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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

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2019年回顧:ゲーム業界。Nintendo Switch LiteとPS5、そしてクラウドゲーム

激動だったゲーム業界

大きな変化がなかったPC・スマホ業界よりも、今年変化が大きかったのはゲーム業界だった。Googleのクラウドゲーム「Stadia」、Appleの定額ゲームサービス「Apple Arcade」が鳴り物入りでスタートした一方で、SONYは次世代ゲーム機「プレイステーション5」のスペックを公開し、任天堂は「Nintendo Switch Lite」を発売した。

ゲーム業界の一年間を振り返りながら、来年どうなるか考えてみよう。

ポータブルと据え置き機が融合

任天堂が今年発売した「Nintendo Switch Lite」(以下、Switch Lite)はテレビに映すことができず、コントローラーは固定していて外すことができない完全なポータブル機だ。Swtich Liteの登場により、長らく続いた任天堂のポータブル機の歴史に終止符が打たれそうだ。実際に3DSの新作ゲームは予定されておらず、Swtich Liteによってポータブルと据え置き機の2本立ての時代が終わり、SONYもPS Vitaを販売停止し据え置き機プレイステーション一本に統合されている。

スマートフォンの高性能化により、スマホゲームが高度化し、ポータブル機との差別化が難しくなってきているのが背景にある。普段持ち歩いているスマホでゲームができるなら、ゲームしかできない専用機を持ち歩く機会はぐっと減る。

任天堂内の事情もある。任天堂ゲーム機は、任天堂のゲームばかりが売れるという特殊な状況にある。ゲームの大作化が進み、ゲーム開発の期間もコストも大幅伸びた。ポータブル機と据え置き機の両方のために新作ゲームを開発し続けるのが任天堂も厳しくなってきていた。

任天堂ソフトが弾切れしたWii Uが失速した二の舞を避けるために、Switchでは計画的にソフトが販売されてきた。今後もSwitchへ継続的にソフトを供給するために、Switchへの一本化の道は正しい選択だ。

ここまで考えてSwitchを設計・開発したとしたら、任天堂の戦略はここまで成功したと言えるだろう。多くの人間がスマートフォンを持ち歩いている現状、ポータブル機の復活は今後も相当厳しいに違いない。

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PS5のスペック公開

 来年のホリデーシーズンに発売予定のプレイステーション5(以下、PS5)のスペックが公開された。製品発売前に開発機をゲーム会社に配布するゲームマシンは情報をリークされる可能性が高い。リークされるぐらいなら、正しい情報をユーザーに伝えるためにSONYは事前にスペックを公開したと思われる。

ただ、発売一年前の発表はあまりに早く、現行モデルの買い控えも起こるので、2020年1月5日まで1万円引きでPS4を購入できるキャンペーンをソニーは実施している。

公開されたスペックは次世代機として予想できる範囲のもので、よりPCに近い仕様だ。

任天堂のSwitchがスマホゲーム隆盛を考えポータブル機との統合を視野に入れて設計された一方で、ソニー陣営はゲームマシンとしてグラフィックとサウンドを強化した順当なものになっている。ゲームビジネスはSONYの屋台骨を支える分野になっているので、冒険がしづらい面もある。

当然、ソニーとしても隠し球は用意しているだろう。スマートフォンのゲームに対抗できる特殊なコントローラーやクラウドゲームへの対処が考えられる。

マルチメディア機能がめだったPS3から、純粋なゲーム機として機能を絞ったPS4の後継なので、ゲーム以外の機能を含めるのは難しいかもしれない。

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クラウドゲームの行く末

Googleのクラウドゲーム「Stadia」が海外で開始したが、あまり大きなムーブメントになっていない。Appleの定額ゲームサービス「Apple Arcade」も同様だ。どこでもいつでもゲームを楽しめるクラウドゲームは、サブスク型音楽・映画と同じように今後の主流になると考えられていたが、静かな船出となった。

音楽や映画と異なり、過去のゲーム資産が活用できていないのがひとつの要因だろう。過去の名作を多数ラインナップできればユーザーの注目を集めることができたと思うが、GoogleもAppleも現行のスマートフォンのゲームの延長線に位置するゲームを多く取り揃えた。コントローラーがないタブレットやスマートフォンで遊ぶことを考慮して、単純な操作で遊べるゲームが多い。

両社とも大作ゲームを準備しているようだが、既存のゲーム機からユーザーを奪うよりは、スマートフォンゲームのユーザーを集めることが、まずは両サービスが伸びるための第一歩になりそうだ。

「Stadia」の画像検索結果

eスポーツがメインストリームに

2019年でeスポーツはかなり一般化してきた。海外では大きな大会が相次いで開催され、国体でプログラムが設けられるなど国内でもeスポーツがかなり一般化してきた。

今のところ、eスポーツの主流はPCとPS4だ。今まで多額の賞金がかかるeスポーツ大会から、距離を置いてきた任天堂が来年以降どう絡むか(または距離を置くか)が注目される。

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PS5までに何が起きるか?

来年末のPS5発売に向けて、来年のゲーム業界は動いて行くことになるだろう。ヘビーゲーマーが多いPS5とターゲット層が異なる任天堂は今まで通り良質なゲーム開発を続けるに違いない。SwtichユーザーがPS5へ逃げないように「どうぶつの森」や「ゼルダの伝説」などの大作をSwitchで発売する予定だ。

クラウドゲームはゲーム資産を積み重ね、スマートフォンゲームからのユーザーの移行を促す一年になると思われる。無料体験を実施するなどして、まずはユーザーにクラウドゲームを体験させることが必要だと思う。特定のゲーム機が不要なクラウドゲームは慣れてくれば便利さが実感できるはずだ。定着したサブスク型音楽と映画と同様にゲームの主流になる可能性を十分に秘めている。

SONYはPS5の目玉機能をどこかの時点で発表し、年末の新製品発売を盛り上げていきたいところだ。ヘビーゲーマーとeスポーツユーザーを逃さずPS4からPS5へ繋げるのが当面の課題となる。

 

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