Appleの2022年度Q1決算
Appleが2022年度第1四半期の決算を発表した。前年同期比プラス11%と好調な決算だった。特に中国とiPhoneが大幅に伸びた。
一方で、iPadと日本はマイナス成長となった。その理由を考えてみます。
iPadの減収
前年度のiPadは、新型iPadと新型iPad Airを発売したばかりで、売上が大きく伸びた。今年度のQ1では、新しいiPadが発表されずに売り上げの勢いが弱まったのが減収の大きな要因だろう。コロナ禍の巣ごもり消費が一段落したのも大きい。自宅のiPadでコンテンツを楽しんだ人もいただろうし、テレワークが浸透する中でiPadをサブディスプレイがわりに購入した人も多かった。
日本の減収
多くのグローバル企業が日本をアジア太平洋とまとめているのに、Appleは日本を世界の1セグメントに設定し続けている珍しいグローバル企業だ。
おかげで日本の売り上げがわかるのだが、今年度の日本の売り上げは前年度よりも減収している。前年同期のGIGAスクールでの売上が今年度は減少したのが要因だとしている。
ただ、Mac全体は前年同期比プラス25%と非常に好調で、全カテゴリーの中で最も伸びている。M1、M1 Pro搭載のMacBookシリーズが人気で、Intelからの移管は問題なく進んでいる。
Appleの死角
過去最高の売り上げで、あまり変化がなかったiPhone 13シリーズの売り上げも伸びている。売上が落ちているiPadも、ボリュームゾーンである無印iPad、iPad Airの新型を発表すれば、再成長するに違いない。
Apple売上内に占めるiPhoneの売り上げは59%と、iPhone依存の状況は変わらないが、新型iPhoneの影響が大きいQ1は毎年同じような感じだ。
無理やりAppleの死角を探ると、新規プロダクトが最近発表されていないからだろう。近年のAppleにおける全く新しい製品というとAirTagがあるが、似たような製品を他企業も以前から販売している。
Appleが生んだ新規プロダクトとなると、完全ワイヤレスイヤホンのAirPodsまで遡る。噂になっているAR / VRゴーグルなど、次の成長につながる新規プロダクトの開発・発表を期待したい。