AirPods Proとワイヤレスイヤホンの雄QC30
Appleブランド初のノイズキャンセリング付きのワイヤレスイヤホンとしてAirPods Proは発売以来大人気で、どこも品切れのようだ。
AirPods Proの登場以前では、ソニーの「WF-1000XM3」かBOSEの製品がノイズキャンセリングイヤホンのスタンダードだった。
ソニーの「WF-1000XM3」とは比較したので、今度はBOSEの「Bose QuietControl 30 wireless headphone」(以下、QC30)と比較します。
- AirPods Proとワイヤレスイヤホンの雄QC30
- 形状
- ノイズキャンセリング
- 外部音取り込み
- 操作性
- イヤーチップ
- バッテリー性能
- ワイヤレス充電機能
- 耐水性能
- マルチポイント
- 音楽の共有
- 音声ガイダンス
- スタンバイタイマー
- 価格
- まとめ:AirPods Proの4勝4敗4引き分け
形状
QC30は首にバッテリー部分を巻くネックバンド型だ。完全ワイヤレスイヤホンであるAirPods Proと形状はおおきく異なり、首の上に常に何かが載っているので気になるし、人によっては肩が凝る。
持ち運ぶのも、AirPods Proの方が可搬性に優れている。ソニーのネックバンドのように両端をマグネットでくっつけることもできないので、付属のケースもかなり大きい。
ただ、ネックバンドのメリットもある。耳から外してもイヤホンが落ちないのだ。当たり前だが、AirPods Proのイヤホンは耳から外したら、指で持ち続けるかポケットにしまう必要がある。もっとも、AirPods Proは外部音取り込みが優れているので、モードを切り替えれば、イヤホンを外さなくても済む事が多いけど。
- 形状:AirPods Pro
ノイズキャンセリング
どちらのノイズキャンセリング性能が優れているか、議論が最も分かれるところだろう。筆者が試した感じでは、空調の音など日常のノイズはQC30の方が少しだけきれいに消してくれるように感じる。
ただ、大きく異なるのは風切り音だ。屋外やランニング中だと、吹きつける風の音をQC30は消すことができないが、AirPods Proはよっぽどの強風以外はきれいに消去してくれる。
この違いも両モデルの使い方による違いが大きい。小型のAirPods Proはワークアウトに向いているので、風切り音を消してくれるのありがたいが、ネックバンド型のQC30は屋内で使うことが多いだろうから、空調音を消してくれるとストレスが少ない。
- ノイズキャンセリング:互角
外部音取り込み
AirPods Proはイヤホンを長く摘むと外部音取り込みモードに切りかえることができる。それ以外にもSirやiPhoneでの操作など多くの方法で切り替えができる。
QC30は、ネックバンドのコントローラーでノイズキャンセリングのレベルを調整できるが、スイッチが押しづらく、ノイズキャンセリングをゼロにするためには長い間押し続けないといけない。
ノイズキャンセリングのレベルを調整しやすいのはQC30だが、日常の使用でノイズキャンセリングのレベルを調整するよりも、ゼロか100%のいずれかに変更する機会の方が多いと思う。
- ノイズキャンセリング:AirPods Pro
操作性
AirPods Proはイヤホンをつまんで、QC 30はイヤホンのコントローラーで、操作できる。一回押して再生、2回押して曲のスキップなどの操作は、AirPods ProもQC30も変わらない。長押しだと、AirPods Proはノイズキャンセリングと外部音取り込みの変更、QC30はSiriが起動する(iPhoneでの使用時)。
非常によく似た操作性の両モデルだが、QC30はイヤホンのコントローラーでボリュームを調整できる。AirPods Proは「Hey、Siri」と音声で命令するしかない。
音声で手を触れずに操作できるのも便利だが、ボリュームぐらいは手元で確実に変更したい。
- 操作性:QC30
イヤーチップ
AirPods ProもQC30もS・M・Lの3サイズのイヤーチップを用意している。QC30のイヤーチップは耳から落ちないようにスタビライザーがついている。
スタビライザーがついているQC30は、イヤーチップを耳に押し込むように装着するのに対して、AirPods Proは耳につける感じで装着する。
