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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

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なぜ任天堂はSwitchに液晶画面をつけたのか?

本ブログでは、液晶画面をつけずにシンプルで安価な据え置き機の方が発表されたSwitchよりも売れると分析した。 

 

では、どうして任天堂はSwitchに液晶画面をつけてしまったのだろう?

考えられる理由は3点。

  • 単価の底上げ
  • Wii Uの反省
  • ソフト開発能力の集約

安価な据え置き機を販売すれば、当然総売上が減る可能性がでてくる。値下げ以上に台数が出れば問題ないが、ハードゲーマー層をPS4が抑えている現状、大幅な台数増は考えづらい。液晶をつけることで、どこでも遊べる付加価値を高め、販売単価を上げる戦略を任天堂は取った。本体価格2万9980円(税別)は、予想の中で最も高い価格帯で、ハイエンド機である初代PS4と同じ価格である。

 

二番目の「Wii Uの反省」とは、Wii Uの特徴であるタブコンがあまり活用されなかったことを指す。最初に任天堂が想定したタブコンの利点は、リビングのテレビを使わなくても同じ部屋ならゲームで遊べることと、テレビと二画面を同時に使用することで新しいゲーム体験を提供することだったが、どちらも大きな訴求効果が得られなかった。

タブコンだけで遊べるといっても、Wii U本体と無線通信できる距離にいないと使えない。テレビ鑑賞をしている同じ部屋でゲームをする状況があまり想像できず、タブコンの液晶はコスト以上の意味をなさなかった。

Wii Uの反省からSwitchではゲーム機本体に液晶をつけて、どこでも遊べるようにした。液晶の製造コストが下がり、バッテリーも軽量化されたことで「持ち運べる据え置き機」が実現できた。

 

三番目の「ソフト開発力の集約」は、従来からの任天堂の戦略である据え置き機とモバイル機の両方にソフトを提供するのではなく、Swtch一本に絞ることを指す。Wii Uの課題はソフトの供給力の乏しさにあった。自社開発のソフトが強い任天堂のゲーム機では継続的に良質なソフトを自社で供給することが不可欠である。

ゲーム機の高性能化、任天堂の場合タブコンなどのギミックを消化するためのソフト開発の負担が増大してきた。

任天堂はSwitchは据え置き機と主張し、現行モバイル機である3DS向けソフトを継続して販売するとしているが、任天堂の戦略が成功すればSwitchに一本化すると思われる。

 

以上見てきたようにSwitchに液晶をつけた理由が任天堂にはあるが、ユーザーにとっては関係ない。ゲームが面白く新しい体験ができれば、それでいい。任天堂の戦略が成功するかどうかはローンチの販売結果で見極めできそうだ。