Apple製品が大幅値上げ
Apple製品が突然値上げされた。先日発表されたMacBook Pro以外の多くの製品が20%から30%の大幅値上げとなった。
値上げの理由をAppleは発表していない。値上げの理由と背景を考えてみます。
値上げは円安だけ?
Appleは公言していないが、値上げの理由は円安だと思われる。この数ヶ月で円安が大きく進行した。値上げする前には、ドルベースだと日本でiPhoneを買うのが世界で最も安かった。ということは、円とドルのバランスが崩れていたということだ。
Apple本社がある米国ではインフレが進行しているが、日本のようなApple製品の大規模な値上げは行われていない。クックCEOも経済の変動要因が経営に影響すると決算時に公言していた。今回の日本での値上げの主因は円安と言って良いだろう。
値上げは続く?
今回の値上げは、おそらく6月初頭の為替レートを元にしていると思う。外資系企業では四半期毎に社内で使用する為替レートを設定する場合が多い。3ヶ月の間にも為替は変動するが、いちいち変えていると経営方針が安定しないので、次の3ヶ月を予測して設定する。
6月から1ヶ月が経ち、円安はさらに進行している。現行のApple製品の価格でも、現在の円安を反映しきれていない可能性がある。
為替変動を予測するのは難しいが、今回の円安は原材料の高騰、日本の相対的な国力低下、アメリカとの金利政策のギャップなど、複合的な要因が絡んでいる。特に深刻なファクターが日米の金利差だ。アメリカはインフレを抑えるために金利を上昇する政策をとっている。日本は金融緩和をとっていて、低金利政策を続けている。当然、低金利の円を売り、高金利のドルを買う流れが起きている。
日本も低金利政策をやめれば良いのだが、そのためには金融緩和を止めないといけない。そうなれば、今までの日銀の政策が誤りだと認めることになる。また、金利が上昇すれば、国債が暴落する危険性が増大するので、政府日銀は現在の金融政策を止められないでいる。
以上のような背景から、円安は当面続く可能性が高い。円安が続くなら、いずれまた値上げするだろう。Apple製品が欲しいなら、早めに購入したほうが良いかもしれない(自己責任でね)。