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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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原田ひ香さんとけんごさんの対談イベントに参加してきました

対談「なぜ小説に生きるのか」

宮崎県椎葉村で行われた原田ひ香さんとけんごさんの対談イベントに参加してきました。
椎葉村は我が家がある宮崎県内とはいえ、自宅から会場までは自家用車で3時間かかるので、最初は躊躇していたのですが、作家の原田ひ香さんと、小説紹介系インフルエンサーのけんごさんが宮崎にいらっしゃるというので、県内在住者としての謎の使命感に駆られて、居ても立ってもいられず駆けつけました。

往復6時間を掛けるに相応しい、とても良いイベントでした。
まず、場所が素晴らしかったです。椎葉村というのは日本三大秘境と呼ばれる村で、九州のほぼ中央、どの大都市からも遠く、コンビニもない、どこに出しても恥ずかしくない正真正銘の秘境です。


その椎葉村にある図書館「ぶん文Bun」がイベントの会場でした。この図書館がまた素晴らしかったです。
館内は木がふんだんに使われていて、狭い図書館にありがちな書架でぎゅうぎゅうなレイアウトではなく、広々として、たくさんのヨギボーやブランコ?があったりして、本を読むだけではなく、ただぼうとするのにもよさそうな図書館でした。

katerie.jp

印象的な言葉

原田ひ香さんは、「三千円の使いかた」など数多くのベストセラーを書かれた作家さんです。食べ物や本を扱った題材が多いイメージですが、たまに描かれるちょっと黒い人物も僕は好きです。

対談相手のけんごさんは、読まれた小説をTikTokやInstagramで紹介し、文学の灯火を若い人へ繋げようと活動されている方です。
けんごさんのTikTokは、小説という静的な媒体を紹介しているとは思えない熱意のこもった動画で、観終わったあとで、その小説を読んでみたくなる力を持っています。
短いワードに気持ちを注ぎ込む技術が高いのだと思います。

そのお二人の対談が面白くないわけがなく、本図書館の司書をされている小宮山さんの司会も素晴らしく、お二人の魅力が存分に伝わってくる対談でした。1時間が本当にあっという間に過ぎてしまいました。

ネタバレして良いかわからないので、あまり内容に踏み込めないのですが、ひとつ心に残った話をご紹介すると、原田さんが「読者に面白いと思ってもらえばそれで良い」と断言していたのが印象的でした。
原田さんの小説は、女性の自立や家族の問題などを扱っていて、テーマがしっかりしているイメージでしたが、読書している数時間を楽しく過ごしてもらえればそれで良いとのことでした。
そう言い切れるのはすごいなと思いました。読者へ何かしらのメッセージや自己主張をしたい小説家が多いものなので。
僕は、どちらかというと原田さんに近く、小説にテーマは設定しますが、読者がテーマに気づいても気づかなくても楽しめるのが理想だと思っていますが、楽しめればそれでいいとまで言い切れるようには書いていない気がします。

けんごさんの話では、「小説はもっと伸びる」と、まるで未来が見えるような澄んだ目で語っていらしたのが印象的でした。
けんごさんの動画を見て、小説を読み始めた若い方がたくさんいるそうです。その方々は小説に接する機会がなかったから読んでなかっただけで、小説の魅力が落ちているわけではないという話でした。一度読めば小説の魅力に気づき、小説のファンになってくれる人はたくさんいるとおっしゃっていました。

今まで僕は小説家さんのイベントに参加したことがありませんでしたが、非常に有意義だったので、今後見つけたら参加したいと思います。宮崎から行けるイベンツとは少ないのが難点ですが。