「LinkBuds S」登場
ソニーが新しいワイヤレスイヤホン「LinkBuds S」を発表した。耳の穴をふさがない形状が独特だったLinkBudsとは異なり、耳の穴はふさがる普通のイヤホンの形状になった。その代わりにノイズキャンセリング機能を搭載した。
LinkBudsとLinkBuds Sを徹底比較してみます。
- 「LinkBuds S」登場
- ドライバーユニット
- チップ
- 装着感
- バッテリー駆動時間
- 耐汗耐水性能
- ノイズキャンセリング
- 空間オーディオ
- センサー
- 操作性
- アダプティブサウンドコントロール
- 充電ケース
- マイク
- 対応コーデック
- サイズと重量
- 価格
- 気軽に使えるワイヤレスイヤホン
ドライバーユニット
- LinkBuds・・・12mmリング型ドライバーユニット
- LinkBuds S・・・5mmドライバーユニット
LinkBudsは穴が空いているので、ドライバーユニットは大きいが、LinkBuds Sと音の迫力はそれほど変わらないと思われる。似た形状をしているWF-1000XM4は6mmのドライバーユニットを内蔵しているので、LinkBuds SはWF-1000XM4よりやや控えめの迫力だと想像できる。
チップ
- LinkBuds・・・統合プロセッサーV1
- LinkBuds S・・・統合プロセッサーV1
チップは同じ「統合プロセッサーV1」を搭載している。ちなみに、WF-1000XM4も同じチップだ。
装着感
LinkBuds Sは、LinkBudsとは違い耳の穴に差し込む形状をしている。WF-1000XM4に似た形状をしていルガ、厚みがないので耳から飛び出す部分はない。
WF-1000XM4よりもLinkBuds Sは軽量なので、イヤホンを装着している感触はかなり軽減されそうだ。
バッテリー駆動時間
- LinkBuds・・・イヤホン5.5時間 + ケース12時間
- LinkBuds S・・・イヤホン6時間 + ケース14時間
LinkBuds Sは、LinkBudsよりもバッテリー持続時間がわずかに長い。5分充電で60分再生できる急速充電に対応している。6時間使えれば、バッテリーで困ることは少ないだろうし、バッテリーが無くなってもケースに戻せばまたすぐに使えるようになる。
耐汗耐水性能
- LinkBuds・・・IPX4相当
- LinkBuds S・・・IPX4相当
耐汗耐水性能はLinkBudsと同等。雨でも汗でも問題なく使用できそうだ。
ノイズキャンセリング
- LinkBuds・・・なし
- LinkBuds S・・・あり
ノイズキャンセリング機能は、LinkBuds Sの最も大きな特徴だ。耳に圧迫感がないのがLinkBudsの特徴だったが、耳の穴があいているのでノイズキャンセリング機能はなく、外部音は盛大に入ってくる。
LinkBuds Sにはノイズキャンセリング機能があり、2つのセンサーで逆位相の音を生成し騒音を排除する。ノイズキャンセリングの性能は、WF-1000XM4の前モデルであるWF-1000XM3と同等だそうだ。同じチップを用いているのにWF-1000XM4と性能が異なるのはイヤーピースなどに違いがあるからのようだ。
空間オーディオ
- LinkBuds・・・360 Reality Audio認定モデル
- LinkBuds S・・・360 Reality Audio認定モデル
両モデルともソニーが推進している360 Reality Audioに対応している。同じチップを採用しているので、同性能だと思われる。
センサー
- LinkBuds・・・タッチセンサー
- LinkBuds S・・・タッチセンサー
両モデルともタッチセンサーを採用していて、イヤホンを外すと音楽を一時停止することができる。イヤホンの近くをタップしても反応する機能がLinkBudsにはあったが、LinkBuds Sにはその記載がないので非対応なのだろう。通常のワイヤレスイヤホンと似た形状をしているので、LinkBuds Sはイヤホン本体をタップするのは容易だろう。
操作性
