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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の 「夏のピルグリム」 が7月18日に発売になります。初の単行本形式の小説です。
興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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目がだめなら、耳がある。- ARの現状 -

昨日はVRだったので、今日はAR(Augmented Reality. 拡張現実)。ARは「現実世界に人工の情報を追加する技術」のこと。

スマホ画面から抜け出られない!

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「Pokemon Go」で現実の風景の中にモンスターがスマホ画面に映るのもARの一種だ。スマホを夜空に向けると方位と場所を検知して、実際の夜空の画像に星座の名前を表示することもできる。このように現状のARはカメラで撮影した画像に情報を追加してスマホ画面へ表示するのが一般的だ。

この手法も多くの可能性はあるが、ずっとスマホ画面を見ていないとならない。これでは今までのスマホの映像がリアルになっただけで、我々の感覚もスマホアプリを使っているのと大して変わらない。

そこで、肉眼で見ている映像(実際は眼鏡越しだが)に情報を付与する、ドラゴンボールのスカウターみたいな装置の開発が進んでいる。

Microsoftの本気

代表的な製品がMicrosoftの『HoloLens』だ。

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HoloLensは3D画像を現実の画像にオーバーレイできるので、ARの枠を出てMR(Mixed Reality.複合現実)の領域に踏み込んでいる製品ではあるが、現実の映像に情報を付加する構図はARもMRも変わらない。

Microsoftは米国以外でも日本でも開発者版を販売するなど、この分野に本気で取り組んでいる。

製品を見てもわかるとおり、HoloLensはかなり大仰である。これを装着して街を歩くシーンはちょっと想像できない。現にMicrosoftのPRビデオでも室内や研究室の使用ばかりだ。

映像に情報をリアルタイムに付加するだけなら、ここまで大げさな装置は必要ないはずだが、MicrosoftがHoloLens路線を選択したのは、過去の失敗の教訓があるからだ。

 

Google Glassはどこへいった?

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過去の失敗とはGoogle Glassだ。2013年に開発者向けに発売されたGoogle Glassは、眼鏡越しに見える現実に情報を付加して表示するAR端末だった。当初未来のデバイスだともてはやされたが、2015年にGoogleは一般販売を中止し、それ以降目立った発表はない。

HoloLensと比べるとよくわかるが、普通のメガネに近い外観はウェアラブル端末の本命と目され、(少なくても米国では)一般社会にも馴染むと考えられていた。

ところが、相手の知らないうちに隠し撮りができる機能や、なにより見た目が怪しいとアメリカでも敬遠されてしまった(個人的には他人の姿についてアメリカ人がそこまで気にするのは意外だった。オタクとみられるのが嫌だったのか)。

Google Glassの失敗を見て、他人とコミュニケーションする場でのメガネ型端末は成功しないとMicrosoftは判断したのだろう。VR端末と同様に、自宅や端末の使用が前提の限定されたエリアでの使用をMicrosoftはHoloLensで目指していると思われる。

 

目がだめなら、耳がある

目の近くにある機器を人が嫌悪するのは、会話するとき人の目を見るからかもしれない。口ほどにものを言う目に奇妙な機械がついていたら不審がって、腹を割って話しづらい。

他に機械をつけて怪しまれない五感といえば耳だ。最初は気味悪がられたウォークマン時代のイヤホン通話のための片耳ヘッドセットも、最近では認知度が進んできた。目がだめなら耳から音声情報を取り入れたらどうだろう。正面から来る人を内蔵カメラが認識し名前を教えてくれたり、店の前を通りかかったらバーゲンしていると教えてくれたら便利ではないだろうか。

下に突き出ているAirPodsの形状は変だと揶揄されたが、将来カメラを内蔵するためにわざとあんな形にAppleは作ったのかもしれない。イヤホンの形状でマイクを内蔵している製品はあるので、マイクのためだけだったら、突き出た部分は不要だろう。ARに使用するカメラを搭載するために、今からこの形に馴染んでおけとAppleは私たちに囁いている(?)。

 

覚える作業はコンピューターに任せて人は考える作業に自分の能力を使いたい。コンピューターは無尽蔵に記憶できるが、検索語句を入力して記憶を引き出すのは人間の役目だ。ARなら映像やGPS情報をもとに自動で最適な情報を抽出して表示できる。人の能力の拡張のためにARの進化に期待したい。