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AppleがLightningケーブル廃止を計画?

iPhoneにUSB-C?

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2019年からiPhoneの充電端子をUSB-Cに変更する報道がでている。

news.yahoo.co.jp

一時は、次期iPhone本体はLightning端子のままで、iPhone同梱の充電アダプタをUSB-Cに変更する報道もあったが、今回はLightning端子を廃止する報道だ。

端子がむき出しのLightningはUSB-Cより細く、軽量化したいモバイル端末にはLightningの方が向いていると言われてきた。

混在する端子

AppleのラインナップはUSB-CとLightningが混在している。

  • MacBook Air MagSafe 2
  • MacBook USB-C
  • MacBook Pro USB-C
  • iPad Lightning
  • iPhone Lightning
  • Apple Watch ワイヤレス充電
  • AirPods Lightning

分厚くなったiPhone

iPhoneは徐々に分厚くなってきている。蓋付きケースが一般化したからか、ユーザーはあまりiPhoneの薄さの興味をもたなくなっている。Appleとしても、iPhone 6のボディが曲がる問題でこりたのか、バッテリー増量が必要だからか、極端に薄いスマートフォンを開発するつもりはなさそうだ。

そうなると、一般的に流通しているUSB-Cに移行してもおかしくない。

ケーブル嫌いのApple

ケーブルが大嫌いだ。エレガントではないと思っている。iMacでは電源ケーブルとLANケーブル以外のケーブルを廃止して、MacBook AirでLANケーブルも切って捨てた。賛否両論あったが、iPhoneではミニオーディオ端子を減らし、オーディオケーブルを捨てるように促した。

Appleは昨年からiPhoneにワイヤレス充電機能を追加した。最後に残ったケーブルである電源ケーブルをもAppleはなくそうとしている(だったら、AirPowerを早く出すべきだけど)。

今のAppleにとって、MacとiPhoneであれば、iPhoneのほうが重要だ(iPhoneの売上はMacの10倍)。Macや他のスマートフォンにあわせてUSB-Cを導入するより、ワイヤレス充電に集中したほうがAppleらしい。

www.kantakayama.com

 

 

 

 

米朝首脳会談がIT業界を変える

北朝鮮の「開国」

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史上初めての米朝首脳会談がシンガポールで開かれた。

お互いの信頼を高め、朝鮮半島の核廃絶を約束する合意文書を両国は交わした。廃絶の期限が入っていないので曖昧な合意という批判もあるが、北朝鮮がこのまま合意どおり実行すれば、アメリカなど諸外国は経済援助を行い、北朝鮮は「開国」することになる。

IT業界への影響

IT業界にとって、この合意は何を意味するだろう。北朝鮮には安い労働力がある。IT関連の工場は中国・台湾に多いが、両国とも賃金が上昇している。中国沿岸部の賃金が高いので、内陸部に工場を設ける企業が増えたのも数年前のことだ。

北朝鮮の平均給与は国連統計もないので、正確なところは不明だが、年収10万円以下と言われている。土地ももちろんあるので、工場設置には最適の環境だ。電力などのインフラは不安だが、経済協力が実現すれば、中韓、そして日本からの援助が期待できる。

恩恵を受けるサムスン

北朝鮮開国により、もっとも恩恵を受けるのはサムスン電子だろう。朝鮮半島統一までは時間がかかるだろうが、韓国と北朝鮮がEUのような協同体の設立することは早期に実現できるだろう。韓国最大の企業グループであるサムスンが北朝鮮へ積極的に投資するのは想像に難くない。

サムスン電子の工場は韓国国内、中国に集中しているので、他工場との連携も取れやすい。ヒュンダイなどの韓国企業がかつて進出していた開城工業地区なら、早期に稼働できるだろう。

サムソン躍進の未来

サムスン電子の主要な事業は、半導体だ。今よりもさらに安価に半導体を製造できれば、Galaxyなど自社製品を価格を下げられるだけではなく、半導体市場において、多くのシェアを握ることになる。影響を受けるのは、QualcommやMicronだろうか。

Galaxyがより安くハイスペックなモデルを提供して、ダメージを被るのは、HUAWE、OPPO、Xiaomiなどの中国系メーカーになるだろう。高価格帯製品が主力のAppleも、飽和するスマートフォン市場でiPhone SE2などで安い価格帯を狙おうとしているので、影響はあるに違いない。

すべてが上手く回れば、ビッグ5とよばれる今のIT企業にサムソン電子が一角を担う可能性すらある。その場合、製品だけではなく、新しいプラットフォームを自ら提案する必要があるが。

ここに描いた予測は、北朝鮮が合意を履行した場合の話だ。過去何度も北朝鮮は約束を反故にしてきている。今度はそうならないことを願う。

www.kantakayama.com

Microsoftの早すぎる予告とストリーミングゲームの未来

ふたつの発表

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Microsoftが、自社のゲーム戦略について、ふたつの発表を行った。

