クックCEOが撮影に口出し?
この秋はじまる動画配信サービス「Apple TV+」のためにオリジナルコンテツの制作をAppleは進めているが、クックCEOなど経営陣が制作陣に口出しをして、コンテンツ制作をやめさせるなどをしているとNew York Postが報じている。
大人向けの暴力的なコンテンツではなく、8歳でも観ることができる動画を経営陣は希望しているという。
きれいなApple
Googleではないが、クックCEO以降のAppleは「悪にならない」というブランドイメージ構築に躍起になっている。「個人情報を商売にしない」と公言し、FacebookなどのGAFAと距離をおいている。Appleの方針転換はクックCEOの意向も大きいと思われる。
ジョブズは偉大な経営者だったが、より良いプロダクトを世に出すためには社内での対立も厭わなかったし、類似品を売る他社の批判を激しく行った。
自社の利益を守るためにクックも他社を批判することはあるが、ジョブズ時代に比べてずっと穏やかだ。
激化するサービス競争
Appleの参入で、動画配信サービス各社の競争はますます激しくなると予想される。王者Netflixに、Amazon Prime Video、Hulu、Disnyとサブスクリプション型の動画配信サービス業界は多くのプレイヤーが鬩ぎ合っている。
後発のAppleが競合他社に勝つためには他社にない良質なコンテンツを集めることが必要だ。オリジナルコンテンツの制作はAppleの新サービスの命運を左右するといっていい。
報道の真偽はわからないが、自社のブランドイメージを守るために、クックなど経営陣が荒々しい内容のコンテンツを自社サービスから排除しようとするのは理解できる。
ポリティカル・コレクトネス全盛の時代、コンテンツには従来以上の倫理を遵守する必要がある。人種差別、男女差別などの批判を浴びない内容であることが求められている。
ただ、”きれい”なコンテンツばかりで、客を呼べるかどうかは別問題だ。純水濾過された無味無臭な内容だけを人は求めているわけではない。現実世界の閉塞感を忘れさせてくれるような、時にはバイオレンスでセクシャルな動画も観たいものだ。
サービス開始時にインパクトがあるオリジナルコンテンツがあれば新規会員を集めることができるが、”きれい”なコンテンツは批判されないが、耳目を集められるかどうかは微妙だ。これでAppleは戦えるのか。
サービスの詳細が公表されないとまだわからないが、どのサービスが覇権を握るのか、今後の動向が楽しみだ。