PS5は2020年末発売?
次世代ゲームマシン「PS5」の発売日は2020年12月4日、69,800円(税別)という噂が流れていたが、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が公式に否定した。
しかし、PS5の存在はすでにSIEから公表されていて、スペックも明らかになっている。そもそもどうして、SIEはこんなに早い時期にPS5を公表したのだろう。今年の年末商戦では、PS4は一万円引きに販売されていて、すでにオワコンムードが漂っている。
早い時期にSIEがPS5の存在を公開した理由を考えてみます。
リークされるから
今回の噂の真偽はともかく、新製品が開発されれば、リークされる危険性が高まる。正式発表前にリークされれば、新製品のインパクトが弱まるし、真偽不明の噂が飛び交えば、ブランドイメージにも傷がつく。
ゲーム機は自社だけではなく、他社にもゲームを開発してもらわないといけない。新製品発売の数年前には他社へ次世代機のスペックを公表し、開発機を手渡す必要がある。最近のゲームは開発期間も伸びているので、かなり早い時期に開発をスタートしないといけない。
もちろん機密保持契約は結んでいるが、それでもスペックなどはどこからか漏れてしまう。
どうせわかってしまうなら、公式に発表した方が良いと考えるのは自然だ。
PS5を早期に公開したのも、情報がリークされる可能性があったからだと思われる。
ライバル機の存在
Microsoftも次世代機「X Box series X」の発売時期とスペックを公表した。Microsoftは筐体まで公開した。
CPUとGPSのはPS5と同じ構成で、AMDのZen2とAMD Naviだ。「X Box series X」の形状はPCみたいだ。ゲーム機の価格はPCよりもはるかに安い。以前のPS3のようにゲーム機のために新規CPUを開発するような投資はできず、ゲーム機は既製品を使ってコストを下げる必要がある。
既製品を使えば、他社と差別化ができずにスペックは似通ってくる。似たスペックなら隠し立てする必要はあまりない。
部品メーカーの存在
ゲーム機は同じスペックで大量生産されるので、多くの部品を一度に発注することになる。その発注数は、部品メーカーの業績を左右するぐらいのボリュームだ。ゲーム機のスペックは長期間固定されるので、部品メーカーからは同じパーツが長らく供給されることになる。
企業には業績予測を開示する責任がある。特定の発注者を開示しなくても、その内容から誰が発注したのか容易に想像がつく。
部品メーカーからも次世代ゲーム機のスペックが漏洩する可能性がある。だったら、やはり早めに公表してしまおうと考えてもおかしくない。
強力な隠し球
基本スペックをSIEが公表したのは、これ以外に隠された機能があるからかもしれない。隠し機能があるから、基本スペックを公開しても発売直前にユーザーを驚かせることができると考えても不思議ではない。
3Dオーディオ、8Kへの対応、アダプティブトリガー搭載のコントローラー、Ultra HD Blu-ray Diskの搭載などがすでに公開されている。
マシンの広範囲な機能が公開されていて、他の隠し機能はないようにも思える。あるとすればハード性能ではなく、ハードによって実現できる新機能だろう。SIEは、「ゲームのロード時間は過去のものとな」ると語っている。スマートフォンゲームのお気軽さは、いつでもどこでもすぐにゲームを再開できることにある。
SIEはPS5でもロード時間をゼロにして、すぐにゲームを再開できるようにするつもりだろう。
もうひとつあるとすれば、「どこでも」という点だ。PS5は据え置機だから、テレビがない場所では遊べない。SIEのポータブルゲーム機「PS Vita」はすでに出荷を終了している。
今はまだ浸透していないが、スマートフォンなど様々なデバイスで遊べるクラウドゲームが主流になってくれば、テレビがないと遊べない据え置き機は時代遅れになる可能性もある。
任天堂はその解として「Nintendo Switch」を発売し、大成功を収めている。次世代機である「PS5」がモバイルゲームについて対処していないとは考えづらい。
SIEはクラウドゲームについては従来サービスのPS Nowで対処すると言っているが、PS Nowの拡張か、あるいは全く新たなモバイルサービスを考えているのかもしれない。
来年末にはどんな景色が見られるのか
来年末には、PS5とX Box series Xが発売される。どのような隠し球があり、ゲームシーンがどのように変わるのか楽しみだ。