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「Ork(オーク)」シリーズの3作品を解説します

「Ork」シリーズ

筆者の最新作「ニューバースの夜明け」は過去作「Ork -2006-」「箱の中の優しい世界」と連続した世界が舞台です。

物語としてはそれぞれ完結していて続編ではないのですが、過去作の登場人物が再度登場しています。

このシリーズはテクノロジーが物語の中心にあります。物語中でも最新テクノロジーについて説明していますが、読みやすいように、この記事でも簡単にご説明したいと思います。

現在「ニューバースの夜明け」は期間限定で無料配信をしています。ぜひこの機会にダウンロードしてみてください。

Ork(オーク) -2006-

シリーズの初期作「Ork -2006-」の舞台はタイトルにもあるとおり2006年です。まだスマホがなかった、この時期の最新テクノロジーはP2Pでした。記憶容量の大容量化が進み、大量の音楽や動画をローカルに保存できるようになりました。ただ、コンテンツはコンテンツホルダーであるレコード会社や映画会社が保有していて、高い価格で販売し、著作権保護も厳しく、ユーザーは自由にコンテンツを扱えませんでした。

そんな状況に生まれたのが、P2Pでした。企業を経由せずに、個人と個人が情報やコンテンツを直接やり取りするP2Pは、画期的なシステムで若者を中心に広まっていきました。中でも金子勇さんが製作したWinnyは匿名の相手とコンテンツをやり取りするシステムで大人気を博しました。

「Ork -2006-」では、サクラダというエンジニアが謎の失踪を遂げます。主人公の佐野渉(さの わたる)は外資系テクノロジー企業の社員で、上司だったサクラダを会社命令で探すことになります。サクラダはコンテンツを自由にやり取りする「Ork(オーク)」を開発し、全世界に拡散させます。新しいテクノロジーである「Ork」を手に入れようと暗躍する人々。このOrkのモデルはWinnyなどのP2Pソフトです。

この時代は、OSを開発する企業が力を持っていて、サクラダと佐野も外資系のOS開発企業に所属していました。

箱の中の優しい世界

箱の中の優しい世界」は「Ork」から10年後の世界が舞台です。

この時代はOS開発企業の力が落ちて、クラウドシステムが主流になっていました。各個人がデータを保存するのではなく、各ベンダーのサーバーにデータやシステムを格納するクラウドが登場したことにより、各企業がハードウェアを管理する必要がなくなりました。

一方で、Facebookなどのサービスを提供している企業が蓄積した個人情報をもとに広告を販売するなど、個人情報を集めた企業が力を得る時代となりました。

そこにサトシ・ナカモトが提唱したブロックチェーンが開発され、情報が一箇所に集める中央集権型から個人のシステムに情報を格納する分散型に転換していきます。

箱の中の優しい世界」では、主人公の佐野はミネルバ社でブロックチェーンをモデルにしたボックスチェーンを開発しています。

ところが、ボックスチェーンが完成した夜に趣味としていたランニング中、交通事故に遭い、3年間の昏睡状態に陥ります。覚醒すると、ボックスチェーンを使ったポリティカル・コレクトネス「PC」が世の中の言論を統制していました。動物園から動物が消え、美術館の裸婦像が撤去されていました。

ボックスチェーンはブロックチェーンとは違い、最初のデータが格納されたファーストボックスを動かしたり撤去したりできる欠陥がありました。そのファーストボックスの鍵を持っていると疑われた佐野は狙われることになります。

ニューバースの夜明け

ニューバースの夜明け」は「箱の中の優しい世界」の十数年後が舞台です。この時代では、パンデミックと不況により日本は衰退しています。先進国の座から転げ落ちそうになる国内経済を国債で必死に支えている悲惨な状態です。

テクノロジーでは、仮想空間メタバースが流行の兆しを見せていますが、日本企業が出る幕はなく、米中の企業が市場を占有しています。

「ニューバースの夜明け」の主人公は佐野ではなく、ふたりいます。

ひとりは二階堂。彼は日本のIT企業の孫会社でエンジニアとしてサーバーの保守・エンジニアをしています。ある日、客のサーバーにあるデータが凍結される事件が起きます。犯人から届いた脅迫文にはかつて伝説のエンジニアといわれたサクラダの名がありました。二階堂は脅迫事件の犯人の捜索を試みます。

もうひとりの主人公は狩山です。総務省出身の狩山は内閣官房補佐官として政権の中枢で働いています。官房副長官の長門よりメタバース内に電子政府を構築するプロジェクトを任せられます。

旧態依然とした日本企業に絶望した狩山に中国企業のCEOをしている大浦が接触します。大浦は、かつてミネルバ社で佐野と共にボックスチェーンを開発し、昏睡状態から目覚めた佐野からファーストボックスを奪おうとした男です。