ひとつは、スマートフォンなど様々なデバイスでゲームが楽しめるストリーミングサービスの提供。時期や価格など詳細は今のところ未定だ。

japanese.engadget.com

ふたつめは、次世代XBoxを開発していると発表。開発していることだけを伝え、それ以外の詳細情報は未定だ。

異例の発表の意味

まだ仕様も時期も発表できないのに、新製品を予告するのは異例だ。最新マシンであるXBox one Xが登場したのは昨年の11月だ。今の時点で新製品を予告したら、現行機の買い控えが起きる危険がある。

ストリーミングサービスも同様だ。デバイスを選ばないゲームサービスが登場すれば、ゲーム専用機は不要になる。

Microsoftとしては、このふたつをセットで予告することに意義があった。現在のMicrosoftのゲーム機事業は微妙な位置にある。

PS4、Nintendo Swtich両方のゲーム機に押されて、現行XBoxは影が薄い。欧州ではPS4、Switchが好調で、日本ではXBoxの影は限りなく薄い。ホームグラウンドであるアメリカでもPS4がXBox Oneの2倍以上のシェアを握る。

Microsoftの「辞めない」宣言

クラウド戦略に集中しているMicrosoftがゲーム機事業を辞めるべきという提言もでていたが、今回の予告は、その憶測を覆した。撤退の噂が立てば、サードパーティベンダーはそのゲーム機用の開発を敬遠する。

一方で、ゲーム機だけではなく、好調なクラウド事業とも繋がるストリーミングサービスをPRしたい意図も見える。

ただストリーミングサービスだけだと、ゲーム機は開発しないととられてしまうので、ゲーム機の開発継続もあえて宣言したと思われる。

ストリーミングゲームの可能性

ストリーミングゲームは今後成長する可能性が高い。Sonyも「PlayStation Now」の拡張を計画している。Googleが進出する噂もある。

Amazonの動向も気になる。Amazonがプライムサービスとしてストリーミングゲームを追加すれば、すぐに評判となるだろう。ありえる話だと思う。

読書、音楽、ビデオと自宅の娯楽を揃えてきたAmazonにとって、ゲームは自宅を制するラストピースかもしれない。

 

ビック5の粗利を比べて見える世界Amazon化計画

Big 5の粗利益率

Big 5(Apple、Amazon、Google、Microsoft、Facebook)の直近の粗利益率を比較してみた。

  • Apple 38%
  • Amazon 37%
  • Google 57%
  • Microsoft 65%
  • Facebook 84%

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Webサービスの驚異的な粗利益率

もっとも粗利益率が高いのはFacebook。ハードウェアの製造販売がなく、Webサービスが主な業態なので製造原価が少なく、84%と驚異的な粗利益率を誇る。

ハードウェアを主とするApple、最近Amazon Echo、Fireなど多くのハードウェアを供給しているAmazonの粗利益率は他社より低い。といっても、ハードウェアベンダーとしては十分に高い。両社とも粗利が大きい動画配信などのWebサービスも提供しているからだろう。

いくつかのハードウェア製品も提供しているGoogleとMicrosoftは、その中間の粗利益率。

高いFacebookの営業利益率

ビッグ5の中では最も低い売上額のFacebookだが、営業利益率はトップの46%。法人営業、コンサルタントの人員も他社と比較して少ないので、販売管理費を抑えることができている。

Amazonの営業利益率の低さは、利益を莫大な研究開発費に使っているからだ。純利益を残さず顧客のために使うという創業以来のポリシーをAmazonは堅持している。

各社の研究開発費

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引用:Strategy& 

各社の研究開発費の一覧だ。1位はAmazon、2位はGoogle、6位にMicrosoft、9位Apple、20位Facebook。Amazonの研究開発費はAppleの1.5倍、Facebookの2倍以上と世界最高額の投資を継続的に行っている。

ハードウェア開発が主要な業態ではないのに、この開発費は凄い。2016年はAlphabetと同じ規模だったが、2017年の投資額はさらに加速している。

利益より投資

利益よりも研究開発に投資をして、より良い製品とサービス、世界にまだないものを生み出そうとAmazonは日夜研究開発を続けている。AWSやAlexaなど多くの分野で世界一のシェアを得ているのに、さらに多額の研究開発費を注ぎ込むAmazonは企業間の競争を高いレベルに引き上げている。

Amazon対全世界

元のビジネスである通信販売だけではなく、AmazonプライムなどのWebサービス、AWS、そしてリアルな店舗にも進出し、現在のマーケットは、Amazon対その他全産業の様相を呈してきている。

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Amazonの通販やサービスはたしかに便利だ。レジがない店舗で有名になったAmazonGOのような店舗を全世界に展開すれば、さらに我々の生活は便利になる。ただ、すべてがAmazonになってしまう世界がよいかはわからない。

www.kantakayama.com

 

 

Apple Watchから物理的なボタンをなくすと再起動できない

物理的なボタンを排除

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Apple Watchから物理的なボタンを取り除く報道が出ている。

www.itmedia.co.jp

物理的なボタンの代わりに、iPhoneのホームボタンやMacbookのタッチパッドのように、物理的なスイッチではなく、振動を発生させることでボタンを押した感触を擬似的に指へ伝える装置を装備するということだ。

物理的なボタンを廃することで、本体にスペースができてバッテリー容量が増えるという。

バッテリー容量を増やしたいApple Watch

本サイトで予測したように、次期Apple Watchはエクササイズ向けに特化すると思われる。ガーミンなどのランニング用腕時計を追い抜くためにはバッテリーを増量し、持続時間を伸ばすことが必要だ。

今回の報道は、その目的に合致している。

再起動をどうする?

