新型Apple Watch「Apple Watch series 6」
例年通りだと秋には「Apple Watch series 6」が登場することになる。今年の新型のスペック・価格はどのようになるのか、WWDC発表されたwatchOS 7などから予想したいと思います。
- 新型Apple Watch「Apple Watch series 6」
- 形状
- 新型チップ
- 次期ディスプレイ
- Force Touch
- 充電性能
- Touch IDの導入
- ワイヤレス機能
- 価格
- 今年の目玉はバッテリー性能の向上
形状
Apple Watch series 6の形状は、昨年のApple Watch series 5とほとんど変わらないと予想する。Apple Watchは数mm単位で厚さが変わることはあったが、大きな形状の変更は、series 4の時に38mm・42mmケースから40mm・44mmケースに大型化しただけだ。
大型化することで画面が見やすくなった。iPhoneは世代を経るごとに画面はどんどん大型化していったが、身に着けるウェアラブルデバイスであるApple Watchは大型化にも限界がある。
バンドを付け替えることができるのもApple Watchの特徴だが、ボディが大きいのにバンドが細いとアンバランスになるので、大型化すると過去のバンドが使えなくなる可能性もある(前回の大型化の際は過去のバンドも流用できた)。
大型化するにはそれなりの理由がいるが、watchOS 7の新機能を見る限り、大型化が必要な機能はない。ダンスの計測などフィットネス(「アクティビティ」から名称変更)機能の拡張はされているが、運動する際大型化はかえってデメリットになる。
watchOS 7の注目の新機能である「睡眠アプリ」も形状が大きくなると、寝ている時に着け辛い。
大型化のメリットとしてバッテリー増量が考えられるが、後述の方法でバッテリー持続時間の伸長を狙うと思われるので、大型化などの大幅な形状の変更は今回ないと予想する。
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形状:大きな変更なし
新型チップ
Apple Watchはモデルチェンジする度に最新のチップを導入している。順当なら今年は新型チップ「S6」が採用される。
今年は大きく進化することが考えられる。昨年のApple Watch series 5に導入されたS5チップは、S4と同様に64ビットデュアルコアプロセッサを採用し、速度性能に変化はなかった。
watchOS 7の目玉機能である「睡眠アプリ」を有効的に活用するには、バッテリー持続時間がポイントになる。
「睡眠アプリ」を利用するためには、就寝中にもApple Watchを装着していないといけないので、バッテリー性能の向上は非常に重要になる。
睡眠アプリ導入するのに、Appleもバッテリーには気を遣っていて、Apple Watchのバッテリー残量が30%未満で就寝しようとすると警告してくれたり、朝起きてApple Watchを充電したときは充電完了するとiPhoneに通知が来るようになる。
「睡眠アプリ」実現のために、新型Apple Watchの重要なテーマがバッテリー持続時間だと思われる。「睡眠アプリ」は昨年も噂になったのに実現しなかったのはバッテリー性能の向上が見られなかったからだとも言われた。
今年はバッテリー持続時間を向上するために、新型チップ「S6」は省力化の方向に進化すると予想する。
- 新型チップ:省力化されたS6を導入
次期ディスプレイ
昨年、次期Apple WatchにはマイクロLEDが搭載される噂があった。OLEDに続く未来のディスプレイといわれるマイクロLEDは、LEDを微細化することでOLEDよりも高画質・低電力できると期待されている。AppleはマイクロLEDの開発・製造のために多額の投資をしていると言われている。
新しいディスプレイ技術は大型化に苦労する場合が多いので、ディスプレイサイズが小さいApple Watchへ最初に導入するのは順当な判断だ。Apple Watchは初代からiPhoneに先駆けてOLEDを採用している。
ところが、想像すると分かるとおり、たくさんのLEDを使用するマイクロLEDのコストは高くなる。AppleをもってしてもマイクロLEDのコスト削減が難しく、マイクロLEDの採用は断念したと今年になって報じられている。
マイクロLEDの代わりに採用される噂があるのがミニLEDだ。マイクロLEDとミニLED、名称は似ているが、技術内容は全く異なる。
ミニLEDは、液晶テレビの技術に採用されている「ローカルディミング(エリア駆動)」に似た機能で、ディスプレイ全体をより細かいエリアに分けてLEDで光らせることにより、より低電力、細かい色調が出せると技術だ。
既存の技術の進化版であるミニLEDは、マイクロOLEDより低コストで生産できる。
AppleがミニLEDを採用するのは少々懐疑的だ。ミニLEDは低価格ではあるが、OLEDよりも分厚くなり、重量増になる。分厚くなるのはウェアラブルデバイスであるApple Watchとしては致命的だ。
OLEDの増産が進み、低価格化してきた現代にミニLEDをあえて採用する理由はそれほど大きくない(今後技術革新によりミニLEDが主流になる可能性はある)。
また、過去の延長線上の技術であるミニLEDに投資するのはAppleらしくない気がする(バタフライキーボードなど、新しい技術にチャレンジして失敗し、原点回帰した例もあるけど)。
- 次期ディスプレイ:変更なし
Force Touch
