Pixel 4登場!
10月24日に新スマートフォン「Pixel 4」をGoogleが発表した。
Android OSを開発するGoogleが提供するフラッグシップスマートフォンが、Pixelシリーズだ。OSは違えど、iPhoneの強力なライバルを想定して開発されたPixelは、お互い切磋琢磨しながら進化してきている。
AppleとGoogleの最新スマートフォン「Pixel 4」と「iPhone 11 Pro」を比較してみました。
デザイン
前モデルのPixel 3に続き、Pixel 4はノッチモデルではなく上部にセンサーを集約させたデザインは継承しているが、本モデルではホームボタンが排除されて画面が下部いっぱいまで広がっている。その影響で、頭が重たいデザインになったと感じる。
側面は艶消しの黒で、高級というよりは少しトイカメラっぽい雰囲気がある。
スマートフォンのデザインというものが、難しいところにきている。フルディスプレイが当たり前になり、前面は工夫の余地が少ない。デザインが洗練されすぎて、新鮮味がなくなってきている。
今回のPixel 4は洗練さを研ぎ澄ますのではなく、”はずし”のデザインだと思う。こういった変化球のデザインをだすことで、新しい血が入りデザインのトレンドに活力が加わることがある。そういったデザインをフラッグシップモデルに投入したGoogleの勇気を尊重したい。
iPhone 11 Proの前面はiPhone Xから変わっていない。賛否あるノッチデザインも変わらず、少々飽きてきた印象もある。背面のトリプルカメラのフィッシャーは物議を醸したが、段々慣れてきた。
デザインについては好みもあるので、評価は難しい。
デザイン:お好みで
サイズ
- Pixel 4:147.1mm x 68.8mm x 8.2mm
- iPhone 11 Pro:144.0mm x 71.4 x 8.1mm
iPhoneのディスプレイの方が0.1インチ大きく、Pixelのボディの方が少し細長い。分厚くなったiPhoneよりも、Pixelは0.1mm厚い。
細長いPixelの方が片手で握りやすいと思われるが、両モデルのサイズ感はかなり似ている。
サイズ:互角
重量
- Pixel 4:162g
- iPhone 11 Pro:188g
Pixelの方が26g軽い。重さを感じるのは重量だけではなくバランスや見た目もあるので、実際に持って比較しないとわからないところはあるが、数字的に優秀なのはPixelだ。
重量:Pixel 4
ディスプレイ
- Pixel 4:5.7インチOLEDディスプレイ (444 ppi)
- iPhone 11 Pro: 5.8インチOLEDディスプレイ (458ppi)
iPhoneのディスプレイは、0.1インチサイズが大きい。
コンストラクト比もiPhoneの方が高く、比較してもわからないかもしれないが、スペック的にはiPhoneが有利。
ディスプレイ:iPhone 11 Pro
背面カメラ
- Pixel 4:デュアルカメラ
- iPhone 11 Pro: トリプルカメラ
Pixelはシリーズ初のデュアルカメラで望遠カメラがついた。iPhoneは、それに超広角カメラがつく。
カメラの数はiPhoneが上回るが、カメラ性能はiPhoneがPixelを追いかけている状態。iPhoneはPixelにあったナイトモードを今回採用した。複数の写真を融合してより高品質な写真を残す「Deep Fusion」がまだ正式提供されていないので、トリプルカメラの真価はわからないところだが、超広角レンズは今までのスマートフォンとの撮影とは異なる経験が得られる。
背面カメラ:iPhone 11 Pro
前面カメラ
- Pixel 4:12メガピクセル
- iPhone 11 Pro:8メガピクセル
解像度だけではなく、手ブレ補正などスペック的にはiPhoneの方が高い。
前面カメラ:iPhone 11 Pro
認証
- Pixel 4:顔認証
- iPhone 11 Pro:顔認証
Pixel 3までの指紋認証からPixel 4では顔認証に採用した。原理はiPhoneのFace IDとほぼ同じだが、Googleの顔認証はメリットとデメリットがある。
メリットはスワイプがいらない設定ができること。通知センターを見せたいのかiPhoneはFace IDのアンロックのあと上スワイプの動作が必要になるが、Pixelはその動作が不要で、手に持ってアンロックすればすぐに使用することができる(別の設定も可能)。
デメリットは目をつむっていてもアンロックしてしまうこと。眠っていても誰かが顔に近づけたらアンロックしてしまうわけだ。指紋認証でも寝ている時に指を掴まれたら一緒ですけどね。Googleは今後改良すると言っている。
視線注視機能があるiPhoneの方が一日の長がありそう。
認証:iPhone 11 Pro
ポート
- Pixel 4:USB Type−C
- iPhone 11 Pro:Lightning
USB-Cに切り替わる噂もあったが、今年もAppleは独自仕様のLightningポートを残した。iPadのProシリーズにはUSB-Cを採用しているのに、iPhoneのProシリーズは変更されなかった。ワイヤレス充電が一般化したのでケーブルを使用する機会は減ったが、外出中などケーブルが必要なことはまだある。Apple製品以外の機器はUSB-Cに移行しているし、iPhoneも11からUSB-Cタイプの急速充電器を採用しているのだから、今回は移行すればよかったのに、iPhoneのためだけにLightningケーブルを持ち歩くのは面倒だ。