ただ、すべての物理的なボタンを廃止してしまうと、電源を入れるときや、フリーズしたときに再起動できなくなる。iPhoneは物理的な4つのボタンを組み合わせて再起動を行う。

デジタルクラウンとサイドボタンの2つを疑似ボタンに切り替えるとしたら、どうやってApple Watchを再起動するのだろう。どちらかのボタンの物理的な機構を残すか、はたまたリセットボタンを別途設けるか(ペンの先で押すような不細工な真似をAppleが取るとは思えないが)。

バッテリー容量を増やす目的のために物理的なボタンを廃するのは理にかなっているが、すべてのボタンを取り外すわけには行かない以上、ちょっと信憑性が薄いと思う。

Fire TV Cube発売で、さらに生活へ入り込むAmazon

Fire TV Cube登場

AmazonがAlexaを搭載した「Fire TV Cube」を発表した。

japan.cnet.com

Amazonは今年初頭から新製品の登場をティザー広告で予告していたが、 以前の記事で予測したように、Amazon EchoとFire TVを統合した製品だった。

www.kantakayama.com

家全体をコントロール

Amazonの目的はリビングそして家全体をコントロールすることだ。家庭で最大サイズの表示画面であるテレビ画面に自社製品を接続させることができれば、自社の動画配信サービスを利用してもらえる。将来的には音声で買い物をした内容をテレビに表示させることもできる。

先日AmazonはWindows PCに搭載するAlexaの規格を発表した。あらゆる場所と機会でAmazonは自社のサービスを使ってもらえるように腐心している。

www.kantakayama.com

Alexaの普及が目的ではない

今までのインターフェイス、キーボードやタッチパネルは視線と手をユーザーに使わせないといけなかった。

新聞を読んでいたり、皿を洗っていたりしているときは手と目を使っているので、キーボードやタッチパネルを操作できないが、音声ならできる。

Amazonにとってユーザーに音声認識を使ってもらうことは目的ではなく、あくまでも手段だ。本当の目的は自社サービスを使ってもらうことだ。今までのインターフェイスよりも音声はサービスを使う敷居が低い。

ユーザーがそのサービスに一度満足してしまえば、他のサービスへ移行しづらくなる。

このFire TV Cubeで、Amazonは世界の人々の生活にまた一歩深く入り込むことになるだろう。

www.kantakayama.com

【レビュー】スマートロックを半年使ってみた (Qrio Smart Lock)

Qrio Smart Lockを購入

半年間使っているスマートロック「Qrio Smart Lock」(以下、Qrio)をレビューします。

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スマートロックとは、スマートフォンなどの電子機器を用いて、物理的な鍵を使わずにドアを施錠・解錠するシステムのことだ。スマートロックを導入しようとしたのは、単純に物理的な鍵を使いたくなかったから。外出時しか使わない鍵より、常時使うスマートフォンの方が取り出しやすく、スムーズだ。

いくつかの製品がでているが、日本ではQrioが一番人気のようだ。

Qrio Smart Lockを選択した理由

  • 比較的安価で、自宅の鍵の形状に合う
  • Apple Watchに対応
  • オートロックができる
  • デザイン
  • SONYが出資しているベンチャー企業

17,367円(2018/06/08現在 Amazon)はスマートロックの中では比較的安価でシンプルなデザインも悪くない。Apple Watch対応なので、iPhoneを取り出さなくても使える(と思った)。

セットアップは簡単だ。アプリのガイダンスに従って行えば間違えることはないだろう。ドアに傷もつかない。気をつけるのは、本体とドアを両面テープで接着させるので、ずれないように曲がらないように慎重に付けることぐらいか。

鍵の形状によってアダプタが必要だったり、使えなかったりするので注意(アダプターは1,500円する。ただのプラスチックなので、無料で付属しても良いと思うけど)。

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実際に使ってみて

半年間使ってみた結論は、「可能性は感じるが、技術力が追いついていない」だ。Wi-Fi経由でスマートロックと接続できる「Qrio Smart Lock Hub」(以下、Hub)は使用していない(本体のみだとBluetoothでの接続)。

購入目的の一つだったオートロック機能は筆者の自宅では使わなくなった。勝手に閉まると閉め出されるおそれがあると家人が反対するので。

「手ぶらで解錠」機能も使用していない。「手ぶらで解錠」はGPSでスマートフォンの位置をチェックし、鍵を設定した場所に近づいたら自動的に解錠する仕組みだ。

一見便利そうだが、筆者の環境だと自宅にいても勝手に解錠してしまうことが何回かあった。自宅を移動しているうちにBluetoothでの接続が途切れて、再び接続した時に外出先から帰宅したと判断したようだ。