サクラダは国民全員の個人情報を集めた国民データベースを凍結し、政府を恐喝します。

国民データベース凍結事件を解決するために、奔走する二階堂と狩山。ふたりを嘲笑うようにサクラダは新しいメタバース「ニューバース」の建設を表明します。

メタバースはまだ発展途上ですし、メタバース開発に社運を賭けたFacebook改めMetaは業績不振に陥っています。

本作ではメタバースが秘める可能性とメタバースが作る未来を提示しています。

一方で、バブル崩壊以降、世界の中心から脱落し、衰退の一途を辿る日本が、コロナのパンデミック以降、さらに苦境に陥る中、経済破綻と少子高齢化が現実に迫ってきています。そこから逃れるためにどうすれば良いか苦悩する狩山を通じて、現代の日本を描いています。

三作品の読み方

見てきたように、三作品の世界は繋がっています。一作ごとに物語は完結していますので、どれから読んでも楽しめますが、過去作のネタバレを含みますので、全作品を読むなら、最初の「Ork(オーク)-2006-」から読むと良いと思います。

過去のテクノロジーには興味がないという人は、最新作「ニューバースの夜明け」だけを読んで、興味が出てきたら過去作品を読むのが良いと思います。

Kindle Unlimitedユーザーなら全作品無料で読めますし、「ニューバースの夜明け」は期間限定で誰でも無料で読むことができます。

ぜひ、この機会にお試しください。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
Kindle Unlimited会員ならすべて無料、非会員の人にも0円からご用意していますので、お読みいただけると幸いです。感想もいただけたら感涙でございます。

Apple Watch Ultraのバンド「トレイルループ」の互換品レビュー

Apple Watch Ultraのバンド

Apple Watch Ultra発売と共に3種類の新しいバンドが発売された。スポーツループバンド好きなので、似た形状の「トレイルループ」が一番気になった。

スポーツループバンドと同じく無段階調整が可能で、布製なので軽量だ。オレンジのタグがついているのが、外しやすそう。

ただ、このトレイルループバンドは14,800円もする。いくらAppleブランドとはいえ、布のバンドにこれだけの金額を払うのはちょっと気が引ける。買って使わない可能性もあるし。

調べていたら、すでに互換バンドがAmazonで販売されていた。価格は1,500円から2,000円前後で、Apple純正の十分の一に近い。

まずは互換バンドで試してみて、良かったら純正バンドを買うのもありかと。

「トレイルループ」の互換バンドを購入したのでレビューします。

比べてみる

こんなパッケージ。箱に入っているApple純正よりシンプル。

上からNikeスポーツループバンド、互換トレイルループ、スポーツループバンド。長さはNikeスポーツループバンドと同じ。幅も全く同じ。

表面はこちら。純正と同じくブラックとグレイのラインが両端に入っている。腕に当たる部分がこちら。写真では分かりにくいが、他のループバンドより短い起毛で表面は滑らかだ。マジックテープではなく、フェルト生地みたいだ。

裏面はこちら。Nikeスポーツループバンドとよく似ている。純正のトレイルループバンドは、マジックテープを止める箇所が幅の広いのが4つだが、互換バンドは通常のループバンドと同じ5つ。

タグのアップ。Apple Watchのシンボルカラーと同じくオレンジ。タグが引っ張ると、バンドを簡単に外れる。

Apple Watchを装着する部分はチタニウムっぽい梨地だけど、本当のチタニウム製かは不明。

背面。バンドを密着させる部分は他のスポーツループバンドと変わらない。

先端のアップ。生地を折り返して止めてある。

重さは12.5g。Nikeスポーツループバンドが9.0gなので、少しだけ重たい。

Apple Watch series 8 45mmに装着したのがこちら。留め金の色がブラックではないのでミッドナイトのケースより浮いている。

よく見るとわかるが、留め金の方がケースより大きくて、はみ出ている(写真では右側)。動かすと左右に少しだけ揺れる。純正と全く同じかどうかわからないが、Apple Watchではなく、Apple Watch Ultraにサイズを合わせているからだろう。

気持ちの良い触感

使ってみたところ、非常に気に入った。皮膚に触れる部分がとても柔らかくて気持ちが良い。他のスポーツループバンドは、皮膚に当たる部分がゴワゴワしていて皮膚にチクチク当たり、感触は全然違う。

Nikeスポーツループバンドよりも重いけど、バンドの中では軽量な部類に入る。ちょっとガタガタするけど、装着しているときは気にならない。

もう一つ良いのがタグの存在。取り外しやすいのも良いし、金属部分がないので、Apple Watchを装着してMacを触ってもカチカチしないのがとても良い。

趣味になるけど、黒とグレイのラインがなくシンプルなデザインの方が良いけど、これは純正も同じ。

非常にお買い得なバンドです。純正バンドの触感を試して、さらに上質なら買いたしても良いかと思います。

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AmazonがAlexa部門の人員を削減する理由

Amazonのリストラ

Amazonが約1万人の人員削減を計画しているという噂が流れている。対象にはAlexaの技術者が含まれているらしい。

どうしてAmazonはAlexa部門の技術者を削減する必要があるのか考えてみます。

市場を占有したAlexa

Alexaを搭載したスマートスピーカーは、ライバルのGoogleやAppleを押さえてトップシェアを占めている。

Alexaが売れたのは音声認識など高い性能も理由のひとつだが、最も大きな理由は「低価格」だと思う。Amazonはデバイスでの利益を度外視して、低価格でAlexa端末を販売してきた。過去のスマホで失敗した教訓を活かして、Amazonはスマートスピーカーには低価格戦略をとった。それがうまくはまった。

