ヘルスケア関連の新しいサービス
AppleのクックCEOが、CNBCのインタビューで、新しいサービスを今年開始すると話した。Appleが近年取り組んでいるのはヘルスケアであり、Appleが人類に貢献できる分野だとも話している。新しいヘルスケアのサービスを開始する予定なのだろうか。
引用:CNBC
ヘルスケア事業を拡充してきた近年のApple
クックが言うように、Appleはヘルスケア分野の拡充に努めてきた。Apple Watchに心電図や転倒転出機能を追加し、iPhoneでは使いすぎ防止のためのレポートが作成できるようになった。
他社製スマートテレビへAirPlay 2を提供したように、売上が伸びないiPhoneの代わりにサービス事業の拡充にAppleは取り組んでいる。
ヘルスケア向けサービスもその流れのひとつだろう。
でも、それはどんなサービスで懸念はないのだろうか。考察してみる。
医療機関との連携
Apple Watchで作成した心電図を医療機関に提出できる。iPhoneやApple Watchで取得した健康状態を医療機関に送信し、異常があった場合に診療できるサービスの導入が予想できる。
Apple Watchについては心拍数、心電図だけではなく、血糖値などの情報を収集できるようになるという噂も絶えない。高血糖値を警告してくれたり、日常生活について医者がアドバイスをくれたりするサービスが考えられる。
プライバシーは大丈夫?
健康状態という究極のプライバシー情報の保護は大丈夫だろうか。ここでAppleの個人情報保護の姿勢が活きてくる。Facebookなどと比較し「個人情報では商売しない」「指紋などの情報はクラウドに保存しない」などの取り組みをAppleは繰り返し表明している。
情報のプロテクト技術だけではなく、個人情報を大事にする企業イメージもヘルスケア事業推進にプラスになるだろう。
グローバルへの対応は?
各国の医療機関も保健サービスの内容も大きく異なる。Apple Watchの心電図機能もアメリカ以外では提供できていない。新サービスが医療機関との連携だとすると、グローバルへの展開は非常に時間がかかるだろう。
ハードの対応は?
健康状態を把握するためにはウェアラブルデバイスであるApple Watchが主役になるが、腕時計を常時着用することに抵抗がある人もいるだろう。
Apple Watchだけではなく、AirPodsで心拍数を計測するという噂も出ている。
増えるサービスの整理が大事
ハードの成長の見通しがたたない現状、サービス事業の拡大はAppleにとって必須だが、増えるサービス事業をどのように整理するかが課題となる。
- Apple Music
- iTunes Movie
- iCloudストレージ
- ヘルスケア機能?
ヘルスケア機能だけのサービスに加入するユーザーがどれだけいるか、金額の設定も難しいだろう。「Apple Prime」みたいに一括したサービスの中の付帯サービスであれば導入しやすいと思うが、Appleはどのように考えているのだろうか。
ITを使った健康管理というAppleの理想は素晴らしいが、誰もが気軽に導入できるようにしないと加入者が増えず、その間に他社の追随を許すことになる。