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伸びるMNO。純減するMVNOが生き残るひとつの道

携帯電話のシェア

総務省が最新の携帯電話のシェアを発表した。各MNOが新プランを発表したこともあり、シェアに変化が見られる。細かく見てみましょう。

徐々にシェアを伸ばす楽天モバイル

最新の携帯電話のシェアの推移を見ると、NTTドコモ・KDDI・ソフトバンクの3大キャリアのシェアが減少し、代わりに楽天モバイルと3大キャリアのMVNOが伸びている。楽天モバイルのシェアは1.5%。楽天モバイルは1年間無料で多くのユーザーを獲得した。4月の決算発表では410万人の契約者数を達成したと楽天は発表していた。シェアの伸びを見ると、その数字が裏付けられた。

総務大臣の圧力と楽天モバイルへの対抗もあり、UQ Mobile、ワイモバイルもプランを改訂して、ユーザーを集めたので、MNOからMNPしたユーザーも今後は増えると思われる。

このデータは2020年3月時点なので、ahamoなどの新プランの影響は反映されていないようだ。

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実質純減したMVNO

楽天モバイルのシェアが増えたこともあり、MNOの契約数は大きく伸びた。カーナビなどの機器に埋め込まれる通信モジュールを除くと、MNOは純増で近年にない傾向だ。MVNOだった楽天モバイルのユーザーがMNOに移行したことが大きい。ahamoなどの新プランへの移行が多かったと思われる次の四半期ではMNOユーザーがさらに増えると予想される。

一方で、MVNOの契約数の伸びは減少し、通信モジュールを除くと純減になっている。これは楽天モバイルのMNO化の影響と、UQ MobileなどMVNOのセカンドブランドの影響が出ている。セカンドブランドは大幅な値下げになる新プランを発表した。通信速度ではMVNOより優位になるセカンドブランへユーザーが移っている。

ahamoなどMNOの格安プランが本格スタートした次の四半期ではさらにMVNOの契約者数が減少していると思われる。

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MVNOの事業者別シェアを見ると、格安プランを発表したIIJが伸びて、MNOへの移管を進めている楽天モバイルのシェアが減ったように見える。

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苦境に立つMVNO

1GB未満無料の楽天モバイルと、ahamoなどのMNOの新プランに押されて、MVNOの契約者数は今回の発表よりもさらに減少していると思われる。

MVNOはMNOへ回線使用料を払って運営しているので、回線使用料が減らないとこれ以上の値下げが困難だ。MVNO各社は総務省へ使用料の値下げを要請していたが、今のところ値下げしたという報道はない。

このままではahamoや楽天モバイルへMNPする顧客が増えて、MVNOの契約はさらに減り経営はさらに苦しくなっていく。では、どうすればMVNOが生き残れるのだろう。

ひとつの方法はIIJの試みだ。IIJがギガプランという格安プランを開始した。特にeSIMだと2ギガで440円と格安だ。データ回線だけで音声通話はできないが、通話料無料の楽天モバイルと併用すれば通話もデータも格安で運用できる(デュアルSIMが使える端末に限る)。

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さらに6月からは5Gオプションを無料にして、1GBを追加する金額も220円と、かなり使いやすいサービスを開始した。

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IIJに合わせて値下げしたら、かなり売り上げは減るが、MNOの弱点をカバーするプランを提供するのはMVNOの一つの道かもしれない。

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