最初は一家に一台だったAlexa端末だが、最近では一部屋に一台置かれるようになり、販売台数を伸ばしてきた。

Amazonが採算を度外視してAlexa端末を販売してきた理由は、なんだろう。もっとも大きな理由は、通信販売の売上向上だと思う。

Alexaの真の目的

Amazonのビジネスは多岐にわたっているが、最も大きなビジネスは今でも通信販売だ。通販の手段はテレビと電話からPCと携帯電話へ移り、今はスマホが主流だ。

Amazonはスマホ時代の到来を見越して、自社製のスマートフォンを製造販売したが、その試みは失敗した。独自性を打ち出すことができずに安く販売することができなかったのだ。

そこで、Amazonはスマートフォンを諦め、スマートスピーカー市場へ進出した。指で操作して注文するスマートフォンの次は音声での注文が流行すると考えたのだ。お年寄りには、指で端末を操作するよりも音声で操作する方が簡単だし、他の作業をしながら画面を見ずに操作できるスマートスピーカーが新たなプラットフォームになりえると判断した。

その想定のもとに、Amazonは安価にAlexa端末を売り捌いた。音声で天気やニュースを教えてくれたり、音楽を流すことができるアレクサ端末は大いにヒットした。

ここ数年はスピーカーだけではなく、ディスプレイを内蔵し、Amazon Videoと連動して動画を鑑賞できるようになった。

Alexa端末は、Amazon MusicやAmazon VideoなどAmazonのサービスを普及させるには有効だったが、肝心の通販にはあまり貢献できていない。

音声で買い物をするのは結構難しい。商品を画像で確認できないし、音声だけだと価格を認識するのも大変だ。ディスプレイ内蔵のAlexa端末なら商品を確認できるけど、それならスマートフォンで注文しても手間は大して変わらない。

Amazonは、定期的な買い物の催促をAlexa端末で発呼したり、発送の通知をAlexa端末で行ったりすることを試みたが、浸透はしていない。音声での通知は、個人だけではなく他の家族にも知られてしまう。買い物のようにパーソナルな情報のやり取りにはAlexa端末は向かなかった。

Alexa端末は売れたが

Alexa端末は売れたが、Alexa端末は頻繁に買い替えるデバイスではないので、ハードウェアの販売には限りがある。一通り売れてしまえば、売上は伸びなくなる。Amazon Music Unlimitedなどの会員が増えれば、売上に貢献できるが、一度会員になれば、それ以上売上は増えない。

Alexa端末からの注文は増えていないのだろう。Alexaが通販の売上に繋がるというAmazonの目論見は外れて、開発リソースと釣り合わなくなったに違いない。

そこで、AmazonはAlexa部門の人員を削減する必要があったと思われる。

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AirPods Proの最新ファームウェア「5B58」をリリース。アップデート方法は?新機能は?

AirPods Proの最新ファームウェア

AirPods Pro(第2世代)の最新ファームウェア「5B58」をAppleはリリースした。新しいファームウェアの内容、アップデート方法、確認方法をご紹介します。

アップデート内容は?

新しいファームウェアのアップデート内容は明らかになっていない。個人的な感想だけど、AirPods Pro(第2世代)には不具合があるように感じていた。左右のイヤホンの操作が一致せずに、片耳だけ外部音取り込みになる不具合が数度あった。アップデート後は、この不具合が解消された気がする。

ノイズキャンセリング性能が衰えたという報告もあるが、筆者は実感できなかった。少しだけ高音のノイズが聞こえる気はするぐらいかな。過去にはノイズキャンセリングが劣化した報告が相次ぎ、新ファームウェアの配信が中止になったこともあった。

ロスレス音質に対応するなど目立った新機能は搭載されなかった。

アップデート方法は?

AirPods、AirPods Proのファームウェアを手動でアップデートする方法はない。アップデートされる条件を整えて待てばいつの間にかアップデートされる。

アップデートされる条件は、こちら。この条件を維持していると、自動でアップデートされる。

  • AirPodsに接続したiPhoneがWi-Fiに繋がっている
  • AirPodsの充電ケースが充電されている
  • AirPodsのイヤホンがケースにしまわれている

ファームウェアの確認方法

  1. iPhoneにAirPods Proを接続させる
  2. iPhoneの「設定」を開く
  3. 「AirPods(またはAirPods Pro)」を選ぶ

  4. 画面下へスクロールして「情報」を参照

新機能の準備?