 Qrioは鍵が開いているか閉まっているかは認識しているが、ユーザーが自宅にいるのか外出しているのかはわからない。

一度寝ている時、勝手に解錠したので怖くなってオフにした。Wi-Fiで接続するHubを用いると、この挙動は変わるかもしれない。

良い点

物理的な鍵が不要

当たり前だが物理的な鍵が不要なのは便利。玄関前で鍵を取り出す必要がない。多くの人はスマートフォンを取り出しやすいところに身に着けていると思う。出かける時にスマートフォンのアプリを起動してロック、帰ってきた時は同じくアプリを立ち上げアンロック。

すべてをデジタルで操作できるのは気持ちが良い(筆者だけ?)。

悪くないデザイン

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デザインは悪くないと思う。思ったより大きかったが、余計な装飾がないシンプルなデザインは好感が持てる。金属に見えるが外装はプラスチックなのでよく見ると安っぽくはあるが、じっと見つめるものでもないし。

履歴がみえる

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誰がいつ鍵を開けたかわかるので、外出時に誰かが侵入したとしても記録に残る。ただ、物理的な鍵を使って手動で開けた人を特定することはできない。

改善すべき点

施錠・解錠が遅い

アプリが悪いのか本体の性能の問題かわからないが、動作が決定的に遅い。鍵を開けるとき、遅いと30秒ぐらい待たされる(早いと5秒ぐらい)。多くの人が指摘しているように物理的な鍵をとりだして開けたほうが、はるかに早い。玄関に近づきながら、アプリで先に命令することはできるが、Bluetoothで接続できる範囲内でないと動作しないのでタイミングが難しい。

アプリの出来が悪い。起動が遅い

多くの不満はアプリに起因している。まずアプリの起動が遅い。アプリ起動前にBluetoothでの接続を試みているらしく、遅い時は30秒以上かかる。これだけ起動に待たされるiPhoneのアプリは珍しい(ポケモンGOぐらい?)。

iPhoneのアプリなのに、3D Touchやウィジェットにも未対応。鍵の開け締めしかやることがないのだから、素早く操作できる3D Touchやウィジェットに適しているはずなのに、対応する気配がない。

これも多くの人が指摘していることだが、サポート体制があまりに貧弱だ。ベンチャー企業だから資金がないのかもしれないが、本製品も発売してから3年が経過するがモデルチェンジも行われていないし、遅いレスポンスなど当初から指摘されている問題点も解消できていない(最初の頃よりは改善しているらしいが)。

Apple Watch対応?

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購入した動機のひとつはApple Watchに対応していることだったが、筆者はApple Watchから使うことはほとんどなくなってしまった。

iPhoneと違ってApple Watchアプリの起動は速いが、Qrioと接続していないと、画面を強く押して更新する必要がある。更新にはiPhoneアプリの起動と同様に時間がかかる。

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筆者が試した限りでは、Apple Watch単体では動作しない。iPhoneと一緒でないとQrioに接続できないのだ。つまりApple Watchネイティブアプリではないと思われる。

これではApple Watchだけでランニングに出かけることができない。仕方がないので筆者は玄関にiPhoneを置いて、走って戻るとドア越しにiPhoneとApple Watchを接続させて、Qrioに接続している。

Apple Watchネイティブアプリが登場してから2年経過しているのに、いまだ対応しないのはメーカーとしての見識を疑う。

両面テープの効きが弱い

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これも多くの人が指摘しているが、付属の両面テープの効きが弱く、しばらく使用しているとテープが剥がれてくる。筆者の自宅でも三ヶ月で剥がれた。純正の両面テープは500円もするので、ホームセンターで購入した両面テープを使用している。物理的な鍵を持たずに出歩いて、もしも外出中にQrio本体が取れたら部屋に入れなくなってしまう。

電池切れ防止に予備の電池をセットできるようになっているぐらい不慮の締め出しには気をつけているのに、肝心の本体が取れてしまったら、どうにもならない。

メーカーの真摯な対応を望む

一番の問題は動作が遅いに尽きる。あまりに時間がかかるので、筆者以外の家人はすぐに使わなくなった。デジタルに毒されている筆者は時間がかかってもスマートフォンでの動作を好んでいるが、アプリの不出来に毎回イライラする。

何でもかんでもデジタルで行いたいという人は「買い」だ。ただ、「鍵を素早く開けたい」という人には全く向かない。

ハードウェア性能の限界もあるのかもしれないが、3D TouchやApple Watchアプリのネイティブ化はアプリを改善すればよいことだ。

ぜひ改善をお願いしたい。

IT企業は天使か悪魔か

邪悪になるな

「Don't Be Evil」(邪悪になるな)といえば、有名なGoogleのスローガンだ。今は「Do the right thing」(正しくしよう)に変わったそうだが、世界をより良くするために活動するGoogleの方針は変っていない。

www.gizmodo.jp

世界を変えるIT

「ITは世界を良くする」カルフォルニアで生まれた若きIT企業の経営者たちは、旧世界の悪弊を打破して、人がもっと生きやすく、平等で公平な世界をITで作れると信じている。

FacebookのザッカーバーグCEO、Amazonのジェフ・ベゾスCEOも、同じように世界を変えようと思っている。ザッカーバーグはアメリカ大統領選挙に出る噂があるぐらいだ(ITではないが、西海岸で成長したスターバックスの創業者ハワード・シェルツ会長も大統領選を目指している噂がある)。

