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「第12回ポプラ社小説新人賞」奨励賞受賞作の「夏のピルグリム」を7月18日に刊行

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サイバーエージェント決算。ABEMAはついに金脈「WINTICKET」を掘り当てた

サイバーエージェント決算

サイバーエージェントが2021年度通期の決算を発表した。2021年通期の売上高が前年比プラス39.3%、営業利益が前年比の3.1倍の1,043億円と絶好調の決算となった。

ABEMAを中心にサイバーエージェントの決算の内容を見ていきます。

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「ウマ娘」の貢献はいつまで続く?

過去最高の売上に一番貢献したのは、「ウマ娘」が大ヒットしたゲーム事業だ。ゲーム事業の売上は倍増した。

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ただ、直近のQ4は前期よりも売上が落ちていて、一本調子で伸び続けているわけではなく、成長の限界点に達したようにも見える。このまま高次元の売上で安定するのか、このまま下降するのか次期決算で確認したい。

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ABEMAが見つけた金脈

ABEMAを含むメディア事業のQ4の売上は過去最高だった。赤字幅も縮小している。一番伸びたのは、公営ギャンブルのネット投票「WINTICKET」だ。

ABEMAの番組を観ながら、ネット投票できる「WINTICKET」はこのところずっと成長を続けている。ギャンブルの中継を地上波で流し続けることは不可能だし、ネット投票とインターネットテレビ「ABEMA」の親和性は非常に高い。

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競輪インターネット投票市場全体も成長していて、その中の「WINTICKET」のシェアも増えている。地方ギャンブルが地方行政を圧迫していたのは過去の話で、ネット投票と巣篭もり消費のおかげで、地方ギャンブルは活況を呈している。

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一時期、ABEMAが赤字脱却するための切り札と期待されていた月額課金の「ABEMAプレムアム」は伸び悩んでいる。サイバーエージェントが得意としている広告事業もあまり伸びていない。

サイバーエージェントも「WINTICKET」がメディア事業の主軸になると確信してきているのだろう。

下のスライドはメディア事業の中長期の売上イメージだ。左が前期Q3のスライド、右が今期のスライド。比べるとわかるが、広告収入と課金収入の伸びは縮小し、周辺ビジネス収入が大きく伸びている。

ここ数年ABEMAは有料会員を増やすために、ABEMAプレミアム専用の番組を多く用意したり、過去番組の視聴を有料会員限定にしてきたが、会員数はサイバーエージェントが思うように伸びてこなかった。

有料会員の売り上げを大きく上回るのが、「WINTICKET」だ。やっぱりギャンブルは強い。ABEMAも番組作りを工夫していて、ただのレース中継ではなくタレントを多く使い中継番組をエンターテイメント化している。

公営ギャンブルのネット投票の成功は、ABEMAのライブ感、地上波テレビを元にした番組づくり、ネットとの親和性が見事に結実した結果だ。

ついにABEMAは金脈を掘り当てたようだ。

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左が前期のスライド、右側の今期のスライド

赤字解消も近い?

「WINTICKET」のヒットにより、ABEMAの赤字は減少している。よくABEMAの赤字が問題になるが、メディア事業だけで約450億円の売上があるので、番組内容を少し縮小すれば容易に黒字化できる。

ゲーム事業と広告事業が好調なら、ABEMAが赤字でもサイバーエージェント全体では黒字なので、ABEMAを早急に黒字化する必要はない。黒字を増やせば、支払わなけれならない法人税も増える。税金を払うようりも、多くの番組を制作しストックしておけば、有料会員を集めることができるし、将来番組を販売することもできる。

穿った見方をすれば、番組をたくさん作ってABEMAをわざと赤字のままにしていると言える。

懸念があるとすれば、「WINTICKET」の勢いがいつまで続くかだが、ギャンブルというのは依存性が非常に強いので、巣ごもり消費も手伝ってまだ成長しそうだ。

ただ、公営ギャンブルは行政のコントロール化にある。ネット投票によりギャンブル依存症が増えるなどの社会問題に発展すれば、ネット投票自体が規制される可能性はある。

とは言っても、コロナ禍でJRAなど公営ギャンブルもネット投票に軸足を置いているので、ブレーキを踏みたくないのが本音だろう。

しばらくは公営ギャンブルのネット投票を軸にABEMAは成長を続ける可能性が高い。

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