ソニー、LGもAirPlay 2に対応
世界最大の家電展示会「CES 2019」で、Samsungに続き、ソニー、LGも自社製スマートテレビがAirPlay 2に対応すると表明した。
ソニーは2019年発売の新モデルから、VIZIOは2017年以降のモデルはアップデートで対応する。
Samsungの発表時には、Appleがサブスクリプション型の動画配信サービスをもたないことが課題だと指摘したが、既存ハードへの影響はどうだろう?
この機能を請け負っているAppleのデバイスはApple TVだ。
Apple TVはどうなる?
Apple TVは、2007年からAppleが販売しているセットボックスで、iPhoneやiPad、Macのビデオコンテンツや音楽を大画面テレビとスピーカーに配信する機能を担っている。
2015年発売の第4世代からはiOSベースのtvOSを搭載し、アプリをインストールできるようになった。動画配信だけではなく、ゲームやニュースなどのアプリが加わり、家庭用テレビ向けのコンピューターになると期待されていた。
当初はApple TVが唯一無二の存在だったが、初代から10年以上が経過し、家庭用テレビに繋げるセットボックスも増えた。Amazonが提供するAmazon Fireシリーズは、Apple TVよりも小型でAmazon Prime Videoなどのサービスと連動する。
後発組と比較してApple TVは筐体が大きく、高価だ。アプリをインストールできる独自OSはライバルと比較してアドバンテージだが、Apple TV専用のアプリはそれほど増えておらず、Apple TVしかできない画期的なアプリも登場していない。
最初は独創的だったが、理想が先行しアップデートが遅れ、その間にライバルに抜かれてしまうのは、音声認識システムのSiriなどAppleのシステムではよくあるパターンだ。
他社のスマートテレビにApple TVの機能が取り込まれることで、Apple TVの存在は確実に希薄するだろう。あまり振るわないApple TVの拡販より、他社に機能を提供することで自社サービスの拡大をAppleが優先した結果だ。
今後、Apple TVはAirPlay 2に対応しない古いテレビ機向けの製品となるのか、当初目指した家庭用テレビ向けのコンピューターを目指すのか、今年のWWDCで発表されるであろう新しいtvOSで方針が見えてくると思う。