ソニーQ2決算
ソニーがQ2決算を発表した。前年同期比3%減の2兆1,223億円の売り上げに、営業利益は16%増の2,790億円。減収増益となった。
ゲーム部門とスマートフォン・テレビなどのエレクトロニクス部門で減収となったが、カメラのセンサーがメインのイメージング部門、音楽と映画で増収だった。
詳細を見ていきます。
衰退期に入ったPS4
PS4は本体・ゲームソフトウェアともに減少。PS4は発売から6年目に入り、次期モデルであるPS5の内容も発表されて、衰退期に入っている。この後、PS5へバトンを順調に渡せるかが焦点になる。
衰退期の割に減収幅が小さいのはPS Plusが伸びているからだ。有料会員サービスであるPS Plusはハードを購入したユーザーから定期的に収入がある。日銭が入る商売は強い。
ストリーミングサービスの成長
音楽部門も増収増益。ソニー自身のサービスはあまり伸びていないが、Apple Musicなど他社サービスに提供した楽曲での収入が伸びている。楽曲が売れなくても、定額ストリーミングサービスでユーザーが聴いてくれれば収入が入る。
音楽ビジネスというとマーケットの縮小が常に言われるが、「買って聴く」から「サービスで聴く」に大きく変わってきた象徴だろう。
落ち込みが止まらないスマートフォン
スマートフォンとテレビの販売台数が減少し、売り上げも減った。赤字を出してもスマートフォンから撤退しないとソニーは公言して、新商品を販売し続けているのは、5G以降で大きくゲームチェンジが起きて、市場が拡大するのを期待しているのもある。
ただ、今回の決算ではスマートフォンについてあまり言及しなかったのが気になるところ。
テレビの台数も減少。4Kテレビの販売ブームも一段落して、価格もこなれてきたのが要因。
マルチカメラが貢献
デジカメ・スマートフォンが内蔵しているイメージセンサーが大幅に伸びた。スマートフォンのマルチカメラが増えるほど、市場を占有しているソニーのイメージセンサーの売り上げが倍増する仕組みだ。
売り上げが好調なので、半導体工場を新たに建設する計画もある。イメージセンサーはスマートフォンだけではなく、自動運転のために自動車への内蔵も進んでいるし、5G時代になり高速で動画が転送できるようになると、工場や農園の監視などでより多くのカメラが導入すると言われている。
良いバランスのマルチ戦略
前期同様に、屋台骨のゲームの売り上げは減ったが、イメージセンサーがさらに伸びて、売り上げを補完している。ハードウェアビジネスは販売サイクルがあり、映画や音楽も浮き沈みが激しい。
今はスマホのマルチカメラにより伸びているイメージセンサーも、この先どうなるかわからない。
ただ、複数の異なる部門が成長してきたことで、特定のビジネスが落ち込んでも他のビジネスが補完し、ソニー全体で成長する体制が整ってきているように思う。