PS VR2を2023年初頭に発売
PS5向けVRシステム「PS VR2」を2023年初頭に発売するとソニーが発表した。今回は発売時期だけで、価格や詳細な仕様が発表されなかった。
PS VR2が成功するのか考えてみます。
VRゲームに特化
今、VRというとメタバースが真っ先に頭に思い浮かぶが、PS VR2はVRゲームに特化している。片目2000×2040の有機ELの4K HDRディスプレイ、3Dオーディオ、視線をトラッキングするカメラ、モーターによる振動フィードバックと、ゲームの興奮を増幅させる機能が多数内蔵されている。
ローンチタイトルも「Horizon」など、VRで楽しめるゲームが予定されている。
軽量・ケーブル1本
PS VR2はバッテリーを内蔵していないので軽量だ。USBケーブル1本でPS 5と接続して使用する。ケーブル接続なので、PS 5の近くで遊ぶことを想定している。
メタバースへの転換は?
PS VR2の説明ページには、メタバースへの言及はなく、VRゲームへの使用に特化している。以前、ソニーはセカンドライフのような仮想世界「ホーム」を提供していたが、2015年にサービスを終了している。
今のところ、ホームのようなサービスをVRで行う計画は発表されていない。ただ、メタバースというワードがバズる中、仮想世界について全く説明しないのも不自然な気もする。
ソニーにはホームの運営で培った知識と経験があるので、PS VR2発売と同時にメタバース世界を構築した「新ホーム」が誕生してもおかしくはない。
VRゲームから仮想世界へ
PS VR2の説明ではメタバースに言及していないが、ソニー本体はメタバースを今後の成長領域だと説明している。
ソニーのメタバースのキーワードは、「ライブ」だ。ゲームやコンサートなど、ソニーが得意とするエンターテイメントの興奮を拡大するために、メタバースというかVRを活用する方針だ。PS VR2もゲームだけではなく、4Kで映画鑑賞できる機能がある。
では、Meta社がすすめるような仮想世界をソニーは考えていないのか。
仮想世界的メタバースは注目されているが、まだ成功する兆しはない。ザッカーバーグが投稿した画像が貧弱で炎上したのは記憶に新しい。
いわゆるホームやセカンドライフ的な仮想世界よりも、現状はゲームから入り込む仮想世界の方が成功している。フォートナイト上などゲーム世界でのライブは成功しているし、アバターなどの購入が活発で、ゲームを中心としたエコシステムを構築しつつある。
ソニーも、PS VR2を用いて、VRゲームやライブを活性化させて、その延長線上のメタバース世界を考えているのかもしれない。その方が、仮想世界をゼロから構築するよりもリスクが小さく、成功する確率も高くなりそうだ。実際の生活を仮想空間に持ち込んでも、それは現実の延長でしかなく、現実から離れたゲーム世界の方が楽しめるという発想だ。
PS VR2が成功するかどうかは、VRゲームとライブの先にある。これらが一般化すれば、PS VR2の人気が高まり、ユーザーが集まる。VRゴーグルを装着することにユーザーが躊躇わなくなれば、VRゲームのエコシステムが固まり、VRゲーム自体が仮想世界になる未来が来ると思われる。