サイバーエージェントがコンテンツスタジオを買収
サイバーエージェントが、映画やドラマ等の制作を手掛けるコンテンツスタジオBABEL LABELの株を取得し、連結子会社化した。
サイバーエージェントは広告代理店が本業なのに、どうしてコンテンツスタジオを入手したのか理由を考えます。
高まるコンテンツの重要性
サイバーエージェントは、今回の買収を「昨今、VODサービスの普及によりハイクオリティなドラマコンテンツが世界中に配信され、注目を集めております」と説明している。
Netflix、Amazon Prime Videoなど、動画配信サービスが一般的になり、配信できるコンテンツ数がユーザーを集める鍵となりつつある。そういった状況で、良質なコンテンツを集めるために、コンテンツを制作するスタジオをグループに置きたいのは理解できる。
ABEMAへの強化
サイバーエージェントは言及していないが、自社のABEMAへの強化も考えているに違いない。ライバルのサービスと差別化するために、オリジナルコンテンツを確保することが重要になってきている。Netflixは多額の資金を投入してオリジナルコンテンツを強化している。
ABEMAもオリジナルコンテンツを強化していて、オリジナルドラマの制作などをしている。コンテンツスタジオを子会社化すれば、スタジオが制作したコンテンツをABEMAで独占できる。
コンテンツの販売
2つ目の理由と逆になるが、コンテンツの販売も視野に入れているかもしれない。ABEMAも多くのコンテンツを制作しているし、ゲーム事業でも「ウマ娘」など多くのコンテンツを保有している。ABEMAだけで利用するより、他社サービスへ販売した方が、利益になるかもしれない。ABEMAは国内限定のサービスに対し、Netflix、Amazon Primeはグローバルだ。資金も桁違いだし、日本国内だけではなく、海外でもコンテンツを配信できる。
サイバーエージェントもABEMAに続く事業に成長させたいと言及している。
コンテンツ獲得競争
近年、良質なコンテンツの重要性が高まっているのは間違いない。自社サービスに活用するにしろ、他社へ販売するにしろ、コンテンツを制作するスタジオを確保するのはライバル企業に先んじるには重要な投資だ。
漫画や小説などの原作、ドラマや映画などのコンテンツの獲得競争は、さらに熾烈さを増すだろう。
サイバーエージェントは、ABEMAとゲームを通じて国内コンテンツを充実させている。今回のコンテンツスタジオの買収もその一環だと思われる。