MagSafe for iPhone
今年の新型iPhoneにはマグネット充電ができる「MagSafe for iPhone」が内蔵された。iPhoneに磁石を埋め込み、対応する充電器やケースをくっつけることができる。フラット型のQi充電器だとずれてしまって充電されないことがあるが、MagSafe対応ならその心配は不要だ。
だが、この機能はメリットもあればデメリットもあると思う。デメリットを考えてみます。
外しづらい
先行レビューを読むと、iPhoneとMagSafe充電器をくっつける磁力はかなり強く、充電器のケーブルを持ってiPhoneをぶら下げられるほどらしい。
磁力が強ければ充電箇所を外さないメリットはあるが、外しづらい欠点が生じる。MagSafeを机などに固定しておかないと、iPhoneとMagSafe充電器を両手で持って離さないといけない。
普通のフラット型の充電器なら、iPhoneを片手で持ち上げれば済む。小さなことだが毎日何度も行なう作業なので、地味に面倒に感じる。
重い
今年のiPhoneは全体的に軽量化しているが、これはバッテリー容量が減っているからだ。似た大きさのiPhone 11 ProとiPhone 12 Proで比較すると、約9%バッテリー容量が減っている。
- iPhone11 Pro:3,046mAh
- iPhone12 Pro:2,775mAh
それでも連続再生時間はほとんど変わっていないのは今年搭載の最新チップA14 Bionicの省電力性能が高くなったからだろう。
MagSafe用のマグネットが内蔵されていなければ、もっと軽量化できたはずだ。
嵩張る
MagSafe充電器は今までのQi充電器に比べて軽量だが、コイルを内蔵しているのでLightningケーブルに比べれば嵩張る。持ち歩くにはちょっと辛い。
現行モデルはLightningポートがあるから、外出先にはLightningケーブルを持ち歩けばいいが、来年モデルのiPhoneではLightningポートが廃止になるという噂がある。
もしLightningポートがなくなったらケーブルで充電する手段がなくなり、MagSafe充電器を持ち歩かないといけなくなる。
磁力が弱い
MagSafe対応の充電器とiPhoneをくっつけたときの磁力は非常に強いが、iPhone側の磁力だけでは例えば冷蔵庫にくっつくほどではなさそうだ。
実物で色々実験しないとわからないが、MagSafe対応の充電器やケースじゃないとくっつけることができないのかもしれない。
そうなると折角マグネットを内蔵したのに、使える用途が限定されてしまう。
Apple Watchの充電器は使えない
同じマグネット充電ではあるが、Apple Watchの充電器はiPhoneでは使えないようだ。Apple Watchの充電器は急速充電に対応しておらずiPhoneを充電するのにはパワー不足ではあるが、もし充電できればケーブルを忘れた時に代用できた。
来年Lightningポートが廃止されたら、旅行にApple Watch充電器とMag Sage充電器の両方を持ち歩く必要があるのだろうか。
新たな活用方法は生まれるか
まだ販売前なので細かい機能は不明なMagSafeだが、現状判明している点でもいくつか気になる点がある。ただ、今後MagSafeを使った新たなiPhoneの活用方法が現れるかもしれない。MagSafe for iPhoneの仕様は周辺機器ベンダーに公開されているので、MagSafe機能を活用した斬新な周辺機器が登場する可能性もある。
例えば、冷蔵庫や机にiPhoneを貼り付けられるマグネットとか、車載で気軽に充電できるMagSafe充電器とか。
現状の純正MagSafe充電器を購入するのは吟味したほうが良いかもしれない。