新しいファームウェア「5B58」はAirPods Pro(第2世代)に続いて、AirPods (第2, 3世代)や初代AirPods Pro (第1世代)、AirPods Maxにも最新ファームウェアが配信された。今回配信されたファームウェアは第2世代AirPods Proと同じバージョン名の「5B58」だ。今まで第2世代AirPods Proだけファームウェア名が異なっていたので、AirPods第2世代以降のイヤホン・ヘッドホンの名称が統一されたことになる。

これは、全デバイスに新機能が付与される布石かも知れない。

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最新作「ニューバースの夜明け」をAmazonで出版。期間限定で無料配信を開始

Amazonで無料配信

著者の最新作である「ニューバースの夜明け」をAmazonで出版開始したのを記念して、期間限定で無料配信しています。AmazonでダウンロードしてKindle端末で誰でも無料で読むことができます(スマホでもPCでも読めます)。

本作は「近未来サスペンス小説」です。テクノロジーの話も出てきますが、ITに詳しくなくても随所に説明が入りますので全然大丈夫。

ニューバースの夜明け」は「Ork(オーク)-2006-」「箱の中の優しい世界」と繋がった話です。本編だけでも充分楽しめるようになっていますが、過去作品のネタバレがありますので、全作品を読む予定があるなら「Ork(オーク)-2006-」から読むと良いと思います。

本作は主人公がふたりいます。ひとりはエンジニアの二階堂。二階堂はサーバーの保守メンテナンスを仕事にしています。

サーバーにあるデータベースを凍結した犯人が二階堂のお客様を脅迫する事件が起きます。その事件を調べていると、二階堂は犯人の脅迫文に伝説のエンジニア「サクラダ」の名を見つけます。

もうひとりの主人公は、内閣官房補佐官の狩山です。政権に従事する国家公務員の狩山は、官房副長官より仮想空間メタバース内に電子政府を構築する任務を受けます。メタバースを調査していくと、国内テクノロジー業界の衰退と中国の隆盛を目の当たりにして、この国の未来に失望し、失望の中から希望を見出そうとします。

前作「箱の中の優しい世界」より「ニューバースの夜明け」の世界は年月が過ぎ、テクノロジーもこの国も大きく変貌しました。

円安に不景気、パンデミックと様々な問題が私たちの周りにあります。この状況を打破するためには、テクノロジーが不可欠かも知れません。

お気軽にぜひよろしくお願いいたします。

ニューバースの夜明け

米中が暗躍する中、この国とテクノロジーはどこへ向かうのか?
サクラダが目指した「世界の共有化」は実現するのか?
閉塞する現代社会の行く末を占う近未来ノンストップサスペンス。

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楽天モバイルの決算は1209億円の赤字。黒字化するのはいつか考える

楽天モバイル決算

楽天が2022年度第3四半期の決算を発表した。売上収益は前年同期比プラス約63%、営業損失は前年同期比マイナス156億円の1209億円を計上した。楽天グループ全体でも大幅赤字が計上している。

基地局増設などの設備投資が赤字の要因だと楽天は説明しているが、今後の楽天モバイルの見通しを考えてみます。

コストは減るのか?

人口カバー率を高めるために、楽天モバイルは基地局を増設している。ただ、人口カバー率がはすでに約98%に到達していて、直近の4Gの基地局の増設は鈍化している。

5Gはどうだろう。こちらも伸びは鈍化しているというより増えていない。ということは、今期の費用は新規開設コストではなくランニングコストがメインということになる(もちろん既存設備の減価償却費用などもあるが)。

では、費用の主因はなんだろう。楽天モバイルは赤字の理由としてauのローミング費用が高いと説明してきたが、人口カバー率が高まってきたので、全国でローミングに頼っているエリアは縮小してきている。人口カバー率が高くなると、ローミングしているエリアは通信量が少ない地方だと思われるので、そこまで多額のコストがかかっているようには思えない。

では、楽天モバイルの2000億円の費用はそれ以外のランニングコストが大きいと考えられる。具体的には、ネットワークコストだ。楽天モバイルが黒字化するにはこのコストを減らす必要性がある。


今後、楽天モバイルに属する社員を転属することで人件費を削減すると説明しているが、それでどれだけコストが減るか不透明だ。

売上は伸びるのか?

