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春の新製品発表イベントからわかるAppleの未来。より強固になったAppleのエコシステム

Appleの春イベント開催

Appleの新製品発表イベントが開催された。iPhoneの新色、AirTag、7色展開iMac、M1搭載の新型iPad Proが発表された。

非常に興味深い内容で、今後のAppleが進むだろう道がよくわかる内容だった。

発表された製品を一つずつ見ていきます。

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iPhone 12

昨秋発売したiPhone 12の新色「パープル」が登場した。4月30日発売。今まではモデルの途中に追加されるのは (PRODUCT)RED だったが、iPhone 12では最初から用意されていたので、パープルが追加された。

今回の新色はiPhone 12 / iPhone 12 miniだけで、iPhone 12 Proには追加されなかった。iPhone 12がカラバリ展開していたのもあるが、iPhone 12 miniの販売不振をリカバリーしたいのかもしれない。

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AirTag

忘れ物防止タグ「AirTag」。「探す」アプリで見つけることができる。スピーカーを内蔵しているので、音を鳴らして見つけることができる。

U1チップを内蔵していて、iPhone 11以降ならAirTagの距離と方向がわかる。普通の忘れ物防止タグは、忘れている場所は大体わかるだけで、その部屋を探さないといけないが、AirTagならより詳細な場所がわかる。

この手の忘れ物防止タグは自分のスマホだけではなく、専用アプリがインストールされた他人のスマホとも連携し、最後に置かれた場所を特定するようになっているから、専用アプリが広まらないと落とした場所が見つからないことになる。

AirTagならiOS 14.5に対応している全てのiPhoneと通信をして探してくれる。これはAirTagの大きなアドバンテージだ。

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Apple TV 4K

新型Apple TV 4KはA12 Bionicチップを搭載し、新しいSiri Remoteを同梱した。最新チップはA14なので、そこまでの性能はApple TVには必要ないということなのだろう。

Siri Remoteが刷新された。今までのSiri Remoteはかっこよかったけど、前後がわかりづらく電源ボタンもなくて使いづらかった。ユーザーの意見を参考に改善するのは最近のAppleの良い傾向だ。

本体のボディデザインは変更されておらず、HDMI直挿しになったり、HomePodと統合されたりはしていない。トップシェアを握っているAmazon Fire 7やAmazon Echoとは別路線を進んでいくというAppleの姿勢の表れなのだろう。

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iMac

M1チップ搭載のiMacが発表された。特徴はやたら細いボディと多色展開だ。チップなど内部機構はMacbook Proとほぼ同じなので、細いボディデザインに内蔵できた。

7色も用意されたデスクトップPCはおそらく初代iMac以来。マウスやトラックパッドも7色分用意されている。在庫調整を考えると多色展開はやりづらいが、Appleは在庫コントロールに自信があるのだろう。

部屋に置きっぱなしのデスクトップPCは、部屋に合わないカラーも多いと思うが、多色展開した理由は教育部門への展開も考えてのことだろうか。

内蔵されたM1チップは半年前にMacBook Proに搭載されたものと同一で、デスクトップ用に拡張されたものではない。M1チップが優秀ということもあるが、Appleは1つのチップでデスクトップ、ノートブック、次に紹介するiPad Proまで幅広くカバーするつもりだとわかる。

開発中と思われるM1の上位版チップは4ポート版Macbook Pro、iMac ProとMac Proのハイエンドのみに使われると予想できる。

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iPad Pro

今回のイベント最大のサプライズは、M1搭載のiPad Prodだろう。今までMacにしか採用されていなかったM1チップがiPad Proに採用されると予想した人は少なかったんじゃないかな。

これで昨年発表されたiPad Airが従来のiPad Proを上回る高性能だったのも肯ける。iPad ProはiPad AirのA14チップを性能で大幅に上回るM1チップを搭載し、タブレットPCというよりは、キーボードがないMacbookのような性能をタブレットの筐体で実現している。

Macbook Proとの違いは、OSだ。タッチスクリーンを基盤としたiPadOSと、キーボードとトラックパッドでの操作が基本のMacと明確に分けている。とはいえ、iPadOSにはキーボードとトラックパッドを装着できるので、過去のMacアプリ資産を活用するならMacという棲み分けになるのだろう。

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用途が広がるM1チップ

Macbookで始まったM1チップは、デスクトップであるiMacとタブレットのiPad Proにも採用された。

キーボードとトラックパッドが使えるようになったiPadと、iPadOSのアプリが動作するようになったMacbookの境はかなり低くなったが、iPad ProがM1チップを搭載したことで、iPadとMacの境はさらに低くなった。タッチスクリーンでタブレットとしても使いたいならiPad、従来のアプリを使いたいならMacというわかりやすい区分けになり、選びやすくなったと思う。

Appleのチップ戦略も明確になった。モバイルデバイスはA系のチップ、スタンダードコンピュータはM系チップ、ハイエンドコンピュータは今後登場するだろうM1チップ上位版が使われると思われる(ウェラブルデバイス用にA系のサブセット版であるS系チップもある)。

全て自社開発のチップなのでコストも抑えられるし、新デバイスが要求するスペックに合わせてチップを開発できる。

iPhone、iPad、Mac、Apple TV、Apple Watchの各デバイスが必要な性能に応じて内蔵するチップを選び、別のOSでありながらiCloudを通じて連携をする。

Appleのエコシステムは、コストを抑えながら今まで以上に強固になったと思う。スマートスピーカーなど取りこぼした分野もあるが、自分が優位な分野では他社の追随を許さない仕組みがハード・ソフト両面で構築できている。

この分野でAppleを追い抜くのは相当難しいのではないか。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です
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