iPhoneが決済端末に
AppleがiPhoneの新しい機能「Tap to Pay」を発表した。Tap to Payは、内蔵NFCとアプリを使ってiPhoneがApple Payなどの決済端末になる機能だ。
Tap to Payに対応すれば、店舗のレジに置いてある決済端末がなくても、iPhoneがあれば決済を完了できる。
Tap to Payの仕組みと影響を考えてみます。
Tap to Payの仕組み
写真の通り、iPhoneに内蔵されているNFC同士を近づけるだけで、決済が完了する。対象機種はiPhone Xs以降だ。iPhone Xs以降のiPhoneはNFCタグを読みこむことができる。
Apple Payだけではなく、タッチ決済対応のクレジットカードも決済できるので、アプリが対応さえすればNFC内蔵のAndroidなどでも決済できそうだ。
どんな影響が?
Tap to Payを導入すれば、決済端末に代われるかというと、国内ではそう単純ではない。国内には、Apple PayやQRコード、iDなどのキャッシュレス決済など多種多様な決済手段が一般化している。Apple Pay(と、VISAタッチのようなタッチ決済対応のクレジットカード)だけをiPhoneで決済できても、現状の決済端末を撤去できない。
意味がないかというと、そうでもない。決済端末は店舗レジしかないことが多いが、iPhoneで決済できるなら、店員全員にiPhoneを持たせて、レジへ行くことなく決済を完了できる。包装が不要なら、その場で店員が決済して買った商品を持ち帰ることができる。
まずは米国から
Tap to Payを米国で年内開始するとAppleは発表している。米国では店舗の90%以上でApple Payが使えるそうだ。クレジットカード決済が一般的な米国では、Apple Pay対応の決済端末が広く流通しているので、Tap to Payの導入も容易だろう。
日本では、様々な決済手段に適用した決済端末として、リクルートが提供している「Airレジ」が大きなシェアを握っている。AirレジはiPadを使っているので、Tap to Payへの対応もそれほど難しくなさそうだ。
日本でもTap to Payが導入開始されたら、通常のPOS端末ではなく、Airレジなど次世代決済端末を使っている店舗からまずはTap to Payに対応していくと思われる。