コストが減らなくても売上が増えれば、黒字になる。

携帯電話事業の売上は、シンプルに言えば顧客単価 (ARPU。Average Revenue per Account)x 契約者数だ。

楽天モバイルは今回初めてARPUを公表した。

9月の2,588円というARPUは3大キャリアより劣るし、この数字はエコシステムアップリフトと呼ばれるおかしな数字を含んでいる。これは、楽天モバイルのユーザーが楽天の他のサービスに寄与している売上のことだ。

実際のQ3のARPUは、こちら。直近のQ3では1,472円。まだ無料ユーザーも含まれている数字だが、他のキャリアよりかなり低い(NTTドコモのARPUは4,250円)。無料契約者が完全にいなくなる11月以降、この数字がどう変化するか。

契約者数はどうだろう。1GB未満無料プランがなくなり、契約者数はピーク時より40万人ぐらい減った。11月以降は純増したと楽天モバイルは説明している。

ただ、どのようなユーザーが楽天モバイルを選んでMNPしているのかいまいち見えてこない。

1GB未満無料になったことで、楽天モバイルは低容量プランの価格優位性を失った。3GB1,078円という金額はLINEMOやahamo、MVNOと比較して決して安くはない。

楽天モバイルが価格優位性を保っているのは、20GB以上でも価格が一定なところにある。ただ、20GB以上使い続けるヘビーユーザーがどれだけいるか。

もうひとつの楽天モバイルのメリットは専用アプリを使えば通話が無料になる点だ。通話無料は嬉しいが、一方で通話無料だとARPUが伸びないデメリットもある。

楽天モバイルは4Gも5Gも通信品質は3大キャリアより現状は劣っている。それでも楽天モバイルを選ぶユーザーを今後楽天モバイルは捕まえていかないといけない。

楽天モバイルも通信品質の改善が喫緊の課題だと理解していて、プラチナバンドを他キャリから譲り受け、2024年には開通したいとしているが、3大キャリアの反発や移管工事がうまくいくのかまだ不透明だ。

どうなる楽天?

今回の決算で楽天はARPUの上昇と契約者数の増加をアピールしていたが、黒字化の時期は言明していない。楽天モバイルを使うことで楽天の他のサービスの売上が伸びるエコシステムが機能しているというが、楽天グループ全体でも巨額の赤字を計上している。

巨大グループである楽天でも数千億円の赤字を出し続けるのは経営的に無理があり、子会社の株式上場などで資金を調達しようとしている。

それでも、何年もこの赤字を垂れ流すのは難しいだろうし、楽天の株価も低迷している。

楽天モバイルの思惑通りにいったとしてプラチナバンドが開通する2024年まで携帯電話事業を継続できるのか。

楽天モバイルからしたら、ahamoなどの低価格プランの登場が計算外だったかもしれないが、それらのプランに対抗し黒字転換するには何か新しい施策が必要に思える。

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任天堂決算。増収増益の背後に見える次期Switchの陰

任天堂が決算発表

2023年第2四半期の決算を任天堂が発表した。売上高が前年同期比プラス5.2%、営業利益がプラス0.2%の増収増益だった。

決算の詳細を見ていきます。

Nintendo Switchの販売台数がマイナス19%

売上高は増えたが、Nintendo Switchのハードウェアの販売台数は減少している。ハードウェアの売上は前年同期比マイナス19%と前期のマイナス23%よりは改善しているが、引き続き低迷している。

Switchの販売台数が減ったのは、世界的な半導体不足が原因と任天堂は説明している。確かに主力となっている有機ELモデルは年末に向けて品切れを起こしている。

ハードウェアは品切れの問題を起こしているが、ソフトウェアの売上は増加している。790万本を売り上げたスプラトゥーン3の貢献は大きい。

円安効果

ハードウェアの売り上げが落ち込んでいるのに、売り上げが伸びているのは、円安効果だ。海外販売比率が高い任天堂の場合、円安に振れると円建ての売り上げは伸びる。

ただ、円安がハードウェアの品不足を見えなくしている。Nintendo Switchは6年目に入って、合計出会打数は1億台に到達しているが、伸びは鈍化している。

品切れのために、本当のSwitchの需要が現在どれほどなのか見えなくなっているし、円安のおかげで業績は好調に見える。

Switchの今後

「スプラトゥーン3」は大ヒットしているし、来年5月発売の「ゼルダの伝説」は大きな注目を集めている。1億台のマシンを既に出荷しているので、スプラトゥーン3に続き、ゼルダの伝説が爆発的な売上を記録するのは間違いない。

6年目となると、そろそろ次世代機の話題が出てくる時期だが、一向にその話は出ない。有機ELモデルが登場してから、まだ1年余りなので、まずは有機ELの生産を安定出荷するのが優先課題だ。

ただ、有機ELモデルは中途半端という評価もある。4Kテレビが主流になりつつあるのに、Switchは4Kに対応できていない。PS5のようにカスタムSSDによる高速ローディングにも非対応。

任天堂のハードウェアは最先端の技術を追求するものではないが、ローディングのスピードなどはゲーム体験に大きく影響する。Switchのスペックは現代のゲーム機としては大きく劣る。ここ数年で、ゲーム機だけではなくPCでゲームを遊ぶユーザーも増えてきている。スペックは高く、高画質でフレームレートも高いPCゲームは過去にないほど定着してきている。