無料サービスの代償

インターネットは多くの人に成功の機会を与えた。無料で多くの情報を入手でき、自分の主張を世界に発信できるようになった。

たしかに世界は変わった。ただ代償もあった。サービスと引き換えに人は個人情報を企業へ渡すことになった。全世界の人々から集めた個人情報を使ってGoogleとFacebookは顧客の嗜好にあったカスタマイズされた広告を表示し、商売にした。

ザッカーバーグは政府の公聴会で「広告は、人々のために無料でサービスを提供する最適な方法だ」と証言した。ザッカーバーグは真剣にそう考えているに違いない。今のやり方は、完璧ではないが少なくても今よりは世界をマシにすると。

独善と言えば、独善だ。情報漏えい事件をきっかけに、改善策を施すとザッカーバーグは約束した。

すべての中心はお客様

先日のAppleの開発者イベントWWDC2018の冒頭でティム・クックCEOが「Customer at the Center of Everything」(全ての中心にお客様)と説明した。お客様は人と解してもいい。

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クックが今回このスライドを持ち出したのは、GoogleとFacebookへの強烈な皮肉だ。WWDCの中で「Appleは個人情報で商売しない」と宣言し、個人情報保護を強化する取り組みを説明した。

そのAppleもスティーブ・ジョブズの頃は「独善」だった。ジョブズの天才的な発想だけが善で、理解しない客とライバルを容赦なくけなした。

クックの時代になり、Appleは変わった。顧客の意見を取り入れて製品を改善してきた。今回のWWDCはハードウェアの発表もなく、地味だったという意見が多いが、顧客や市場が要望に基づいたOSの改善が目立った。

顧客が望むかどうかわからない突飛なアイディアを披露するのではなく、顧客が望む地道な改善をAppleは選んだ。古い機種でも快適に動作できるようにし、5年前の製品でもアップデート対象とした。

一方で個人情報を守るあまり、音声認識などビッグデータを用いるカテゴリーでAppleはGoogleやAmazonの後塵を拝している。

どちらかが一方的に善で、どちらかが悪ということはない。今後、双方のせめぎあいの中で、最適な解に落ち着くのだろう。それは、きっと今よりも正しい世界に違いないと筆者は思う。

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watchOS 5からわかる新Apple Watch4

watchOS 5発表

WWDC 2018でAppleが発表したwatchOS 5は、秋に正式リリースされるだろう。

例年通りなら、Appleは新Apple Watch series 4を発表するはずだ。今回発表のwatchOS 5から新しいApple Watchを予想してみよう。

50%の新機能がワークアウト

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AppleのサイトにでているwatchOSの主な機能は9つ。USのみの対応である「学生用IDカード」をのぞくと、半分がエクササイズ関連だ(赤字の機能)。

watchOS 5の主な機能

  • アクティビティの競争
  • 自動ワークアウト検出
  • 新しいワークアウト
  • 新しいランニング機能
  • トランシーバー
  • Appleの Podcastアプリケーション
  • Siriのアップデート
  • 強化された通知機能
  • 学生用IDカード

打倒Garmin

最初はラグジュアリー時計市場も狙っていたApple Watchは、series 2よりエクササイズ向けに重心を移してきた。

watchOS 5にもランナーや運動する人が要望していた機能を多く追加してきた。ランニング向けウォッチとしてはGarminが大手だったが、Apple Watch登場後は、ウェアラブル時計の市場でシェアを落としている。

昨年Q4のウェアラブル市場ではAppleが21%、Garminが6.5%のシェアだった。Appleが昨年より50%以上出荷台数を伸ばしているのに対して、Garminは5%以下しか伸びていない。

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引用:IDC

求められるバッテリー持続時間

当初iPhoneがないと満足にワークアウトに使えなかったApple Watchは、series 2でGPS、series 3でCellularモデルを追加し、iPhoneがなくても使えるように進化していった。

ただ、まだGaminに負けているのがバッテリー持続時間だ。Apple Watch series 3がGPSを使用した屋外ワークアウトつまりマラソンをしたときのバッテリー持続時間は最大5時間。

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Garminの最新モデル「ForeAthlete® 645 Music」はGPSと心拍計で最大14時間。Apple Watchとの差は大きい。

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バッテリー増量と省電力化

5時間あれば十分と思われそうだが、フルマラソンとスタート前の準備時間を考慮すると5時間では足りない。保つかもしれないが、ランニング中に途切れるリスクは絶対に避けたいのがランナーだ。

次期Apple Watchでバッテリーが強化されると予想する。ただ重くなってしまえば、少しでも荷物を軽くして走りたいランナーは毛嫌いするだろう。

今回の発表ではApple Watchの省電力化の話題はなかった。ランナーに訴求できるバッテリー増量と省電力化による持続時間の改善が新型Apple Watchでは見られるに違いない。

今更トランシーバー搭載の理由

もうひとつのヒントは「トランシーバー」だ。トランシーバーのようにApple Watchユーザーが交互に話す機能だ。Apple Watchはすでに電話にもFacetime Audioにも対応して、音声で会話ができる。トランシーバーは面白いが、コミュニケーションツールとしては退化している。それなのに、どうしてこの機能が必要なのだろう。

