iPad Air / iPad発表
Appleが新型iPad Air(第4世代)とiPad(第8世代)を発表した。
無印iPadはチップなどの変更にとどまり、iPad AirはUSB-CやTouch ID内蔵の電源ボタンなど多くの機能が外観とともに変更された。
複数のモデルがあるiPadファミリー。最もわかりやすいディスプレイサイズで並べると、こんな感じ。
- 7.9インチ:iPad mini
- 10.2インチ:iPad
- 10.9インチ:iPad Air
- 11インチ:iPad Pro
- 12.9インチ:iPad Pro
新型iPad Airは11インチiPad Proの差は、わずか0.1インチ。どんな違いがあるのだろう。
新型iPad、iPad Air、11インチiPad Proを比較します。
- iPad Air / iPad発表
- ディスプレイ
- チップ
- キーボード
- Apple Pencil
- 容量
- サイズ
- カメラ
- フロントカメラ
- スピーカー
- 認証
- 無線規格
- コネクタ
- センサー
- カラー
- 価格
- まとめ
ディスプレイ
フルディスプレイになったiPad Airは、11インチiPad Proのディスプレイに酷似している。iPad AirとiPad Proの縦横のサイズは同一。0.1インチの差はベゼルの太さだろうか。
それ以外の両モデルのディスプレイの差は、Promotionテクノロジーの有無。iPad Proはリフレッシュレート120Hzで描画できる。比較するとスクロールの滑らかさが明らかに異なるが、比較しなければわからないといえば、わからない。
iPadとiPad Airのディスプレイサイズの差は0.7インチ。高さはiPadの方が長く、幅はiPad Airの方が太い。iPadはホームボタンがあるので、ディスプレイサイズが小さい。iPadはLiquid Retinaではないので、ディスプレイの角が丸くない。小さい点だがホームボタンとともに古臭さは否めない。
iPadのディスプレイは旧来のディスプレイ性能のままなのでTrue Toneなどの未対応だが、ppiはiPad Pro・iPad Airと変わらない。普通に使うにはiPadで困ることも少ないだろう。
チップ
iPad Airには最新のA14チップが搭載された。新型iPhoneが発表されなかったので、A14は本邦初公開。A14はA12より4倍速く、グラフィック性能は2倍。チップ性能だけを見れば、iPad Proを今購入するメリットはない。
iPadのチップはA12にアップデートされ、iPad ProのA12Zに肉薄した性能を見せる。圧倒的に安いiPadがProに似た計算能力なら、iPadはお買い得と言える。
キーボード
iPad AirはiPad ProのMagic KeyboardとSmart Keyboard Folioに対応した。トラックパッドを搭載して、次世代コンピュータと言われたiPad ProとMagic Keyboardと同じ操作がiPad Airでできる。
「Macbookの代わりにMagic Keyboardを使いたいけど、iPad Proとの組み合わせだと高いなあ」と思っていたユーザーにiPad Air+Magic Keyboardのセットは魅力的だ。
iPadは従来のSmart Keyboardに対応しているがSmart Connectorを装備していないので、Magic Keyboardには非対応。
Apple Pencil
iPad AirがApple Pencil(第2世代)に対応。iPad Proと同様に側面にマグネットで装着して充電できる。iPadで使用できるのは第1世代のみ。
容量
iPad Airが64GBと256GB、iPadが32GBと128GB。クラウド、ストリーミングサービス全盛でも、きちんと使うなら128GBは欲しいが、iPad Airに128GBの設定はない。256GBを選ぶと、iPad Proの125GBとの価格差が5,000円に縮まることに留意したい。
サイズ
iPad ProとiPad Airの高さと幅は同じだが、iPad Proの方がわずかに薄い。重量は13gだけiPad Proが重い。
iPad Airの方が無印iPadより0.6mm薄く、32g軽い。iPad Airの「Air」は無印iPadとの差を意味するようだ。
カメラ
進化したiPad AirとiPad Proとの最も大きな違いがカメラだ。iPad Proは超広角カメラを内蔵しているが、iPad Airはシングルカメラのみ。