これは好みと耳の形状によって判断がわかれると思う。
- イヤーチップ:互角
バッテリー性能
AirPods Proは、イヤホンだけで最大4.5時間、ケースを含めて24時間使用できる。QC30のバッテリー持続時間は最大10時間。バックバンド部分にバッテリーが内蔵しているので、長く使用できる。10時間使い続ける前に耳が痛くなりそうだが。
AirPods Proの急速充電は5分間の充電で1時間再生できるので、バッテリーがなくなっても、ちょい充電で再び使える。QC30は完全充電に3時間かかる。
どちらを使っても、バッテリーをあまり気にせず使用できる。
- バッテリー性能:互角
ワイヤレス充電機能
AirPods Proはワイヤレス充電に対応しているが、QC30は未対応。QC30はMicro USBで充電できる。マグネット充電を使えば、ワイヤレス充電っぽく使うことはできるが、標準でワイヤレス充電できるAirPods Proが優位だ。
- ワイヤレス充電性能:AirPods Pro
耐水性能
AirPods ProはIPX4相当の耐水性能を備える。WF-1000XM3に耐水性能はない。もっともネックバンド型のQC30は雨中や風呂の中で使う人は少ないそうだが。
- 耐水性能:AirPods Pro
マルチポイント
AirPods Proは同じiCloudアカウントでログインしているデバイス同士なら、1タップ・1クリックで切り替えることができる。
QC30は2つのデバイスまで同時に接続できる。たとえばiPhoneとMacに接続していて、どちらかのデバイスで音楽を再生したら、その音を自動的に出力してくれて、デバイスを切り替える必要がない。これが非常に便利だ。マルチポイント機能が使えるワイヤレスイヤホンは、知る限りQC30しかない。
- マルチポイント:QC30
音楽の共有
AirPodsシリーズは、iOS 13から音楽の共有ができるようになったが、QC30もBoseのヘッドフォンと音楽の共有が可能。
- 音楽の共有:互角
音声ガイダンス
雪辱状態を音声で教えてくれる機能がQC30にはある。わかりやすい。音楽を聴いていると邪魔なときもあるが、オフにもできる。AirPods Proには音声ガイダンス機能はなく電信音で状態をおしえてくれる。
- 音声ガイダンス:QC30
スタンバイタイマー
QC30にはスタンバイタイマーがある。無音状態が設定時間続くと、自動的に電源オフになる。AirPods Proにはそのような機能はない。
- スタンバイタイマー:QC30
価格
AirPods Proの定価は27,800円、QC30は35,200円。AirPods Proの方が7,400円安い。
- 価格:AirPods Pro
まとめ:AirPods Proの4勝4敗4引き分け
- 形状:AirPods Pro
- ノイズキャンセリング:互角
- 操作性:QC30
- イヤーチップ:互角
- バッテリー性能:互角
- ワイヤレス充電性能:AirPods Pro
- 耐水性能:AirPods Pro
- マルチポイント:QC30
- 音楽の共有:互角
- 音声ガイダンス:QC30
- スタンバイタイマー:QC30
- 価格:AirPods Pro
AirPods ProとQC30双方に様々な機能があり、引き分けとなった。
それぞれに特徴があり、AirPods Proは完全ワイヤレスイヤホン、QC30はネックバンド型と形状が大きく異なり、そもそも比較するのが間違っているかもしれない。
どちらを選ぶかは、どちらの形状を好むかによって異なる。
ランニングなどワークアウトで使うならAirPods Proだし、長時間のデスクワークで使うならバッテリー持続時間が長いQC30を選ぶ選択肢も出てくる。
ノイズキャンセリング機能は甲乙つけがたいので、両モデルの特徴で選ぶのも良い。AirPods Proは耐水性能とワイヤレス充電。ワイヤレス充電器があるなら、ケーブルレスで充電できる。
QC30はマルチポイント。PCとスマホ両方で使う人は、操作することなくデバイスを切り替えることができる。
来年Boseもノイズキャンセリング対応の完全ワイヤレスイヤホンを発売すると公表している。QC30を今買うと、来年、より進化した製品が出て悔しい思いをする可能性はある。
今買うなら、発売したばかりで、QC30より安価なAirPods Proを買うと後悔はしないと思う。