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数百億円の赤字を出してまで各社がQRコード決済サービスを推進する理由

相次ぐQRコード決済サービスの赤字決算

QRコード決済サービスを運営している企業が大幅な赤字を計上する事態となっている。LINE Payを擁するLINEは1月から6月期の決算で266億円の赤字を計上し、メルペイのメルカリは17年7月から18年6月期の営業利益が121億円の赤字となる予定だ。

大手PayPayも前期(2018年4月1日〜2019年3月31日)の決算で367億円の赤字を計上している。

赤字の原因は、言うまでもなく大規模な還元キャンペーンの影響である。これだけの赤字を垂れ流してまでQRコード決済サービスを広める必要があるのか考えてみます。

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乱立するQRコード決済サービス

現在日本では20以上のQRコード決済サービスがあるらしい。なかには「コーナンPay」のように不正アクセスが発生して初めて実在が知られるサービスまである。

ここまで増えた理由は、それだけ将来魅力があるサービスだからだろう。企業がQRコード決済サービスを導入する一番のメリットは顧客の購買行動の把握だろう。現金だと誰がいつなにを買ったのか把握できない。

どういう人にどのような商品が売れるかわかれば効果的な広告やキャンペーンが打てる。

日本の場合、低いクレジットカードのポイント還元率も背景にある。アメリカなどと比べてクレジットカードのポイント還元率は低く、普及率も低い。現金大国の日本では、自社の非現金決済サービスを普及させる余地がまだ多く残されている。

一方で日本人はポイントサービスが好きだ。今まではTポイントが幅をきかしていたが、自社サービスでカバーできれば、Tポイントを運営するCCCに個人情報を把握される必要もなくなる。現にヤフーやファミリーマートはTポイントから自社のポイントサービスへ切り替えようとしている。

数百億円の価値があるか

自社サービスを広げる目的はわかるが、問題は数百億円のコストを遣ってまで行う必要があるのかということだ。

結論から言うと、「誰もわからない」と思う。QRコード決済サービスを導入することによる直接的な売上は、店舗の使用手数料だ。クレジットカードもそうだが顧客がサービスを利用すると店舗側がサービス運営会社に手数料を支払っている。

だが、現在は手数料を無料にして導入する店舗を増やそうと各社はキャンペーンをはっている。PayPay株式会社の2019年3月期の販売費及び一般管理費は約370億円に対して、売上はわずか5億円。黒字化は程遠い。

顧客行動の把握が売上に与える影響は未知数だ。

そもそも、これだけの赤字を計上するほど各社がキャンペーンを打つようになったのはPayPayが100億円キャンペーンを実施したからだ。PayPayに対抗するために、他の企業も追随せざるを得なかった。ソフトバンクは、ADSLや携帯電話を強引とも言える手法で普及させた成功体験をもとにPayPayでも同じ大胆な拡販手法を用いている。

その戦略に他社が引き摺られている印象だ。おそらくどの企業もキャンペーンを徐々にスローダウンさせて赤字縮小に動くだろうが、それでもキャンペーンを終了させるつもりはまだないだろう、PayPayが辞めない限り。辞めてしまえば、シェアは伸びず、加盟店舗も増えなくなる。まだ見ぬ黒字化に向けて、各サービスのチキンゲームはまだしばらく続きそうだ。

 

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