- LinkBuds・・・ワイドエリアタップ
- LinkBuds S・・・イヤホンをタップ
LinkBudsは、イヤホン近くの耳をタップしても操作できるワイドエリアタップに対応している。LinkBudsは形状が小さいので、イヤホン本体をタップするのが難しいので開発された機能だと思う。LinkBuds Sに記載がないので非対応だと思われる。
アダプティブサウンドコントロール
- LinkBuds・・・ノイズによって音量を変更
- LinkBuds S・・・場所によってノイズキャンセリングをオン・オフ
ノイズキャンセリング機能がないLinkBudsは環境ノイズによってボリュームが上下するが、LinkBuds Sでは、ノイズキャンセリングと外音取り込み設定、イコライザー設定が切り替わる。外音取り込みも20段階で設定できるので、状況に合わせて調整しやすい。
充電ケース
- LinkBuds・・・ワイヤレス充電非対応
- LinkBuds S・・・ワイヤレス充電非対応
両モデルともワイヤレス充電に非対応だ。
マイク
- LinkBuds・・・AI技術を活用した高精度ボイスピックアップテクノロジー
- LinkBuds S・・・AI技術を活用した高精度ボイスピックアップテクノロジー
両モデルとも同じ記述なので、性能も同じと思われる。
高度な音声信号処理を行う高精度ボイスピックアップテクノロジーにより、高い通話品質を実現。5億サンプルを超えるAIの機械学習で構成された装着者の声とそれ以外の環境ノイズを分離するアルゴリズムによって周囲の環境ノイズを抑え、騒がしい場所でもあなたの声をクリアに抽出します。
対応コーデック
- WF-1000XM4・・・SBC, AAC, LDAC
- LinkBuds S・・・SBC, AAC, LDAC
対応コーデックは、全く同じだ。LDACはソニーが開発したハイレゾ音源を伝送する技術だ。兄弟機であるLinkBudsは非対応なので、LinkBudsとの差別化にはなっている。
サイズと重量
LinkBudsの特徴の一つは「軽い」ということだが、LinkBuds Sもその特徴を踏襲している。
イヤホンの重量は LinkBudsが約4.1gなのに対して、LinkBuds Sは約4.8gと大きくは変わらない。0.7gの違いでノイズキャンセリング機能を利用できるなら、LinkBuds Sを選択する人も多そうだ。AirPods Proのイヤホンは約5.4gなので、それよりも軽い。ノイズキャンセリング性能つきイヤホンでは最軽量だそうだ。
LinkBudsのケースは河原にある小石みたいな独特な形状をしていたが、LinkBuds Sは自立できて、WF-1000XM4に似た形状をしている。LinkBuds Sのケースは蓋を開けると、イヤホンが露出していて取り出しやすそうだ。
ケースの重さは、LinkBudsが約33gに対して、LinkBuds Sは約35gなのでほとんど変わらない。
価格
- LinkBuds・・・23,100円
- LinkBuds S・・・26,400円
ソニーストアの販売価格では、LinkBuds Sの方が3,300円高い。両モデルの大きな違いは、ノイズキャンセリング機能なので、この機能に約3,000円が払えるかどうかがモデル選択の分かれ目になりそうだ。
気軽に使えるワイヤレスイヤホン
LinkBuds Sは、LinkBudsの軽くて安価な特徴を活かしながら、ノイズキャンセリングを搭載したイヤホンだ。イヤホンは耳の穴をふさぐ形状に変わり、ノイズキャンセリング機能を内蔵したので、性能としてはWF-1000XM4に近い。ポジション的には、LinkBudsとWF-1000XM4の中間にあたり、軽量版WF-1000XM4ともいえる。
WF-1000XM4より劣る主な部分は、ケースのワイヤレス充電とバッテリー性能だ。ノイズキャンセリングも弱いという話もあるので、どの程度の違いがあるか実機で試したいところ。
WF-1000XM4とLinkBuds Sの価格差は6,000円以上ある(実勢価格では差が縮まるが)。次期モデルの噂もあるので、今購入するなら軽量なLinkBuds Sをお薦めしたい。