷居を低くすることが目的だった。
TVerが一般的になったので、ついにログイン機能を追加した。これはTVerが次の段階へ進んだことを意味する。今までは試聴してもらうことに重点が置かれていたが、その反面、ログインをしないので個人情報と紐づけることができなかった(一応アンケートに答えて、その情報をCookieとして保存はされていた)。
TVer ID導入により、個人情報と視聴パターンと合わせた番組をリコメンドされるようになった。
マイページ
今までも好みの番組を「お気に入り」に登録しておけば、新しい配信があれば教えてくれていたが、マイページでは登録した番組が一画面に多く表示されるようになった。ログインすれば、他のデバイスとも連携されるので、Macでマイページに登録すれば、同じIDでログインしたiPhoneのTVerアプリのマイページも更新される。
ただ、ちょっと触った感じでは、少し不便な点もある。今まではホームページに「お気にいり」が表示されたが、新しいアプリでは「マイページ」に移動しないといけない。マイページに移動すれば大量の番組が表示されるが、一手間かかるようになった。
これは、ホーム画面に旬の番組を多く表示させるための措置だと思う。
リアルタイム配信・おっかけ再生
TVerではリアルタイム配信、おっかけ配信も視聴できる。今でも日本テレビ系列の一部番組はリアルタイムで視聴できたが、この4月から他局でもリアルタイム配信を開始する。
この「おっかけ再生」はログインしないと使えない。おっかけ再生にログインする必要はないと思うが、それだけログインさせたいのだろう。
TVerの未来
今回のTVerリニューアルの目玉はIDだ。今までは視聴者数を増やすためにIDを導入していなかったが、今回満を辞してIDを導入した。IDを導入した理由は、個人情報とリンクさせてユーザーに嗜好に合わせた番組を表示させて、視聴者数を増やすのがひとつの目的だが、本当の目的はユーザーに合わせたCMを流すのが目的だと思う。個人情報と視聴履歴からユーザーの嗜好を分析して、それに合わせた効果的なCMを表示することができる。
ご存知の通り、テレビ会社が番組を放送するのはCMを流すためだ。TVerでも番組の合間にCMが流れる。地上波テレビの視聴者が減少している現在、嗜好に合わせたカスタマイズされたCMを流すことで広告料を上げるのが今回のリニューアルの本当の目的だと思う。