ポート:Pixel 4
センサー
- Pixel 4: 加速度、ジャイロスコープ、近接、環境光、コンパス、Active Edge、レーダーセンサー
- iPhone 11 Pro: 加速度、3軸ジャイロ、近接、環境光、気圧計
両モデルとも主要なセンサーを装備している。Pixelは2から伝統のActive Edgeを装備している。ボディを握るだけでGoogleアシスタントを起動することが出来る。
日本ではまだ実装されていないが、Pixel 4にはレーダーセンサーを使って、画面を触れずに身振り手振りで操作することができる「Motion Sense」が採用された。
Motion Senseは手をかざすだけで、曲送りやアラーム停止ができる。音声での操作に慣れてきたけど、声を出せない場面も多い。来年はiPhoneにも採用されるという噂もある。
レーダーの認可がおりたら、日本でも使用できるようになるそうだ。
センサー:Pixel 4
Wi-Fi
- Pixel 4: 2x2 MIMO対応802.11 a/b/g/n/ac
- iPhone 11 Pro: 2x2 MIMO対応802.11ax Wi‑Fi 6
iPhoneは、先進規格であるWi-Fi 6に対応した。まだ一般化していないが、将来を考えると安心だ。
Wi-Fi:iPhone 11 Pro
バッテリー
- Pixel 4: 2,800 mAh
- iPhone 11 Pro:3,046mAh
バッテリー容量はiPhoneが上回る。Pixelは3よりもバッテリー容量が減っている。公式なバッテリー駆動時間をGoogleは公表していないのでわからないが、今回のiPhoneは駆動時間にかなり余裕がある。おそらくiPhoneのバッテリー駆動時間の方が長いのでは。
バッテリー:iPhone 11 Pro
メモリ
- Pixel 4: 6GB
- iPhone 11 Pro:3GB
OSが異なるので、メモリ容量の差がそのまま性能の差にはならないが、2倍の違いは大きい。
メモリ:Pixel 4
カラー
- Pixel 4: Just Black、Clearly White、Oh So Orange
- iPhone 11 Pro:ゴールド、スペースグレイ、シルバー、ミッドナイトグリーン
Pixelのカラーは3種類。Oh So Orangeは、かなりビビッドなカラーで、Pixelのトイカメラっぽい雰囲気を作っている。
iPhoneはミッドナイトグリーンを追加したが、どれもProっぽい渋い色合い。このカラーは、PixelとiPhoneの方向性を象徴しているように思える。
カラー:お好みで
容量
- Pixel 4:64GB、128GB
-
iPhone 11 Pro:64GB、256GB、512GB
Pixelの容量は前モデルと変わらず、64GBと128GB。個人的には128GBという容量がピッタリで64GBでは少なく、256GBでは多い。
でも、まあ、これもお好みで。
容量:お好みで
価格
- Pixel 4:89,980円 (64GB)
-
iPhone 11 Pro:106,800円(64GB)
同容量だと Pixelの方が17,000円安い。これは圧倒的だ。64GBだと容量はちょっと小さいと、Pixelは128GBで103,950円、iPhoneは256GBで122,800円でさらに差は広がる。
この価格差はかなり大きい。ケースやワイヤレス充電器をつけてもPixelの方が安い。
価格:Pixel 4
Pixel 4の5勝6敗1引き分け
- デザイン:お好みで
- サイズ:互角
- 重量:Pixel 4
- ディスプレイ:iPhone 11 Pro
- 背面カメラ:iPhone 11 Pro
- 前面カメラ:iPhone 11 Pro
- 認証:iPhone 11 Pro
- ポート:Pixel 4
- センサー:Pixel 4
- Wi-Fi:iPhone 11 Pro
- バッテリー:iPhone 11 Pro
- メモリ:Pixel 4
- カラー:お好みで
- 容量:お好みで
- 価格:Pixel 4
iPhone 11 Proが1勝分多いけど、17,000円安いPixel 4はお買い得といえる。大きな欠点もなくPixel 4は非常に優秀なデバイスだ。顔認証の精度も高まり、デザイン的に好みが分かれる背面の指紋認証がなくなった。
毎回言っている気もするけど、PixelかiPhoneを選ぶかは今まで使用しているOSやイヤホンなどの周辺機器にも関係する。
iOS、Android OSのどちらでも選べるという人は、デザインの好みがPixel 4とiPhone 11 Proを選ぶ判断ポイントになると思う。
Pixelは前モデル以上にポップな感じになり、iPhoneはProと命名された影響か、よりプロっぽい渋い雰囲気になった。すでに持ち歩くものなので、どちらのデザインが好きかで決めてもよいかも。
繰り返しになるが、Pixel 4は欠点が少ないよく出来たデバイスで、ハイエンドにしては価格もこなれている。選んで後悔することはないだろう。