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メタバースとは?メタバースとセカンドライフの違いは?Facebookがメタバースを始める理由

新たなバズワード?

ここ最近「メタバース」という言葉が目につくようになった。ITの世界では、定期的にこういう新しいワードが飛び出てきた。ビッグデータとかフィンテックとかIoTとか、まあ、色々なワードが今までも飛び交って、さっさと消えていった。ビッグデータってもう聞かないですよね? IT企業が新しいサービスを売るために広めようと無理やり言っている感じがする。こういう言葉をバズワードと呼ぶ。

すぐに消えてしまうので、IT業界で使われるバズワードを冷めた目でで見てしまうんだけど、今回のメタバースはどうだろう? メタバースとは何か考えてみます。

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 メタバースとは?

メタバースとはなんだろう。新しいワードなので概念もまだふわふわしているが、簡単に言えば仮想世界のことなんだと思う。

ゲームのフォートナイトが現時点の代表と言われている。2020年にはフォートナイト内の世界でライブが開催された。日本でも米津玄帥がライブを行い、多くのアバターが参加して盛り上がった。

フォートナイトのようなメタバースのプラットフォームでユーザー同士が交流し、物販や広告を始める企業が参入してきている。

セカンドライフの話をしてる?

ここまで聞いて、「え? セカンドライフのこと?」と思う人もいるだろう。セカンドライフは2003年にサービスが開始された仮想世界で、現実世界とは違うもう一つの世界に多くのユーザーが参加した。すぐに多くの企業が参入し、政治家も登場するなど大きなムーブメントになったが、数年でブームは終わってしまった。

今回言われているメタバースもセカンドライフとたいして変わらないと思われるが、いくつかの条件が異なる。

ひとつはスマホの存在だ。セカンドライフはWindowsにインストールして楽しむ仮想空間だった。その後に登場したソニーの仮想空間「Home」で参入するにはプレイステーションが当初必要だった。

メタバースで使われる主なデバイスはスマホだ。ほぼ全ての人が所有するスマホで仮想空間に入れるので、セカンドライフよりも敷居は低い。普通の人でもスマホを常時使い、画面を見ているので、仮想空間に長時間戯れても抵抗がない。

もうひとつの違いは、コロナウイルスだ。まさかのパンデミックにより他人と接することがためらわれ、外出が制限される世界になってしまった。

昨年パンデミック下で「どうぶつの森」が大ヒットしたように(ぶつ森もメタバースだといわれている)、メタバースは非接触を保つにはうってつけのアイテムだ。

Facebookが参入

「Facebookは、これからメタバース企業になる」とザッカーバーグCEOが宣言した。世界最大のSNSを運営するFacebookは従来のSNSから脱却して、仮想空間で人々が交流し、ビジネスが展開される世界を構築しようとしている。

過去多くの企業が試して失敗してきた仮想空間に、どうしてFacebookは参入しようとしているのだろう。

大きな理由は、Facebookのビジネスが脅威に晒されているからだ。Facebookの売上の多くは広告だ。Facebook上に表示される広告からの収入によってFacebookは利益を得ている。

だが、近この広告が問題になっている。ユーザーの情報を収集してユーザーの嗜好に合わせた広告を表示する「ターゲティング広告」への風当たりが強い。特にAppleはiOS上にターゲティング広告を排除しようとしている(実際はユーザーの選択に委ねているが、停止したユーザーも多い)。

GAFAとよく言われるが、GAFAの中でFacebookのプラットホームが一番脆い。Appleは自社OSを自社のデバイスに載せて販売していて、自社のエコシステムを構築している。その世界はAppleが自由にコントロールできるので、今回のターゲティング広告の制限も容易にできたわけだ。

GoogleはFacebookと同じく広告収入が頼りだが、GoogleにはAndroidとChromebookがある。Appleがいくら広告を制限しても、スマホのシェアの半分以上を占めるAndroidがあるので、Appleの影響は限定的だ。

物販サイトとしてのAmazonにとっても広告は大事だが、主な収入は販売によるものだ。それにAmazonにはスマートスピーカーやAWSなどの他にも大きな収入がある。

FacebookはOSではなくサービスだ。FacebookはOSがないと機能しない。今回のAppleのようにOS内に制限をかけられるとFacebookは手も足も出なくなる。独禁法違反だと非難することはできるが、広告に対して良い印象を持たれないことも多いので、世論はFacebookの味方に必ずしもなってくれない。

そういった不安定な現状を打破するために、Facebook自ら仮想空間を運営することで、自らがプラットホームになろうとしている。

もちろん、FacebookのメタバースもiOSなどのOS上で動作するわけだが、メタバース内のビジネスと広告はOSの規制を受けにくい。

メタバース内のユーザーの行動をFacebookは把握できるので、ユーザーに合わせた広告を打つことも容易だし、メタバース内で商品を直接販売もできる。

Facebookはメタバースによって自らがプラットホームを握ることを画策している。

で、流行るの?

Facebookがメタバースにご執心になる背景は分かったが、死屍累々の過去の仮想空間と違い、メタバースは定着するのだろうか。サマーウォーズのOZや、最近では「竜とそばかすの姫」に出てきた仮想空間「U」のようにさまざまなサービスが仮想空間で行えるようになるのは便利そうではある。

ただ、筆者はやっぱり懐疑的だ。セカンドライフのときにも感じたが、Webサービスや人との交流するのにアバターの姿になる必然性がイマイチわからない。アバターになり仮想世界を移動するのは、確実に一手間する。普通にチャットすればいいのに仮想空間をめぐる必要があるのか疑問だ。端的に言えば面倒くさい。

もう一つの理由は、現実とのギャップだ。仮想空間といってもスマホの小さな画面では没入感は限界がある。アバターを操っていても、それは画面内のことであり、現実のこととは認識できない。Uの世界のように、イヤホンを装着すればVRの世界が広がり、現実の感覚と仮想空間が融合すれば別だが、現代の技術ではそれは不可能だ。

ネットのサービスとしては面倒くさく、現実に似た感覚も得られない。それではなんのために仮想空間にアクセスしないといけないのかわからない。Facebookの事情は理解できるが、それはユーザーには関係ないことだ。

新しい世代が作るメタバース

とはいえ、こういった感覚はもはや古いのかもしれない。フォートナイトのライブに若者が熱狂したように、スマホネイティブ世代はスマホの画面からでも新たな世界に没入できるかもしれない。今までの仮想空間とは全く違う使い方を若者が編み出し、新たなメタバースを構築することがあるかもしれない。

新しい世界であるメタバースが、いじめやその他の社会問題を持ち込まない理想的な世界として生まれれば、それは素晴らしいことだし、大きな産業になる可能性を秘めている。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
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