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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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パソコンと同じ道をたどるスマホ。つぎにくるもの

スマホとパソコンの歴史は同じ

iPhoneの売上低迷が報じられて、Appleの株価が下落している。報道が事実なら、新しく登場したiPhoneに魅力がなく買い替え需要に乏しいことと、多くの人がスマートフォンをすでに所有していて、新しくスマホを買う人が減っていることが原因だろう。

一方、ファーフェイなどの中国メーカーが台頭し、世界のスマホ市場のシェアを握ろうとしている。

この状況はパソコンで起きたことと似ている。

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オープンソースで広まったパソコンとスマホ

現在のパソコン(PCまたはパーソナルコンピュータと呼ぶべきだろうけど、あえてパソコンと表記します)に繋がるDOS/Vパソコンを開発したのはIBMだ。初期の頃、現代のパソコンをIBM PC互換機と言ったように、 IBMは自社だけで開発・製造するのではなく、仕様を公開し、他社もパソコンを開発できるようにした。このおかげでパソコンは爆発的に普及することになった。一方で、Appleは独自のOSと仕様であるMacで一定のシェアを確保し続けた。

スマホも同様だ。iPhoneの仕様をAppleは一切公開せず、クローズドシステムとしたが、ブランド力と先見性でパソコン時代より大きなシェアを確保できた。その後、GoogleがAndroidを開発し(元は買収した技術だが)、オープンソースOSとして他社へ公開したので、Androidスマホは爆発的に普及した。

安くて良いもの

その後、コンパック、のちにコンパックを買収するHP、ダイレクト販売という新しいビジネスモデルをひっさげて登場したDellが、パソコン市場を席巻した。

最初にパソコンを開発したIBMは、中国メーカーのレノボにパソコン事業を売却し、ここから、人件費が安い中国・台湾メーカーがシェアを握るようになる。

当初は日本のパソコン市場のシェアを握っていたNEC、富士通、ソニーなどの日本企業は、世界進出に失敗し、高コストで海外メーカーと対抗できなくなり、事業を売却、合併せざるを得なくなった。東芝もパソコン事業を売却し、初期からパソコンを製造している日本企業はパナソニックだけになった。

Androidスマホが登場したときは、モトローラなどの米国メーカーもある程度の存在感を示していたが、韓国のサムスンや中国のファーフェイ、シャオミが市場をすぐに奪っていった。

日本メーカーも、携帯電話を開発製造したNEC、富士通が当初スマホを開発製造していたが、高コストと技術的にも世界レベルについていけずに、パソコンと同じように世界市場ではシェアをとれなかった。

エリクソンと組んだソニーは今でも世界市場で戦っているが、赤字で苦戦している。

技術革新の停滞。コモディティ化

インテルのCPUとMicrosoftのOSを両輪に進化を続けてきたパソコンだが、性能が向上しても、性能に見合う需要が生まれず、パソコンの進化は停まりパソコン市場の成長もストップした。それでもパソコンはビジネスを中心に一定の需要はあるので、パソコンはコモディティ化した、まるでボールペンみたいに。

 

高い利益はでなくても、寡占化が進んだパソコン市場で大きなシェアを握ったレノボ、HP、Dellはパソコン事業を維持できている。

ここにきてスマホの進化も頭打ちになり、高性能化が進んでも大きな需要を喪失できなくなっている。スマホ市場の成長も頭打ちになり、Apple以外はアジアメーカーばかりになった。

第三の「パソコン」は?

パソコンは、名前の通りパーソナルコンピュータとして、個人が自由に使える最初のコンピュータだった。スマートフォンは、そのパソコンの概念をさらに「パーソナル化」して肌身離さず使えるコンピュータとなった。

第三のパーソナルコンピュータはなにになるだろう。Apple Watchのようなウェアラブルコンピュータだろうか。よりパーソナル化していくというなら、まさに「肌身離さず使えるコンピュータ」として腕時計型やメガネ型はありえる選択だが、スマートフォンができることを全てできるようになるには、バッテリー問題があるので、まだ時間がかかる。マシンパワーをあげればバッテリー消費量が増えて、大きなバッテリーが必要になる。このジレンマをどのメーカーも解消できていない。

Amazon Echoのようなスマートスピーカーが、第三のパソコンとなるのか。スマートスピーカーは「パーソナル」で使う用途ではなく、ファミリーを中心とした複数で使うことを意図して開発されてきた。各家庭から各部屋へ置かれるようになったが、「各個人」という方向には進まない。大きな音を複数の人に聞かせるスピーカーという特性上、パーソナル化の方向には進まない。

スマートスピーカーがイヤフォンになり、個人が使うようになる未来はあるかもしれないが、やはりバッテリー問題を解決しなければならない。イヤフォン化した場合に視覚から情報を得ることは出来ないので、パソコンやスマホの代わりにはなりづらい。

サービスこそが次の成長エンジン

パソコン、スマホのようなハードウェアが現れることは、今後はもうないかもしれない。次にIT業界を担うのは、「サービス」かもしれない。パソコンやスマホの進化が停まっても、我々の周りには多くのディスプレイとスピーカーがすでに存在する。

家庭では映画やミュージック、ビジネスではサブスクリプション型オフィスソフトやクラウドサービスが主役になる。デバイスがパソコン、タブレット、またはテレビと形を変えてもサービスは変わらない。デバイスの形状や性能よりもデバイスに流すサービスの質と量、価格が企業の勝敗を決めるようになる。

AppleはMacから事業をスタートして、iPhoneで急成長した。次のAppleの成長は、HomePodではなく、サービスだろう。Apple MusicがAndroidやAlexaに対応したのは、デバイスに関係なくサービスで成長していくAppleの決意の現れだ。

今年は登場しなかったが、来年にはAmazonプライムのようなAppleのような統合型サービスが登場するかもしれない。