ディスプレイを「強く押す」インターフェイスである「Force Touch」を廃止すると噂されている。同じようなインターフェイスであるiPhoneの「3D Touch」はすでに廃止されているので、Force Touchの廃止も理解できる。
「強く押す」という操作が苦手な人もいるので、廃止はやむなしとは思う(個人的には操作をショートカットできるので好きな機能だけど)。
Force Touch機能を廃止すれば、ディスプレイ下のパーツを減らすことができるので、バッテリー容量を増量できる。
Force Touchを廃止して、バッテリー容量を増やすのは十分考えられる。
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Force Touchの廃止:廃止してバッテリー増量
充電性能
見てきたように、バッテリー持続時間を増やすために、新型チップの省力化、バッテリー増量が予想される。
睡眠アプリを活用するには、バッテリー持続時間だけではなく、充電性能も重要になる。就寝中に装着しているとなると寝ている間に充電できない。一日中使いたいなら、起床時や入浴時に素早く充電したい。
Apple Watch series 6には急速充電機能が導入されると予想する。現状モデルは5Wの電源アダプタが同梱されていて、急速充電には対応していない。バッテリー容量が少ないので、iPhoneと比べれば充電時間は短いが、80%の充電に1.5時間かかる。朝の忙しい時間だと充電が間に合わない。
もうひとつ願望も含めてだが、Qi充電に対応するかもしれない。現行のApple WatchはQi充電と同じ仕様らしいが、Appleが認定した充電器以外では反応しない。外出先で充電するためには専用の充電器を持参しないといけない。
一日中使用するために、どこでも気軽に充電できるようにしたい。次期iPhone 12シリーズは双方向ワイヤレス充電機能が追加されると言われている。iPhoneの機能ならApple Watchへの充電も許可されるだろうが、余計な制約を入れずにQi充電に対応した方がスマートだ。
- 充電性能:急速充電、Qi充電に対応
Touch IDの導入
Apple Watchを装着すると、パスコードの入力が求められる。これがちょっとウザい。iPhoneをアンロックするとApple Watchも自動的にアンロックされる設置もできるが、Apple Watch装着時にiPhoneを使用しているとApple Watchはアンロックされない。
Apple Watch単体で使用するときはパスコードを入力するしか方法がない。パスコードを省略する設定もあるが、セキュリティ上好ましくない。
小さな画面にパスコードを入力するのは、あまりやりたい作業ではない。デジタルクロックにTouch IDを導入すると言われているが、側面のデジタルクロックを触れるのも腕に装着しているとやりづらいし、うまく指紋を認証してくれるか怪しい。Apple製品として初の画面内指紋認証が実現するかもしれない。
- Touch IDの導入:画面内指紋認証を実現?
ワイヤレス機能
まずWi-Fi。昨年のiPhone 11シリーズが対応したWi-Fi 6に、今年はApple Watchが対応しそう。Apple WatchがiPhoneと独立して機能するためには無線機能の強化が不可欠だし、Wi-Fi 6対応の無線LANが増えてきた今年、Apple Watchが対応しても不思議ではない。
次期iPhoneが対応すると噂される5G機能はApple Watchには見送られると予想される。5G回線が全世界に普及するにはまだ時間はかかるし、iPhoneより低価格のApple Watchは買い替えのハードルが低い。5Gが普及してから対応しても遅くはない。
そういえばApple WatchはCellularモデルとCellular+GPSモデルの両モデルがあるが、販売割合はどうなってるんだろう?
- ワイヤレス機能:Wi-Fi 6搭載。5Gは見送り
価格
現行のApple Watch series 5 GPSモデルは42,800円から。大型化したApple Watch series 4より値上げして4万円台が最低価格とになった。
コロナ不況への対応からかMacBook Proなど少し値下げになっているので、Apple Watchも少し値下げして、39,800円からの販売になると予想します。
- 価格:GPSモデルは39,800円から
今年の目玉はバッテリー性能の向上
- 形状:大きな変更なし
- 新型チップ:省力化されたS6を導入
- 次期ディスプレイ:変更なし
- Force Touch:廃止してバッテリー増量
- 充電性能:急速充電、Qi充電に対応
- Touch IDの導入:画面内指紋認証を実現?
- ワイヤレス機能:Wi-Fi 6搭載。5Gは見送り
- 価格:GPSモデルは39,800円から
今年発売のApple Watch series 6の目玉はバッテリー性能の向上と予想します。昨年のApple Watch series 5では常時点灯ディスプレイが実現されたが、チップの性能はかわらず、バッテリー容量は44mmが1.4%の増量、40mmが10%増量にとどまり、バッテリー持続時間は変わらなかった。
今年のwatchOS 7の目玉機能である睡眠アプリは、バッテリー性能が鍵となる。就寝中も装着しているとなると、ほぼ24時間バッテリーが保たないと使いづらいし、起きたらすぐに充電したい。
バッテリー増量、省力化、急速充電により、Apple Watchのバッテリー環境を改善し、常時点灯ディスプレイと睡眠アプリの両立を目指すと予想します。