PS5やXBoxだけではなく、PCとも競争するために、Switchは有機ELモデルから更なるアップデートが必要だと思う。

おそらく次期モデルは、大ヒットしたSwitchから大きく変わらず、内部スペックをアップしたものになるだろう。ポータブル機と据え置き機を融合させた形態も変わらないに違いない。

任天堂のソフトウェアが強力すぎて、おかしなことをしなければハードウェアは売れると思う。ユーザーは任天堂のハードを使いたいのではなく、任天堂のゲームをしたいのだから。

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Metaが1万1000人以上を社員削減する理由

Metaが1万1000人以上削減

FacebookやInstagramを運営しているMetaのザッカーバーグCEOが全従業員の約13%にあたる1万1000人以上を削減すると発表した。

どうして大規模な人員削減が必要になったのか考えてみます。

利上げによる景気減速と競争激化

ザッカーバーグは人員削減する理由として、アメリカの金利上昇による景気減速と他社との競争激化を挙げている。

金利上昇に伴いアメリカを中心に景気が減速する観測が出ている。全体的にアメリカの株価は低迷しているし、特にAmazonやAppleなどIT企業の株価下落がきつい。近年のSNSサービスは、Facebook以外にもマスク氏の買収で注目を集めているTwitterやTikTokなど多くのサービスがあり、覇権争いが激しい。Facebookのアクティブユーザー数はほぼ横ばいで、ユーザー数は伸びておらず、新興SNSに追い上げられている。

確かに、景気低迷と競争の厳しさは、Metaの業績低迷につながっているのは間違いないが、もっと大きな理由がある。

ターゲット広告

Metaの売上の大部分を占めている広告事業だが、売上が減少している。Facebookの利用者が増えていないことと、ユーザーの動向に合わせて広告を表示するターゲット広告の不振が響いている。AppleがiPhoneのターゲット広告の有無をユーザーに委ねるようにしたのが要因だ。個人情報の管理はユーザーが判断すべきだとAppleは主張しているので、この状況が今後変わりそうにない。

利益が改善しないなら、コストを減らすのは経営者としては当然で、今回削減対象はFacebook関連の業務についている社員が多いに違いない。

メタバース

Metaの1番の問題は別にある。Metaに社名変更するきっかけとなったメタバースだ。Meta、というよりザッカーバーグCEOはメタバースにご執心で、メタバース事業立ち上げに莫大な投資をおこなっている。だが、メタバースの売り上げは現時点ではごくわずかで、巨額の赤字を計上する事態に陥っている。

メタバースは数年単位で収益を稼げるものではなく、十年単位の長期的な視野に立つ必要があるとザッカーバーグは言及したので、短期的な収益改善に悲観的になった投資家がMetaの株を売り、株価が暴落している。

メタバースへの投資をやめるべきだと主張する株主も出てきているが、創業者であるザッカーバーグが議決権を持っているので、メタバースの投資を止められないでいる。

ただ、収益の悪化が続けば、大株主であるザッカーバーグでも安穏としていられないので、人件費を削減し収益を改善する必要性に迫られているというわけだ。

Metaはどうなる?

収益源だったターゲット広告に批判が集まり、今後の広告収入が不透明になったところで、新たな収益源としてメタバースの投資にザッカーバーグは踏み切ったわけだが、ザッカーバーグが想像したようにはメタバース市場は成長していない。

それでも、後には引けないとメタバースのアクセルをMetaは踏み続けている。

これは創業者が権力を握り続けている企業の弊害だろう。創業者であるザッカーバーグでなければ、ここまで急速に舵を切れなかったに違いない。迅速な経営判断がはまればブルーオーシャンをいち早く制覇し莫大な売上を得られるが、外した時のリスクが大きい。

今回、大規模な人員削減に追い込まれたことからもわかる通り、今のところザッカーバーグの賭けはうまくいっていない。

それでもザッカーバーグはメタバースの旗を下ろしていない。今回の人員削減により収益が改善し、メタバースが売上を伸ばすまでMetaが生き残れるか、さらに低迷が続くかは注目である。

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Apple Watch series 8購入レビュー。series 4との比較も

Apple Watch series 8を買った!

ずっと使っていたApple Watch series 4のバッテリーが劣化してきたので、バッテリー交換も検討したが、いろいろ考えた結果、Apple Watch series 8を購入した。

発売してから1ヶ月経って今更感があるけど、購入レビューします。

購入

購入したは、Apple Watch series 8 (GPSモデル) -  45mmミッドナイトアルミニウムケースとブラック/サミットホワイトNikeスポーツループだ。

今まで44mmを使っていたので、バンドを流用するために45mmを選択。カラーも既存バンドの組み合わせががあるので、黒系のミッドナイト。MacBook Airもミッドナイトを選んだしね。

