好調なPS4
PS4の売れ行きはここまで非常に好調だが、予想できた人は少ないだろう。過去のPlayStationと異なり、PS4はゲーム機に特化したマシンだ。
DVDプレイヤー機能で売れたPS2以降、PS3ではBlu-rayやDLNAなどマルチメディア機能を売りとしていたが、PS4はマルチメディア機能に注力していない。
スマホとPS4前に売れたWiiにライトゲーマーは抑えられていたので、PS4はハードゲーマー層をターゲットにした。e-Sportsの隆盛からもわかるとおりUSではゲーミングPCを好むハードゲーマーが一定のマーケットを構成している。
PCからゲームを移植しやすいように、PS4ではx86アーキテクチャーが採用された。PS3は独自開発のCPUを使ったせいでゲーム開発に苦労した反省が生かされた。いつでも中断した地点から手軽にゲームを再開できるようにレジューム機能を付与した。SNSへのシェア機能もゲーマーのニーズに合わせた結果だ。
ゲーマーのリクエストを積極的に取り入れたPS4はUSを中心に大成功を収めた。
ミッドライフキッカーだったPS4 Pro
この良い流れを継続するために、ソニーは過去に例がないミッドライフキッカーを開発した。PS4 Proである。ミッドライフキッカーとは車で言えばフルモデルチェンジの合間に販売するマイナーチェンジ版を意味し、世代の途中で売上が中だるみしないように、最新の技術を追加する。
今までのPlayStationは世代の途中で値下げと軽量化のミッドライフキッカーを投入してきたが、PS4では従来の方針を変えて、軽量化されたPS4 Slimに加えてPS4 Proを追加した。予想に反してUHD Blu-rayを採用せず、PS4 Proもゲームに特化する方針を堅持した。
PS4 ProではCPUを強化し、4Kに対応した。メインストリームになった4K TVへの対応は理に適っているし、パワーアップしたCPUは今後PS4VRの強化に使われるだろう。ソニーは4K TVを中心とした高価格帯のTV販売にフォーカスしている。他のゲーム機よりも先んじて投入されたPS4VRはPS4の優位点だけではなく、ゲームだけではなく今後は他のカテゴリーでも活用されるだろう。
PS4 ProはPS4の好調な売上を維持するためだけではなく、ソニー全体の戦略に沿って開発された。
今でも品切れが続いているPS4 Proは良いスタートを切ったが、新しいミッドライフキッカーとして、ソニー全体の売上に貢献に繋がるか今後が気になる。