MacBook廃止
突然MacBookが廃止された。2017年からアップデートされていなかったので時間の問題ではあった。MacBookは12インチでMacbookシリーズの中で薄型軽量を誇っていたが、13インチの新型MacBook Airの登場により、立場が微妙になっていた。
本来なら新型MacBook Air発売時に消滅してもおかしくなかったが、とにかくラインナップを豊富に揃えるという最近のAppleの方針に沿って残されていた。
今回MacBook廃止と同時に、MacBook AirとTouch BarなしMacBook Proがアップデートされた。MacBook Airは値下げされ、Macのエントリモデルを担うことになる。 「プロ」モデルとしては貧弱なスペックだったTouch BarなしMacBook Proは、ようやく「プロ」を名乗ることができる性能に到達した。
変更点と他のMacbookモデルと比較してみます。
- MacBook廃止
- Macbook Airの変更点
- 13インチMacbook Pro(2つのThunderbolt 3ポート)の変更点
- 最大ストレージ容量
- 最大バッテリー消費時間
- Touch ID / Touch Bar
- プロセッサ
- ディスプレイ
- サイズ
- スピーカー
- ワイヤレス
- ポート
- Siri
- 価格
- 選びやすいMacBook Air
Macbook Airの変更点
- 価格改定。119,800円から
- Trure Tone対応ディスプレイ
- 旧型MacBook Air廃止
2万円値下げしたにもかかわらず、他のMacやiPad Proと同様にTure Toneディスプレイを採用した。True Toneディスプレイは、本来の色を自然に表現できるディスプレイだ。安くなって性能はアップしたので、エントリモデルとしての魅力が高まった。
これもラインナップを整理する一環だと思うが、エントリモデルとして残っていた旧型MacBook Airは廃止になった。旧型は98,000円だったので、新MacBook Airはそこまでの価格帯には踏み込んでいないが、性能を考えるとエントリモデルとして十分だと思う。
13インチMacbook Pro(2つのThunderbolt 3ポート)の変更点
- Touch BarとTouch IDを搭載
- デュアルコアからクアッドコアに変更
- True Tone対応
今まで「Touch Barなし」と呼ばれていたが、今回のアップデートでTouch BarとTouch IDを搭載した。Appleの呼び名は、「13インチMacbook Pro(2つのThunderbolt 3ポート)」と非常に長いので、以下エントリーモデルと呼ぶ。プロモデルの「MacBook Pro」(ややこしい言い方)との違いは、Thunderbolt 3ポートの違い。エントリーモデルは右側に2つのポートしかないが、プロモデルは左右に各2つずつポートがある。
最大ストレージ容量
MacBook Airは、最大1TBのストーレジまでしか選択できない。クラウドサービスのご時世、ノートブックで2TBの容量を必要とする人がどれだけいるかはわからないけど。
最大バッテリー消費時間
MacBook Airの方が2時間長い。CPUなどのスペックが劣る分、長持ちする。国際線の長時間フライトではバッテリー性能が物を言ったが、最近の飛行機は充電設備が充実しているので、そこまで意味は持たなくなっている。
Touch ID / Touch Bar
MacBook AirはTouch IDのみ。エントリーモデルのMacBook ProにTouch Barが搭載されたことで、Touch BarなしのMacBookはMacBook Airのみになった。
Touch Barはカスタマイズできるファンクションキーとして重宝する反面、打鍵感がないのでブラインドタッチができないと賛否両論ある。
MacBook ProのエントリーモデルもTouch IDを搭載したのでTouch Barが嫌ならMacbook Airを選ぶしかない。
不評な声も大きいTouch Barはいずれ廃止するかと思ったけど、プロ仕様の機能として存続することになったようだ。課題の打鍵感を付与できる技術を開発しているのかもしれない。
プロセッサ
3モデルで当然差がある。上位モデルほどスペックは高い。グラフィックもMacBook Airだけ「Intel UHD Graphics 617」を搭載し、MacBook Proとは差別化がはかられている。Web閲覧など通常の使い方でどこまで差が出るかは微妙だが。
ディスプレイ
MacBook AirのディスプレイにもTrure Toneが搭載されたが、MacBook Proとは異なるディスプレイであることに変わりはない。解像度は同じだが、輝度や発色で差がある。ただ、通常使用していて違いはほとんどわからないだろう。
サイズ
幅と奥行きは3モデルとも共通。重ねても大きさの違いはない。キーボードと13インチディスプレイの組み合わせでは、このサイズがベストだとAppleは考えているようだ。
MacBook Airはくさび形なので、MacBook Proより薄い部分も厚い部分もある。MacBookの廃止で、現行モデルではMacBook Airが最薄(の部分がある)。
重さも0.12gしか変わらない。「軽いPCが好きだからMacBook Air一択」とは選びづらい差ではある。
スピーカー
スピーカーはMacBook Airだけ普通のステレオスピーカー。ハイダイナミックレンジステレオスピーカーを内蔵するMacBook Proの音はかなりいい。外部スピーカーをつけなくても十分聴ける。
ワイヤレス
MacBook AirはBluetooth 4.2。最新モデルなのにBluetoothは1世代前の仕様を踏襲している理由はよくわからない。5.0は省電力化が売りなので、気になる人は気になる要素かも。
ポート
エントリーモデルのMacBook Proとプロモデルの外観上の違いは、ポート数だけ。4つもUSB-Cポートがあっても使わないのだけど、左右にポートがあるのは非常に便利だ。電源がある位置に合わせて、左右どちらからでも充電できる。エントリーモデルでは左側に電源があるとケーブルの取り回しに苦労することになる。
そのためだけに高価なプロモデルを選ぶかどうかは、予算との相談になる。
Siri
エントリーモデルのMacBook Proは「Hey Siri」が使えないとAppleのサイトには記載がある。事実なら、エントリーモデルのMacBook ProがMacBook Airに負けている唯一の部分だ。でも、エントリーモデルのMacbook Proにも「Apple T2 Securityチップ」が搭載されているはずなのに、なんでだろう。USサイトも同様の表記なので間違いではないと思うが。
価格
MacBook Airが119,800円から。エントリーモデルのMacBook Proは139,800円からなので、2万円の差がある。プロモデルはさらに6万円増なので、価格帯は大きく異なる。
選びやすいMacBook Air
CPUなどの速度を求めないならMacBook Airがベストチョイスだと思う。スペックで大きく見劣りしないし、Touch Barはないが、Touch Barを好まない人にはむしろ嬉しい。
圧倒的な性能がノートPCに必要なら、プロモデルのMacBook Proを選ぶしかない。
埋没しそうなのがエントリーモデルのMacBook Proだ。今まではTouch Barなしだからと選ぶ人はいたが、今回からTouch Barがあるので積極的に選ぶ必然性がない。
通常の使い方なら、値下げで価格もこなれたMacBook Airを選ぶのが良いと思う。