バンドはスポーツループバンドを選択。スポーツループバンドは純正バンドで最軽量、無段階で長さを調整できるのが良い。

series 4でも選んだNike+モデルが欲しかったけど、series 8からNike+モデルがなくなってしまった。Apple Storeで買えばカスタマイズできるので、Nike専用バンドが選べた。黒色のバンドでも「JUST DO IT」のロゴが入るのはちょっと嫌だけど、真っ黒のスポーツループバンドは販売していないので、こちらを選ぶ。

開封

新モデルにも関わらず在庫があるのか、上海から最短で到着した。

箱は、こちら。Nike+モデルと違い、色はホワイト。箱(というか包み紙?)の形状はseries 4から変わっていなかった。

包み紙を開けた状態。カラフル。

Apple Watchとバンドの箱が下にある。同梱物がはっきりとわかるシンプルな外装。

Apple Watchの蓋を外したのが、こちら。左側の黒いのがApple Watch本体。紙のケースに入っている。左側はお馴染みのフレーズが書かれた紙の下に充電ケーブルが入っている。

紙のケースを外した状態。案外黒い。

充電ケーブル。series 4ではステンレス製だった背面がアルミニウムに変更になっている。

下がNikeスポーツループバンド上がノーマルのスポーツループバンド。「JUST DO IT」のロゴはあまり目立たない。Nikeスポーツループバンドは通常のスポーツループバンドより短い。

series 4との比較

ここからがseries 4との比較。左がseries 4、右がseries 8。

左側面。スペースグレイのseries 4と比べると、ミッドナイトはかなり黒い。ミッドナイトの黒みはMacBook Airのミッドナイトと同じに見える。iPhone 12のミッドナイトと比べると、より黒さが増している気がする。最新のiPhoneだともっと黒いかも。

厚さは同じ10.7mm。ちょっと見づらいけど、スピーカーの形状が変わっている。series 4は2本のスリットで、series 8は1本のスリット。

右側面。Digital Crownも色味が異なる。series 8の方が統一感ある。

正面。series 8の方が1mm長い。見た目も少しだけ大きいのがわかる。

背面。形状が一番異なるのが、この背面。血中酸素測定センサー、皮膚温センサーを内蔵しているからだろう。

ボディサイズはあまり変わらないけど、ディスプレイの表示領域はかなり異なる。series 4は977平方ミリメートルの表示領域で、series 8は1,143平方mmと約17%広い。

series 8のディスプレイはボディの隅まで広がっており、端まで表示できている。

パスコードの表示も大きい。

ただ、四隅にコンプリケーションを置くと文字盤だと、差はあまりわからない。文字のサイズが少しだけ大きい?

ファーストインプレッション

1日使った感想だけど、良い意味でseries 4とそれほど変わりがない。series 8の方が少しだけ大きくて重いが、ランニングしても体感ではわからない。

さすが4年前のモデルよりは動作が少しだけキビキビしたり、心持ち振動がわかりやすいといった違いはあるが、新機能である皮膚温センサーや血中酸素センサーを日常的に使うことはないので、新機能と実感できることはない。

ひとつだけ大きく違ったのは、常時点灯。常に時刻がわかるのは本当に便利だ(腕時計としては当たり前の機能なんだけど)。

使ってみて気づいたのは、手首を捻った時のディスプレイの変化がそれほど大きくないことだ。文字盤にもよるが、バックライトの輝度が少しだけ増す文字盤が多い。常に同じ文字盤が表示されていて、見るときに少しだけ明るくなるイメージだ。

使ってみるまでは、手首を捻った時の画面変化がもっと激しいのだと思っていた。

良い買い物だった

高価(64,800円)な割に使用感はほとんど変わらないけど、バッテリーの状態を気にするストレスから解放されたのは大きい。Apple WatchにSuicaを入れているので、電車で移動中に突然電源が切れたらとドキドキすることは無くなった。

文字盤が大きくなったことよりseries 5から搭載された常時点灯機能を今更だけど使えることの方がメリットが大きい。手首の捻り方によってはseries 4が反応しないことがあったので、そのストレスから解放された。

4年ぶりの買い替えなので、もっと便利な機能が試せたら嬉しかったけど、それだけApple Watchの完成度が昔から高かったということでもある。

バッテリーが劣化してきて、series 4からそろそろ買い替えようと考えている人にはseries 8はお勧めできる。

IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は高山環(たかやま かん)というペンネームで小説を書いています。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
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Twitterのリストラが違法行為なのか考える

イーロン・マスクがリストラを敢行

イーロン・マスク氏が買収したTwitterのリストラを敢行した。報道によると社員の半数を即日解雇したそうだ。日本法人も例外なく、広報部門は全員リストラされたらしい。

「アメリカはともかく日本法人での即日リストラは違法じゃないか?」と意見している人がいた。

だけど、おそらく違法ではなく合法だと思う。その理由をご紹介します。

整理解雇?

