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Amazon Dash Buttonがなくなる理由。待たれるスマート冷蔵庫

Amazon Dash Button終了

2月28日でAmazonが「Amazon Dash Button」(以下、ダッシュボタン)の販売を終了した。ダッシュボタンは、ボタンを押すとWi-Fi経由でネットで発注できる小型端末。実質無料で取得できたので、日本でも一時期話題になった。対応商品は増加していき、150以上のブランド、2000種類上の商品の注文ができた。

だが、3月1日現在、ダッシュボタンはすべて在庫切れになっている。

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ダッシュボタンは、ボタンを押せばすぐに注文できる究極の通販アイテムとして、実際に消費者が体感できるお手軽なIoT製品として、注目を集めた。

それなのにどうして廃止になったのだろう。理由を考えてみます。

バーチャルダッシュの充実

物理的なダッシュボタンに代わって仮想ボタンの「バーチャルダッシュ」が登場した。

Amazonのサイトに設置することができ、1クリックで注文できる。Amazonは、物理ボタンであるダッシュボタンを廃止して、バーチャルダッシュを残した。

その理由には、生活へのスマホの浸透度があげられる。ここ数年であらゆる作業をスマートフォンで行う文化が一般市民まで定着した。少し前までは「これはスマートフォンではできない」と言われた衣服の買い物などの購買行動もすっかり馴染み、何をするにも「まずスマホで」という行動パターンが一般の人にも浸透した。

元々ダッシュボタンをAmazonが開発したのは、冷蔵庫や洗濯機など飲料品や洗剤が切れたその場で注文するのが、利便性が高いと判断したからだ。

ただ、スマホがこれだけ生活に深く浸透すると、スマホでアプリを立ち上げて注文するのが苦にならなくなっている。物理的なボタンを押すより、スマホでボタンをタップするほうが手間がないと多くの人が考えるようになった。

Amazonとしても、他の購買につながるサイトへの訪問は歓迎すべきことだ。

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定期おトク便の存在

2つ目が「定期おトク便」の充実だ。現在、飲料品や洗剤、ペット用品など様々な日用品を定期おトク便に設定できる。

定期おトク便は、1ヶ月から6ヶ月の間で決めた頻度で購入する必要があるが、最大10%の割引もあり、クリックする必要もない。

もし、まだ足りているなら簡単にキャンセルもできる。日用品の定期購入なら、ダッシュボタンよりも手間がかからない。

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Amazon Dash Replenishmentの開始

まだ件数は少ないが、家電が必要な消耗品を自動的に発注するサービス「Amazon Dash Replenishment」 も始まっている。

ミネラルウォーターやペットのご飯、歯ブラシなどの消耗を家電が感知し、自動的に注文してくれる。ダッシュボタンよりも、はるかに未来的だ。

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文房具品メーカーPlusは、コピー用紙などの消費財の重さを計測し、設定値を下回ったら自動発注するマットも販売している。家庭よりも大量消費するオフィス向けだろう。在庫管理と発注業務を削減する優れたソリューションだ。

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待たれるスマート冷蔵庫

家計の中で食費の割合は住居費の次に多い。食材は種類も多く、品切れしやすく、買い物が非常に面倒だ。買い物から帰ってきたら「冷蔵庫に卵がなかった!」みたいな失敗は誰でも経験したことがあるだろう。

冷蔵庫の食材の在庫を調べて、自動で発注してくれれば品切れを起こす心配がなくなる。自動で発注してくれなくても、スマホに品切れのアラートを飛ばしてくれるだけでいい。

ただ、多くの食材を監視するのは難しい。牛乳や卵ぐらいなら専用容器を使えば可能だろうが、あまり安い食材は配送料が高くつくのでネット注文できない。

それ以外の食材だと人によって嗜好が異なるし、パッケージの形状も異なり、内容量の把握が難しい。

我々が買い物の煩雑さから開放されるのは、まだ暫くかかりそうだ。