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音声電話の進化形は、テレビ電話だ。iPhoneはFacetimeで対応しているが、カメラがないApple Watchでは相手を見て会話ができない。もしも、次の新型Apple Watchがカメラ内蔵なら、退化したようなトランシーバー機能は付与しないだろう。

以上から、新型Apple Watchはカメラを内蔵しないと予測する。エクササイズが主目的な今のApple Watchにとって、重量増になり、バッテリを食うFacetimeは厄介者だ。

あくまでも予想ですから

WWDCで発表した内容から予想してみました。バッテリー増量、省電力化、できれば薄型軽量化が新Apple Watch 4で実現すると予想する。

根拠は薄いですが、新製品がでるまで、こうやってあれこれ考えて楽しめるのがApple製品の楽しみですよね。

iOS 12から予測する新型iPhone 9

隠される新機能

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WWDCでAppleが発表したiOS 12は、ユーザーと市場の意見を取り入れた「正常進化」だった。一言でいえば、そつがない内容だ。問題になっている個人情報保護、スマホ漬けにも対応していた。

今後は、配布したベータ版の検証を経て、完成した最新iOSを搭載した新型iPhoneを秋に発表するのがここ数年の流れだ。

新型iPhoneにはiOSベータ版では隠された機能が付与され、これが製品のサプライズになってきた。

歴代iPhoneの主な新機能

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  • iPhone 5  4インチ液晶
  • iPhone 5s Touch ID
  • iPhone 6  Apple Pay、4.7インチ液晶
  • iPhone 6s 3D Touch 
  • iPhone 7  日本向けApple Pay、光学手ぶれ補正
  • iPhone 8  ワイヤレス充電

以前はナンバリングを変更する時に液晶を大型化したデザインに変えて、「s」シリーズのときに機能を追加していたが、iPhone 7は6sとデザインがほとんど変わらず、目立った新機能もなかった。

昨年は、sシリーズをスキップしたiPhone 8は新しいデザインで登場し、ワイヤレス充電機能を追加した。デザインと機能の両方が変わった。iPhone 7に間に合わなかったデザインと機能が追加された説が流れた。

新型iPhoneは?

今年はiPhone 8sが登場するターンだが、昨年は特殊でデザインを大きく変更したiPhone Xを発売した。今年iPhone XのノッチデザインをスキップするとiPhone 8s(iPhone 9?)のデザインは今後一年間でかなり陳腐化すると思われるので、ノッチデザインを標準iPhoneにも採用すると思われる。

Memojiは新型iPhoneのヒント

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もうひとつの根拠がWWDCの発表の中にある。iOS 12の新機能「Memoji」だ。Memojiは、昨年iPhone Xに搭載した新機能「TrueDepthカメラ」を使ったAnimojiの拡張機能だ。iPhone X限定の機能としてはWWDCではMemojiの説明にかなり時間をかけていたので、他のiPhoneにもTrueDepthカメラを搭載してくると思われる。

新型ナンバリングiPhoneは、TrureDepthカメラとFace IDがついたノッチデザインになるだろう。

そうなるとデザインが変わるので、名称はiPhone 9だろうか。新機能はFace IDだが、これだとiPhone Xと同等なので新鮮味がない。

watchOS 5にもヒントあり

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他にも新機能はあるのだろうか。予測は非常に難しいが、watchOS 5の発表にヒントがある。watchOS 5の発表の最後に、Apple Watchが学生ID代わりになる話がさらりとあった。学生証を持ち歩かなくても教室への入退室や学生食堂の支払いなどが可能になる機能だ。

この機能は、どうしてApple Watchだけの機能なのだろう。NFCチップを用いて認証するなら、iPhoneもNFCを搭載している。

今回のWWDC前に流れた噂のひとつにNFC開放があった。新型iPhoneではNFCを開放したソリューションを提供するのではないか。学生証やポイントカード、飛行機の搭乗など、NFCを開放してくれればできることは多い。

NFCを搭載した旧iPhoneでもできそうだが、(どういった理屈をつけるかわからないが)新型iPhoneに限定すれば、目玉機能になる。

秋までのお楽しみ

例によってAppleは何も発表しないが、これから新型iPhoneの噂が徐々に増えていくだろう。予測の答え合わせをしながら、秋にあるだろう新型iPhoneの発表を待ちたい。

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ナデラCEOが呼び起こしたMicrosoftの古き精神

再び成長するMicrosoft

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Microsoftの時価総額がGoogleの親会社アルファベットを上回った。

headlines.yahoo.co.jp

ナデラCEOの手腕

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PCの世界では絶対的な地位を誇っていたMicrosoftはスマートフォンの時代になりAppleとGoogleに負けたが、サティア・ナデラCEOに変わり、クラウド戦略へ一気に舵を切ったのが功を奏した。

ナデラCEOは、Microsoftにおける過去の成功体験を徹底的に破壊した。

Microsoft Officeをクラウド化し、パッケージでソフトウェアを販売するのではなく、定額サービスにした。Windowsだけにこだわらず、Web、iOS、Androidとマルチプラットフォーム化を行いユーザーの拡大に努めた。

