PS5は39,800円から
PS5の価格と発売日が発表された。日本では光学ドライブ搭載の標準モデルが49,800円、ドライブなしモデルが39,800円と当初予想よりも安価な設定となった。
PS5は高速なSSDを搭載し、4K対応の光学ドライブに16GBのメモリを内蔵している。PS5の中身はほとんどPCのパーツだが、もしPS5のスペックのPCを自分で組み付けると25万円以上すると言われている。
それなのに、どうしてこんなに安くできるのか考えてみます。
大量生産
PS5は初年度で500万台から600万台を出荷すると予想されている。PS4の初年度は750万台だった。年間2億台精算されるPCからすれば、ごくわずかだが、同一のパーツの長期購入をコミットすれば部品メーカーも安く部品を卸してくれる。
スペック固定
ゲーム機ビジネスのポイントは、長期間同一スペックで販売することだ。発売当初は高スペックだが、IT技術が進化していくと、ゲーム機のスペックは陳腐化していくが、使用しているパーツは価格が安くなるので、利益幅が広がる。それを見越して、ゲーム機は当初から安い値付けができる。
ゲームソフトの利益
ソニーも任天堂も同じだが、自社や系列会社がゲームソフトを開発し販売している。自社グループであればライセンスフィーを払わなくて良いので、サードパーティ製よりも利益をあげやすい。
ハードウェアで儲からなくてもゲームソフトで利益を得ることができる。
昔から変わらないモデル
長期間スペックを固定することで、当初はハイスペックの製品を投入するのは、ゲーム機ビジネスの王道で、初代PSから変わっていない。
栄枯盛衰が激しいIT業界の中で、これだけ長い間同じビジネスモデルを継続できるのは珍しいことだ。
似たようなモデルに、格安で本体を販売して専用のインクで利益を得るプリンタモデルがあるが、印刷需要も減ってきたこともあり最近では大容量インクを搭載したプリンタを販売するなど、プリンタモデルも変化してきている。
ゲーム機モデルの取り巻く環境もクラウドゲームをgoogleやAmazonが開始するなど変化してきている。PS5も初めてディスクレスモデルを販売するなど対応を進めているが、ビジネスモデル自体は大きく変わっていない。
クラウドゲームなどの影響が強まり、いずれこのゲーム機ビジネスモデルも大幅に変わる時代が来るかもしれない。