7.8%が楽天モバイルユーザー
MMD研究所の「2021年12月通信サービスの利用動向調査」で、携帯電話ユーザーの7.8%が楽天モバイルをメインで利用していることが明らかになった。
ドコモが30.9%、auが19.9%、ソフトバンクが12.5%のシェアだった。オンライン専門サービスであるahamoは4.3%、povoが1.8%、LINEMOが0.7%と合わせて6.8%で、楽天モバイルのシェアに満たない。
サービス開始1年半で7.8%のシェアの獲得はかなり善戦していると思う。さらに、注目はサブ利用のユーザーで、19.0%のユーザーが楽天モバイルをサブの回線として利用している。1GB未満の利用なら0円で通話無料の楽天モバイルは、サブ利用には最適なキャリアだ。格安SIMで売るMVNOよりもシェアを獲得しているのは驚きだ。
話題になったpovoはこの調査では1.8%とあまり大きく伸びていないが、基本料金無料であるpovo 2.0が今後どれだけユーザーを獲得するかが注目だ。
引用: MMD研究所
顧客満足度で1位の楽天モバイル
オリコン調べの「携帯キャリア 総合ランキング」で楽天モバイルが1位になった。わかりやすいワンプランが好評で、料金プランでは楽天モバイルがトップ、それ以外にも「加入手続き」「初期設定のしやすさ」でも1位を獲得している。
「繋がりやすさ」では最下位だが、その他の項目でカバーしている。
楽天モバイルのわかりやすいワンプラン、1GB未満無料、定額制使い放題がユーザーに受け入れられているようだ。
問われるMVNOの存在意義
順調にシェアを伸ばしている楽天モバイルの一方で、MVNOのシェアの低減傾向は止まらない。全社合わせて10%未満のシェアというのは各社かなり厳しい経営になっていると思われる。
最近、MVNOから目立った新サービスが発表されていない。値下げやキャンペーンを行う余裕がないと思われる。
1GB未満は無料の楽天モバイルにかなう価格のMVNOは存在しないし、それ以上のデータ容量ではahamoやpovoなど3大キャリアの新サービスが加入しやすい。
低価格路線だけでは、MVNOが生き残る道はかなり険しそうだ。
それでも赤字の楽天モバイル
シェアは伸びているが、楽天モバイルは巨額の赤字を計上し続けている。ネットワーク増強のための設備投資費が嵩んでいるのが原因だ。
楽天の発表では、楽天モバイルのMNO契約数は411万人を超えているが、Q3の決算ではモバイル部門だけで百億円の損失を計上している。
人口カバー率が96%以上に達するためにイニシャルコストが必要なのはわかるが、どれだけのシェアを獲得すれば、黒字になるのか心配になる。
最低でもソフトバンクのシェアに近づく10%以上のシェアは必要だろう。このままのペースなら1年以内には2桁シェアに達するが、基本料無料の楽天モバイル対抗の「povo 2.0」が伸びてくると、雲行きが怪しくなってくる。巨額の赤字決算が続くと、楽天グループ全体の存亡にも関わってくる。楽天モバイルにとってこの1年が勝負だろう。
楽天モバイルとは離れるが、楽天モバイル、ahamo、povoが始まっても、3大キャリアのシェアは60%以上ある。サービスを変更すれば利用料金は確実に減るのに、どんなに政府が値下げの圧力を掛けても変えない人は変えないんだなと思います。