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楽天モバイルが0円プランを廃止した理由。移行するベストプランはpovo? IIJmio?

楽天モバイルが新プランを発表

楽天モバイルは新プラン「Rakuten U N-LIMIT Ⅶ」を発表した。最大の変更は1GB未満0円の廃止だ。今後は0GBから3GBまでは、0円から月額1,078円となる。

これで0円での運用はできなくなる。楽天モバイルが0円プランを廃止する理由と、ユーザーが乗り換えるべきプランを考えます。

廃止の理由は「電気通信事業法」に抵触するから?

0円プラン廃止は、新規ユーザーだけではなく、既存ユーザーも新プランへ強制的に移行させられることが問題になっている。他のキャリアだと新プランができても既存プランを使い続けることができる場合がほとんどだ。

ところが楽天モバイルの場合は、それができない。強制的に新しいプランへ移行されてしまう。なぜ0円プランが継続できないのか? という問いに対して、三木谷会長は「既存のユーザーさんには当面このまま使っていただくというのが我々の案だったが、『既存のユーザーをキープしたまま新プランを出す』というのが電気通信事業法上でダメだということがわかった」と回答した。

電気通信事業法第22条の2の17第6号にある「契約を一定期間締結した顧客への減免の一年当たりの利益額が一月当たりの料金を超えてはならない」に抵触すると楽天は説明している。

「一定期間契約した顧客」(既存ユーザー)に0円プランを継続すれば、既存ユーザーが受ける利益の一年間分(1GB未満で運用したら月額1,078円の12ヶ月分)を新規ユーザーの一月当たりの料金(税込1,078円)を当然超えてしまう。これが楽天の解釈ではこれが法律に抵触するということらしい。

だが、電気通信事業法のこの条項は、「既存ユーザーを囲い込むために大幅な割引をする行為」を想定していると思われる。今回の楽天モバイルの場合は、既存プランを継続であり、新たな減免措置を実施するわけではない。これが法に抵触するかはちょっと疑問だ(この法律にあまり詳しくないのでわからないところもあるが)。

本当の理由は、大幅な赤字だろう。楽天モバイルの売上は前年同期比プラス16%と増えたが、営業損失は4163億円と過去最大で前年同期比より赤字幅は2倍になっている。

これは楽天グループ全体の経営を揺るがすほどの赤字額だ。ユーザーを増やすために続けてきた0円プランだが膨大な赤字で辞めざるを得なかったというのが正直なところだろう。

三木谷会長も最初は電気通信事業法を理由にしていたが、改めて0円プランの廃止は経営方針を変えた結果かという問いに、「ぶっちゃけそういうこと。まあ、お金を0円でずっと使われても困っちゃう、というのがぶっちゃけな話かな。すごく正直に言って」と返答している。

赤字を減らすために、売上にならない0円プランユーザーはお荷物になったのだろう。

ベストな移行先は?

楽天モバイルのプラン変更により、0円で運用していたいユーザーは変更を迫られることになる。1GB未満で運用のユーザー以外の支払額は変更されないので、楽天モバイルが気に入っている人は変更の必要がない。

では、0円ユーザーはどうすれば良いのか。楽天モバイルの今までのメリットは、Rakuten Linkを用いた通話無料と1GB未満無料だ。

  • 無料の契約維持

  • Rakuten Linkでの通話無料

  • 1GB未満無料

これらを完璧にカバーできる他社のプランはない。0円ということだとKDDIのpovo 2.0が近い。ただ、povo 2.0は通信はできないし、通話も有料だ。

0円で契約維持したいだけならpovoは当面の退避場所にはなる。ただ、povoは半年に1回はトッピングと言われる有料サービスを購入しないと0円にならない。

通話無料も存在しない。povo 2.0のトッピングだと「月額1,650円」にもなる。

MVNOでも、通話無料のプランは存在せず、通話時間を気にしないプランだと月額1,500円前後はかかってしまう。どうやら通話無料は諦めるしかなさそうだ。

多くの人が利用する通信は、価格だけを考えるなら、MVNOが安い。

ただ、楽天モバイルを主回線で使っていると、MNP先の回線では音声もSMSも使えないと都合が悪い。格安プランの定番であるIIJmioのギガプランはeSIMなら2GB月額440円で運用できるが、音声プランだと2GBで月額850円になってしまう。

1GBに使用限定するなら、HISモバイルの1GBプランなら月額590円になる。

ただ、やはり楽天モバイルの0円には及ばない。

楽天モバイルはどうなる?

楽天モバイルの1GB無料はポイント還元などのキャンペーンを実施し、10月末までは実質無料で運用できる。1GB未満で運用しているユーザーはその前に移行するのが望ましい。

ただ、楽天モバイルに残るのも選択肢の一つだ。電話を月額1,078円以上使う人は、Rakuten Linkでかけるなら通話無料の楽天モバイルにとどまる方が安い。通話無料のプランが他社にはないからだ。ただ、Rakuten Linkでの通話料無料がいつまで続くのか言及されていない。今回の0円プランと同様にいつ廃止になるかわからない。通話料はキャリアにとってドル箱なので、楽天モバイルとしても赤字解消のために通話料無料は辞めたいところだ。

ユーザーは現行プランが気に入らなければ、他のプランに移行すればいいだけが、楽天モバイルはどうなるだろう。0円のユーザーがいなくなっても売上に影響はなさそうだが、今まで楽天はたとえ0円でもユーザーが増えれば楽天エコシステム内で利益が生まれると主張していた。

だが、0円プランがなくなったことで、かなりのユーザーが楽天モバイルを去るだろう。他社の統計では1GB未満の利用者は約3割いる。3GB1,078円は他社と比べて決して安価ではない。無制限での月額3,278円は引き続きリーズナブルだが、今回のように楽天の経営にとって都合が悪いプランは改悪されてしまうと、無制限での使用もいつまでできるかわからない。

また、楽天モバイルの回線品質は大手3社に比べて劣っている。繋がりづらくても、回線品質が安いから楽天モバイルを使っていた人は、これをきっかけに離れていく可能性が高い。今回、4月と10月にau回線へのローミングを減らすと明言しているので、地域によってはさらに繋がらなくなる。

価格競争力が弱まった楽天モバイルを使い続けるユーザーがどこまでいるかは未知数だ。

楽天もユーザー数の減少は承知の上での今回の変更だろう。そのリスクを抱えることになっても、0円プランをやめないといけないほど楽天は追い詰められている。なんと言っても営業損失は4000億円あり、売上が2000億円程度なので、売上を3倍にしないとペイしない。ステイクホルダーからのプレッシャーも相当ないものだろう。

追い詰められて行った今回のプラン改悪で本当に売上が伸びるかはわからない。

プラン改悪でネットを中心に批判が相次いでいる。今回の発表で、楽天モバイルへの風当たりは強くなり、ユーザーの信頼が失墜したのは間違いない。

この逆境に耐えられるか、今後の楽天モバイルの業績の推移に注目したい。

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