Windowsもバージョンアップする度にユーザーの買い替えを促すのも止めた。スマートフォンの時代になり、OSを有償で売るのが難しくなってきたからだ。

これらは過去の成功体験にしがみついていたら、できなかった変革だ。

勝つまで戦う

ナデラは既存のビジネスを破壊しただけではなく、古き良きMicrosoftの精神である「競争心」を復活させた。

AmazonのAWSに大きく差をつけられていたクラウドサービスだったが、Azureで急速な追い上げをみせている。忘れている人も多いと思うが、過去のMicrosoftは競争に滅法強かった。

先行するライバルを打ち負かし、圧倒的なシェアを獲得してきた。ブラウザ競争では先駆者のNetscapeをInternet Explorerで叩き潰した。表計算といえば、今ではEXCELだが、昔はLotus 123だった。

ナデラは「勝つまで戦う」というMicrosoftの精神を呼び起こした。その結果が今の時価総額に顕れている。今後はクラウド、IoT、MR、そしてAIと新たな分野にMicrosoftは攻め続けるだろう。その先の課題はナデラの後継者がいるかどうかだ。

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「戦いは数だよ」を実践するAmazon Alexa

Alexa for PC ODM発表

AmazonがAlexaを搭載するWindows PCの規格「Alexa for PC ODM」を発表した。ODMとしてPCベンダーがAlexa搭載PCを販売するための規格だ。

gigazine.net

広がるAlexaワールド

家電などすでに多くの機器がAlexaを搭載しているが、いよいよPCにもAlexaが踏み込んでくる。もともとPCはマイクとスピーカーを装備しているので、規格に従って高性能化すればAlexaのボイスサービスが使える。

スマートスピーカーはリビングを飛び出し、各部屋に配置されてきており、家全体が主戦場になってきている。 

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リビングからホームへ

ホーム全体にAlexa対応機器が置かれれば、家電のコントロールだけではなく、物販やサービスに繋がる。Alexa搭載の洗濯機が「そろそろ洗剤がありません。注文しますか?」とAlexa対応PCが声を掛けてきたり、家のどこにいても音楽が聴けるようにAmazon Musicに入りたくなる。

物量で押すAmazon

GoogleもAppleもAmazonと同じ家全体を狙っているが、家電などに浸透していて、今度はPCにも広がるAmazonが数の面でリードしている。Google Homeの売上が伸びているとは言え、スマートスピーカーという限定のデバイスの話で、音声認識機能をもつ機器の数ではAlexaが圧倒している。

ドズルが言う通り「戦いは数だよ」になるのか、GoogleやAppleが逆転するのか。WWDCでAppleは音声認識には一切ふれませんでしたね、そういえば。

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藤井七段がAIを越す

AIにも想定外の妙手

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昨日の藤井七段の一局がAIを超えたと話題になっている。第31期竜王戦5組決勝で、AI(将棋ソフト)も想定していなかった手で藤井聡太七段が勝利した。

将棋を知らない人もわかるように説明すると、互角の戦いの中で、飛車金両取りを相手ができる手に自ら踏み込み、最も価値が高い飛車駒と最も価値が低い歩を交換する手に出た。打った瞬間、多くの人が悪手と見なしたが、この数手先で相手は投了に追い込まれた。

ほとんどのプロ棋士も予想できなかった手で、将棋ソフトが数億ノード計算しても出てこない妙手だった。この手を見て、藤井七段がAIを越えたと評する意見がネットに溢れた。

「枝切れ」する将棋ソフト

どうして藤井七段は将棋ソフトも見過ごした手にたどり着いたのだろう。

将棋ソフトが「枝切れ」した手を追求したことに尽きる。「枝切れ」とはその手から無数に広がる変化を読まない(後回しにする)ことを指す。将棋は数億数兆手の変化があるので、いくら将棋ソフトとは言え、すべての変化を調べるには時間がかかる。価値が低い手の読みは後回しにする。

飛車金両取り、大駒である飛車切りは価値が低いのでソフトは先を読まなかったのだ。

しかし、藤井七段は先を読んで、その先に詰みまで見つけた。

圧倒的な計算能力

藤井七段の圧倒的な計算能力の高さが前提としてある。詰みの手順もとても難しいにもかかわらず、藤井七段は合計約30分の短い間に着想している。詰み将棋選手権4連覇からもわかるとおり、藤井七段の計算能力の高さは全棋士の中で群を抜いている。ただ、いくら藤井七段の計算能力が高くても、最新コンピューターに叶うはずがない。

大局観とは

藤井七段がコンピューターに勝ったのは「大局観」のおかげだ。大局観の説明は難しいが、盤面全体を俯瞰して、過去の経験と培ったセンスから、現在の形勢を認識し、次の手を編み出すことだ。盤上の駒をデータではなく、画像として捉えると一流の棋士は言う。言葉では説明できなくても、ひと目見て良い絵画かどうか、一流の画家や批評家がわかるのと似ているかもしれない。

藤井七段は、盤上を見て「飛車を切ってもいけそうだな」と「枝切れ」をしないで、その先を読んだ。

この大局観をもつのが、コンピューターには非常に難しい。(今のところ)絵画の評価をできないのと同様に、画像として局面を判断するまでにはコンピューターは至っていない。

