宝島社より 「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」 が発売になりました。私にとっては初の商業出版になります。
自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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お酒を呑まない理由

お酒を呑まない理由

僕はお酒を呑みません。宮崎は焼酎が名物のひとつなのですが、十年住んでも焼酎を舐めたことしかありません。

若いときは先輩から呑まされたことはありましたが、自分から呑んだことはほとんどありません。

お酒が呑まないのは、元々、体質的に遺伝的にお酒が弱いということもあります。誰もお酒を呑まない家庭に育ちました。アルコールを分解する酵素アセトアルデヒドが少ない家系らしく、実家の冷蔵庫にはビールなどのアルコールが入っていたことはなく、晩酌という概念が存在しない家でした。友達の家で夕飯をご馳走になると、お父さんがおかずを肴にしてビールを飲んでいる光景が新鮮でした。

それでも若いときはコンパやなんやらで鍛えられ、少しは呑むようになりましたし、そのまま呑み続ければ、もう少し呑めるようになっていたかもしれません。

だけど、大学生のときに、今後はお酒を呑まないと決めたことが決定的でした。どうして呑まないと決めたかというと時間がもったいないと思ったからです。

飲み会の時間は大好きです。人の5倍は喋るし、誰よりも盛り上げます。ただ、アルコールに弱いから、少し呑むと、飲み会後のリカバリーに時間がかかります。しばらくの間、呑んじゃうと頭が役立たずになってしまうわけです。

お酒を呑んだ後が気持ちいのに、どうしてそんなことを気にしにゃくちゃいけないのか? とお酒呑みの人は言うでしょう。昔、すぐにアルコールを分解して正気に戻れる薬があればお酒を呑むと言って酒飲みの友人に呆れられたことがあります。

お酒を呑まないことを決めたのは、僕は小説を書く時間を確保するためです。飲み会は好きなので、呼ばれれば必ず行きますが、ひとりで呑んだり、毎夜飲み歩くことはしませんでした。

もちろん、酒飲みでも小説家になった人はたくさんいますし、飲みながら書く人も中にはいるでしょう。でも、僕は自分の実力と生活のバランスを考えたときに、お酒を飲む時間を省くことを決めました。

そう決めたのは、「何かを得るためには何かを失う必要がある」と考えていたからです。

当たり前ですが、時間は有限です。どんな人にも一日24時間しかありません。24時間をどのように使うかで人生は決まるわけです。

才能も運命も容姿も自分ではどうすることもできません。持って生まれたものをやりくりしてどうにかやっていくしかないし、その中で何かを成し遂げたいなら、24時間の配分を能動的に決めなければなりません。

みんながお酒を飲んでいる時間を小説の執筆に充ててきました。それが正しいのか正しくないのかわかりませんが、そのおかげで何作かの小説を残せたことは事実です。

その代わり、お酒の知識が極端に少なく、小説でお酒を飲むシーン描くのが苦手になってしまいましたが。

お酒を呑まずに書いた小説「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」が発売中です。酒飲みの人も下戸の人も楽しめる小説だと思いますので、ぜひ手に取ってみてくださいませ。