と言っても広角カメラの機能自体はiPad ProとiPad Airは同じなので、超広角レンズを使わなければ、撮影できる画質に変わりはないと思われる。
iPadのカメラは両モデルより一段階劣るが、iPadで頻繁に撮影しない人はあまり気にならないだろう。
フロントカメラ
iPad Airのフロントカメラは7MPでiPad Proと同じだが、Face ID仕様ではないので、ポートレートモードやアニ文字は使えない。
iPadのフロントカメラは従来のままで、1.2MP。リモートワークでWebカメラを多用する人には厳しいかも。
スピーカー
iPad AirとProの大きな差のひとつが、スピーカーの数。iPad Proは4スピーカーだが、iPad Airは2スピーカー。iPad Proの4スピーカーは定評があるので、タブレットで動画鑑賞する人はProを選ぶの手だが、AirPods Proなどのイヤホンやヘッドホンを使うならスピーカー性能はあまり重要ではない。
認証
iPad Airはトップボタン(電源ボタン)に指紋認証を内蔵した。小さいボタンによる指紋認証は他のスマホにはあるがAppleで初。どの程度の認証精度かはわからないが、マスク着用の機会が多いコロナ禍ではTouch IDの方が便利なシチュエーションも多いだろう。
無線規格
iPad AirはWi-Fi 6に対応した。Wi-Fi性能はiPad Proと変わらない。iPadはWi-Fi 6未対応、Bluetoothは4.2なんだ。長く使うならWi-Fi 6対応のiPad Airを選びたい。
コネクタ
iPad AirはUSB-Cを装備した。ProはUSB-C、それ以外はLightningコネクタという今までの基準が変わった。USB-CがProの壁を破ったことで、iPhoneにもUSB-Cが内蔵される期待が高まる。どうなるんでしょうね。
iPadは従来通りLightningコネクタのまま。Apple製品にしか使えないLightningよりもUSB-Cの方が汎用性が高い。
センサー
iPad AirにはProにあるLiDARスキャナは採用されなかった。ARに利用されるLiDARスキャナだが、日常的に利用している人は少ないだろう。
カラー
iPad AirはiPad史上初の5カラー体制。iPad Airを売りたいAppleの意欲が伝わる。
iPadは3カラー。iPad Proにはないゴールドモデルがある。
価格
同じ256GBだとiPad AirとiPad Proの価格差は16,000円。絶妙な価格差だと思う。iPad ProとiPad Airとの主な差はFace ID、カメラ、スピーカー、ディスプレイのProMotionテクノロジー。ディスプレイ以外は、使うかどうかはユーザーによる。それらの機能に16,000円の価値を感じない人も多いだろう。iPad Proの128GBとiPad Airの256GBとの比較だと5,000円しか違いがいない。
iPadの32GB 34,800円は、かなりお値打ちだ。ストリーミングサービスを常用するなら内蔵メモリは32GBでなんとかいける。でも通常の用途なら128GB 44,800円を選んだ方が後悔しないと思う。
まとめ
- ProにあってAirにないもの:Face ID、超広角レンズ、4スピーカー、ProMotionテクノロジー
- AirにあってProにないもの:A14チップ
Proはいわゆる全部盛りで、動画鑑賞、音楽鑑賞、写真撮影とあらゆる用途に使えるフルスペックを備える。
だが、動画鑑賞はAirPodsを活用、写真撮影はiPhoneでという人はiPad Airで困る機会は少ないと思う。
たとえ4スピーカー、カメラ性能に魅力を感じても、現状iPad Proを購入するのはお勧めしない。チップが旧世代なので、Proがアップデートされるまで待った方が良い。
iPadは他モデルと比べるとかなり安い。64GBで45,800円のiPad miniとほぼ同等の値付け。ほとんどの作業はiPhoneとPCで行うのでタブレットの使用機会が少ない人は、iPadを購入するのもありだ。
ただ、第一世代Apple Pencilしか対応していないこと、10%以上重いボディ、流石に古さを感じるようになったホームボタンは色々と厳しいかも。
Airとついているが、iPad Airが標準機で、無印iPadが廉価版という妙なラインナップになった気もするが、現時点でベストなiPadを選ぶならiPad Airになると思う。