この棋士の特殊能力ともいえる大局観をコンピューターが打ち破るには、盤面全体を評価値として落とせるようになるか、さらに高速化して全ての変化を読む必要がある。

人間がAIに勝つわけではない

もっとも、この一局を見て、人間がAIに勝てると考えるのは早計すぎる。藤井七段自身が言っているように、全体的には将棋ソフトの能力は人間のはるか上をいっている。昨日の藤井七段が放った手の95%以上はコンピューターと同じ手ではあるが、その手を見つけるのにコンピューターが費やした時間は人間より圧倒的に短い。

同じ持ち時間、同じ環境であれば、人間が現代の将棋ソフトに勝つのは無理だ。だからといって、将棋に魅力を失ったわけではない。オートバイが人間より速くても短距離走競技が存在するように将棋も十分楽しめる。

人間の中で藤井七段の棋力は圧倒的だ。最近では藤井七段の手を解説者が説明するも難しくなってきている。

むしろ、藤井七段のようにプロ棋士でも先を読めない手を将棋ソフトの結果を補助線として楽しむのが正しい観戦法だ。

否定してもMojave登場でも消えないMacとiPadの統合

Mojave登場

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新しいmacOS「Mojave」


WWDC2018キーノートでAppleがを発表した。近年はカルフォルニア州にある山の名前を冠していたが、今年は砂漠の名前。黒系の画面に変更できる「ダークモード」、デスクトップのファイルをまとめてくれる「Stack」などを装備する。

砂漠に名称を変えても、大幅な変更ではなく、一部の修正・追加にとどまる。

統合は否定したが・・・

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iOSとmacOSを統合している?

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明確に「No!」

最近、よく言われる「iOSとmacOSの統合」についてAppleは明確に否定したが、一方で、iOSアプリ開発キットである「UIKit」をmacOSアプリ開発と移植し、iOSアプリからmacOSアプリへの移植をスムーズに行えるように取り組んでいるとも説明があった。

すぐにではないが、iPad Proがコンピューターとしてクリエイターが認めたときに、macOS上でiOSアプリが動く環境を作る布石と思われる。

いずれ、iPad上でmacOSがエミュレータで動く将来もあり得る。

Macの未来は誰もわからない

開発者のイベントであるWWDCは、Macのアップデートに相応しい舞台だが、今回Macハードウェアのアップデートは一切なかった。macOSに追加した機能も小規模だ。

どんなに否定しても、Appleの中でMacのプライオリティは落ちていると思われる。

ただ、Appleもすべての将来を見通せているわけではない。MacとiPadの連合軍がWindows PCを凌駕し、macOSとiOSが共存する未来もあり得る。

 

iOS 12については、こちら

 watchOS 5については、こちら

 WWDC2018直前予想の答え合わせは、こちら。 

筆者の著作は、こちら

 

 

 

watchOS 5のまとめから考察する次期Apple Watch

watchOS 5登場

AppleはWWDC 2018のキーノートでwatchOS 5を発表した。

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エクササイズにフォーカス

watchOS 5には、エクササイズとコミュニケーションにフォーカスした機能が追加された。

2年目以降のApple Watchはランニングなどのエクササイズ向けの機能を追加してきたが、今回もヨガなどの新たなワークアウトを追加し、エクササイズ向けウェアラブル機器の地位を強固にしようとしている。

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ヨガがワークアウトに加わった

自動で記録

watchOS 5では、自動的にワークアウトを設定してくれる機能が加わった。ランニング時にワークアウトをスタートするのを忘れても、GPSやモーションからApple Watchがランニングしていると自動で判断してくれる。

同じ機能をもつサードパーティ製アプリもあるが、便利なことは間違いない。サードパーティ製アプリの機能といえば、Nike+ Run Clubにある友人とのソーシャル連携もwatchOS 4は取り込んでいる(他社アプリの機能を加えるのは以前からAppleがやっていることだ)。

ワークアウト以外には、Apple Watch単体でも楽しめるトランシーバー機能は昨年登場したCellular搭載モデルを高める機能だ(もちろんiPhoneと併用でも使用できる)。

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トランシーバー機能

Siriは生命線

iOS 12と同様にwatchOS 5にもSiriのショートカット機能が加わり、ユーザーの行動をチェックしてSiriが次の行動を色々提案してくれるようになった。

また、「Hey Siri」と言わなくても、Apple Watchをつけた腕を上げるだけでSiriを起動できるようになった。

腕時計という構造上、両手を使わないとスワイプ・タップができないApple Watchにとって声で操作できるSiriは相性もよく、Siriの恩恵を最も受けるデバイスだ。

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Siriが次の行動を提案してくれる

watsoOS 5から見える次期Apple Watch

3年間同じ形状のApple Watchは、大画面化やカメラ内蔵など大幅なモデルチェンジも噂される。今回の発表から次期Apple Watchが見えるだろうか。

今回発表した中で、大型画面が必要な機能はなかったと思う。むしろ小型画面でもSiriを活用していく方向に思える。

カメラを内蔵してFace timeに対応するのも面白いと思ったが、テレビ電話ができるようになるのにトランシーバー機能を付与するのも不自然な気がする。

筆者の考えつかないような新機能を次期Apple Watchが搭載することを期待する。

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