iOS 12.3登場
iPhone向けOS「iOS」の最新版がリリースされた。
主な変更点は、こちら。
- AirPlay 2の強化
- 「Apple TV」アプリの追加
- ”令和”に対応
ん? Apple TVアプリ? Apple TVといえばテレビに繋げて動画を愉しむセットボックスだ。そのアプリ版とはなんなのか、なにができるのか、今後なにができるのか記します。
Apple TVアプリで今できること
アプリ「Apple TV」は従来の「ビデオ」の代わりに登場した映像配信アプリだ。ややこしいのは、Apple TVアプリはiOSだけではなく、ハードウェアであるApple TVにも追加された。
iPhone、iPad、Apple TVで、iTunesで購入レンタルした作品を鑑賞する際に使うことができる。
iPhoneで映画やドラマを購入・レンタルするのには今までiTunes Storeを使っていたが、これからはApple TVでも可能だ。
「Apple TVでも可能」と書いたのは、今まで同様にiTunes Storeでも購入・レンタルできるからだ。iTunes Storeで購入・レンタルした場合でも、Apple TVアプリのライブラリから参照できる。
じゃあ、Apple TVアプリは不要では? と思いそうだが、iTunesではできないことがApple TVアプリではできる。
それが、複数サービスの串刺し検索だ。
Apple TVアプリで映画を検索すると、Amazon Prime Video、Netflix内の作品も同時に検索してくれるのだ。
その作品がApple TVにはなく、他のサービスにある場合でも表示してくれる。Amazon Prime Videoにしかない「ドキュメンタル」で検索すると、「ほかのAppで開く」と表示されて、”Prime Videoで開く"をタップすると、Amazon Primeアプリが起動する。
ちなみに、該当サービスに加入していなくても、そのサービスに作品があれば表示してくれる。
ただし、Apple TVにも同じ作品がある場合はApple TVしか表示されない。重複している場合でも、他のサービスでは”無料”で提供されている作品であれば、「他のAppで開く」が表示される。
他にも、過去の視聴履歴に基づいて「おすすめ作品」を表示してくれるらしい。
映画を観ようと思ったときに、レンタル前に無料で提供している作品がないか確認できるのは嬉しい。
今後できること
Appleは作品の串刺し検索だけのためにApple TVアプリをリリースしたわけではなく、他にもふたつの目的がある。
ひとつは、映画・ドラマの販売レンタルをiTunesから切り離すことだ。iTunesは、iPhoneやMacなどのApple製品にしか提供されていない。それでは、他社のデバイスにサービスを提供できないので、シェアを伸ばすことができない。
今までAppleは自社製品・サービスで囲って美しい世界を提供するのを常としていたが、iPhoneの販売が陰りを見せる中、自社が成長するために自社製品の枠を飛び出しサービスを提供する必要がある。
そのために映像作品の販売レンタルをiTunesから分離して、Apple TVという別のアプリをリリースしたのだ。
もうひとつの目的は、この秋登場するApple TV+のためだ。3月のイベントで発表された「Apple TV+」はApple初のサブスクリプション型の映像配信サービスだ。
サブスクリプション型サービスを利用するのには、音楽販売も兼ねているiTunes Storeアプリより独自アプリを用意した方が利便性が高い。AmazonもPrime Videoという個別のアプリを用意している。
Apple TVアプリはApple TV+サービスを円滑にスタートさせるためにこの時期に提供されたに違いない。
まとめ
Apple TVアプリで現状できるのは、複数サービスの串刺し検索であり、今後はApple TV+が視聴できるようになる。
複数の動画配信サービスを利用している人は、今から使って慣れても良いと思います。