Apple Watch Proが登場?
9月のイベントで、Apple Watchの上位版「Apple Watch Pro」が発表されるという噂がある。Apple Watch Proは、デザインが変更されてケースが頑丈になり、バッテリーを増量したタフネス仕様になるといわれている。登山やアスリート向けになるらしい。
内容もわからないし、発表されるかどうかもわからないのに、説明するのもなんだけど、アスリート向けApple Watch ProはApple Watchの歴史を表しているような気がする。
ラグジュアリー路線だったApple Watch
初期のApple Watchは高級路線だった。高級腕時計の市場規模は大きく、利益率も高い。Apple Watchはその市場を奪うために、高価格帯のApple Watch Edtionを提供していた。初期のApple Watch Editionのケースは18金を採用し、100万円以上もするモデルも存在した。
だが、高級腕時計の市場を奪うAppleの思惑どおりにはいかなかった。ITデバイスであるApple Watchは従来の高級腕時計と異なり、陳腐化が早い。毎年モデルチェンジするので、100万円で買ってもすぐに性能が衰えてしまうので、長く使えない。
Apple Watchで最も売れたのは、一番安いアルミニウムモデルだった。今もApple Watch Editionはあるが、ただ高級なだけではなく、軽量なチタニウムを用いて機能性をアピールできる仕様になっていて、100万円もしない。
ヘルスケア路線に転換
ラグジュアリー路線が主力にならなかったApple Watchは、ヘルスケア路線に転換していく。初代からワークアウト機能はあったが、運動するだけではなく、基礎的な健康を測定できる機能が次々と追加されていった。心拍数測定、転倒検知、血中酸素測定など、「健康」というのがApple Watchのキーワードとなった。この路線はユーザーに好評だった。
成人病が多く、高齢者の親と同居する習慣がないアメリカ人にとって、Apple Wathは健康維持だけではなく、生命を守るデバイスとして従来のAppleユーザーとは異なる客層にもアプローチできた。
アスリート特化型へ
ヘルスケア路線が成功した延長線上に、アスリート特化型「Apple Watch Pro」があると思われる。新しいOS「watchOS 9」にはワークアウト機能を拡張する新要素が盛りだくさんだ。特にランニングに利用できる新機能が多い。
新機能を十全に活用するためにも「Apple Watch Pro」を開発したのではないか。OSとハードウェアの両方を開発できるAppleの強みが大いに生かされた結果だと思われる。