好調なTVer
ネットでテレビ番組が視聴できるTVerが好調だ。巣ごもり需要の効果もあり、見逃したドラマなどの番組をネットで視聴する習慣が根付いてきた。
テレビでしか観ることができなかった番組をネットで視聴できるようになったのは一歩前進だが、まだ足りない機能がある。
考えてみます。
ネット文化に学んだノーアカウント
TVerはテレビ発のサービスだ。YouTubeなどのネットサービスへ視聴者が移る中、番組の違法アップロードを防止する目的もあり、TVerはスタートした。以前は、各テレビ局が独自の配信サービスを運営していたが、原則有料で会員登録が必要なこともあり視聴者数は伸びなかった。そこでTVerではアカウント登録をやめて、気軽に視聴できるようにした。
アカウントがなくても視聴できるのはYouTubeと一緒で、ネット文化に学んだ結果とも言える。
だが、まだTVerのサービスは「テレビ番組の録画」という従来の発想に囚われている。ネットとの融合を目指すなら、もっとネット文化に学んだ機能を加えるべきだと思う。
番組の評価ができない
現在、番組をお気に入りに登録できるようにはなっているが、ランキング表示を表示することはできない。お気に入りの数でランキング表示されれば、どの番組が注目されているかわかるので番組を選ぶ参考になる。
ランキング機能がないのは、おそらく他の局との兼ね合いがあるのだろう。複数のテレビ局の番組を配信しているTVerは特定の番組だけをPRできないようになっている(視聴傾向に基づくおすすめはしてくれる)。
感想を入力できない
TVerでは視聴した番組にコメントを入力することができない。YouTubeやAmazon Prime Videoでは当たり前の機能がTVerにはない。他人の感想が参照できれば、視聴するかどうかの参考になる。
コメント機能がないのは番組への批判が書かれるのを恐れているからだろう。しかし、本当に良い番組が制作したいなら、番組の感想はありがたいはずだ。誹謗中傷を避けたいならフィルタリングすれば良い。視聴者の声を避けているとネットでは正当な評価が得られない。
実況できない
TVerの番組を実況できない。現在のTVerはリアルタイムの視聴ができないが、昨年は日本テレビが実験的にリアルタイム視聴を実施していた。
ニコニコ放送ではリアルタイム視聴ではなくても動画に対するコメントを後からでも読むことができる。一人で見ていても他人と一緒に視聴している気分になれる実況コメントは、ニコニコ放送で培われたネット文化だ。
今後リアルタイム視聴ができるようになれば、実況機能は絶対に欲しい。
ネットとテレビの融合のために
テレビとネットは今まで対立してきた。テレビはネットの恐ろしさを長い間喧伝してきたし、「テレビは終わった」とネット民は言い続けてきた。
TVerで一歩ネット側に踏み出したテレビ局には、ネットの良い文化を吸収してネットとテレビの良い点を融合させて、より良質なエンターテインメントを構築してほしい。