今年も豊富な新製品
数々のリーク情報を報じてきたBloombergのマーク・ガーマン記者が、Appleの新製品予想についての質問に答えた。
次期iPhoneに、HomePod、新型Apple TVと数多くの製品について答えている。それらの製品がマーケット的にどこまで信憑性があるのか考えてみます。
iPhone 12
次期iPhone 12の予想まとめ
- 4モデル。6.1と6.7インチのハイエンドモデル。5.4と6.1インチのローエンドモデル
- ProはLiDARスキャナを搭載
- リフレッシュレート120Hzディスプレイ搭載
- ノッチが小さくなる
- デザインはiPad Pro風
Proモデルは少し大型化している(現行Proシリーズは5.8と6.5インチ)。iPhone Xから3世代同じディスプレイサイズが続いたので大型化は考えられると思う。
ローエンドの6.1インチモデルは現行iPhone 11と同様なので、あり得ると思う。5.4インチモデルはなんだろう。発売したばかりの4.7インチiPhone SEがあるので、被り気味だから、発売される可能性は低いと思う。
LiDARスキャナ搭載はあり得るだろう。対応アプリを増やしてARを浸透させるためには搭載するデバイスを増やす必要がある。
iPad Proのようにリフレッシュレートを高める可能性も高い。
ライバルモデルが実現している小さいノッチも、iPad Pro風デザインも可能性が高い。Proモデルの表側のデザインは3年間変わっていない。そろそろ変えたいところ。
MacBook Pro
- 14インチ
- シザーハンズキーボード
これは間違いないだろう。16インチと同様にベゼルが細くなり、ディスプレイサイズは大型化する。MacBook Airとの差別化のために14インチは必要だ。
HomePod
- 小型化した廉価版
- Siri機能の向上
売上不振のHomePod。現行のHomePodはスピーカー性能は立派でスマートスピーカーというよりはAI搭載のワイヤレススピーカーという立ち位置だ。今から小型化してもスマートスピーカーのトップシェアを走るAmazonには追い付かないと思う。スマートスピーカーとはジャンルが違うものだ、といくらAppleが主張しても部屋にいくつものスピーカーを置く人は少ない。
ライバルが先行しているのにAppleが追い抜いたジャンルは結構少ない。iPhoneもApple WatchもAppleが市場を開拓したジャンルだし、iPodもHDD内蔵のミュージックプレイヤーの先駆者だった。Appleが先行企業に追いついたのは、Apple Musicぐらいかな。
もともとAppleはシェアよりも利益を追求する企業だったが、企業が巨大化するにつれて売上を伸ばすためにシェア拡大も視野に入れるようになってきた。HomePodもシェアが小さくても利益を確保して販売する手段もあるが、今のAppleの経営規模だとシェア拡大を要請されても不思議ではない。
ただ、小型化したHomePodは登場するだろうが、シェア挽回は難しいのでは。
Apple TV
- 今年後半発売
- 8Kには未対応
Apple TVは長らくアップデートされていない。USBポートに直挿しモデルがなく、据え置き型(?)しかない。ライバルのFire TVはUSB直挿しモデルとマイク内蔵の据え置き型がある。各テレビメーカーがApple TVのメイン機能であるAirPlayを採用し始めてはいるが、テレビはそう簡単に買い替える製品ではない。Apple ArcadeやApple TV+普及のために、既存のテレビで楽しめるApple TVは重要な製品だ。USB直挿しの廉価版Apple TVが登場するのでは?
8Kテレビがまだ普及していないので8K対応は時期尚早だろう。
Apple Watch
- 睡眠追跡機能
昨年のApple Watch series 5発表前にも噂になった睡眠追跡機能。課題はバッテリー持続時間だが、解消したのだろうか。Apple Watchはバッテリーが1日程度しか保たず、昼夜ずっと装着するのは難しい。
Apple Watchの噂はこれひとつで、昨年も出た内容だ。常時点灯を実現したApple Watchが今後進化するポイントがなく、進化の袋小路に入っていることを意味しているのかもしれない。小型デバイスであるApple Watchは、どうしてもバッテリー容量の制限がある。ドラスティックな省力化かバッテリー性能の向上が起きないと、これ以上の進化は難しい。
AirPower
Appleが正式に発売を断念したAirPowerだが、まだ開発が続いているとのこと。パッドのどこに置いても充電するために必要な複数のコイル内蔵できなかったことが開発中止の理由だとされたが、充電する場所を固定するなら複数デバイスを充電するAirPowerを作ることは可能だろう。
別の噂ではiPhoneはUSB-C端子に変更せず、数年後には端子を全て廃止してワイヤレス充電に切り替えると言われている。大人気商品となったAirPods、iPhone、Apple Watchの3つのデバイスを充電できるAirPowerの需要は高まることが予想されるので、開発する価値はある。
AirTags
- 今年後半に登場
- プレミアムモデルでレザーケース入り
忘れ物防止ツール「AirTags」。iPhoneを忘れることを防止できないAirTagsの必要性が低いと考えるが、Appleは本気で販売するつもりなのだろうか。ひょっとするとAirTagsとiPhoneが離れるとAirTags側でもアラームが出る仕組みなのかもしれない。そうなるなら、AirTagsを鍵につけておいて、iPhoneを忘れて外出しそうになったら警告してくれる。
単価があまり高くない忘れ物防止ツールをAppleが販売するなら、プレミアムモデルとして付加価値を与えるのは納得できる戦略だ。それがレザーケースかどうかわからないが。
信憑性は高そう
記者が言及した製品を見てきたが、信憑性は結構ありそうだ。iPhoneの4モデルはちょっとよくわからないが、iPhone SEの後継モデルと混合しているのかもしれない。
ただ、これらの製品も新型コロナウィルスにより年内に販売されるかどうかはわからない。市場の状況によっては販売が延期になる可能性もあると思う。