日本企業が従業員を解雇するには、労働できない状況に陥った従業員を対象とするいわゆる普通解雇、就業規則に違反した場合の懲戒解雇、企業が経営不振に陥った場合の整理解雇がある。リストラと呼ばれるのは整理解雇だ。

企業が整理解雇するには、いわゆる整理解雇四要件を満たす必要があるとされている。人員削減の必要性があるか? 解雇を回避する努力をしたか? 解雇する人選が妥当か? 解雇手続きが妥当か? これらを満たしたときに企業は能力に問題がない従業員を解雇できる。

Twitter社の例では、解雇を通知して、すぐに社員は社内ネットワークから遮断されて、退出しないといけなかったようなので、整理解雇の四要件を満たしているとは思えない。

イーロン・マスク氏が買収してすぐにリストラが実行されているので、解雇回避を努力したようには思えない。

では、このリストラは違法なのか? というとそうではない。Twitter社は整理解雇を実施していないと思われるからだ。

社員は自主的に退職?

おそらく社員は自主的に退職したと思われる。日本国内の外資系企業がリストラを実行する場合、パッケージと呼ばれる条件を提示することが多い。パッケージとは「今退職すれば、給料のXヶ月分を渡します」というもので、退職後の転職支援をするエージェントを紹介する場合もある。

社員の能力を理由に解雇するわけではないので、「君の能力の問題ではなく、君の仕事がなくなった」というようない言い回しを人事がする(今回の場合は、そのようなコミュニケーションはなかったと思うが)。

例えば、日本法人が撤退した場合やグローバルで特定事業から撤退し部署が消滅した場合など、「あなたの仕事がなくなった」とコミュニケーションをする。

そのように言われた社員はパッケージに納得して自ら退職することになる。自主退職なので、整理解雇の四要件を満たす必要がない。

企業が従業員を解雇する際には30日前に予告しないといけないと思っている人がいると思うが、30日分以上の平均賃金を支払えば、労働基準法の基準を満たすことにはなる。

社員が拒否したら?

矛盾した言い方になるけど、この場合、企業が社員に「自主的な解雇」を促していることになる。促しているだけなので、社員は拒否することもできる。どうしても辞めたくないなら、「辞めない」と社員が言い続けると、企業は雇用を継続しないといけない。そういった社員を辞めさせるには解雇するしかなく、その場合、整理解雇四要件を満たす必要がある(実際は満たしていなくても解雇はできてしまうが、訴えられたら裁判で企業側が敗訴する可能性がある)。

だが、実際には多くの社員が退職を決断する。「仕事がない」と言われた会社に残っても昇進する見込みは薄く、やりがいのある仕事を任せられる可能性は低い。

だったら、お金をもらって退職して次の職場で活躍した方が良い。日本企業で長く勤務している人には奇異に映るかもしれないけど、外資系企業に慣れている人は「はいはい、じゃあ辞めます」という人が実際に多い。外資系企業を渡り歩いている人の中には、リストラを経験した回数を武勇伝のように語る人もいる。

訴えたらどうなる?

このようなコミュニケーションをされた社員が「強制的に退職を強要された」と訴えたらどうなるだろう。判例では企業側が退職を強要したと認定されるケースもある。

外資系企業でも、日本に長くビジネスをしていると長期間勤務している社員もいて、歳をとった社員が「転職が難しいので辞めたくない」と言い出すこともある。

それは社員個々の判断になると思うけど、個人的にはそういったコミュニケーションする会社は、さっさと辞めて、次の職場で頑張った方がいいと思うけど。

今回のTwitter社のパッケージはサラリー3ヶ月分という報道もある。これはマスク氏のTwitterがソースなので、日本法人のパッケージはもっと多いのではと思う。整理解雇四要件がないアメリカでは3ヶ月分のサラリーでも充分だが、日本では社員に納得して退職してもらうために、サラリー1年間分ぐらい出しているのでは?(予想だけど)

まあ、こういうこともあるから外資系企業のサラリーは一般的に国内企業より高いので、外資で働く以上、リストラがある可能性は常に考えておいた方が良いし、企業を恨むよりはどこでも働けるスキルを身につけるように努力した方が良いと思う。

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イーロン・マスクがTwitter社員の半数をリストラした理由

社員の半数を解雇

報道によると、テスラ社のCEOイーロン・マスク氏が買収したTwitter社の社員の半数をリストラしたそうだ。問答無用なリストラらしく日本支社の人事部全員が解雇されたという話も流れている。アメリカ企業が業績不振で社員を解雇することはよくあることだが、吸収合併された企業ではなく今後も単体でビジネスを行う企業が半数の社員を一度に解雇するのはかなりレアケースだ。

退職する人には3ヶ月のサラリーがパッケージとして渡されたそうだ。3ヶ月の給料というのは、外資系企業の退職パッケージとしてはかなり少ない部類だ。勤務年数にもよるが一年間のサラリーが一般的だ。

マスク氏のやり方はかなり強引だが、どうしてここまでリストラを敢行しないといけなかったのか考えてみます。

マスク氏の狙い

マスク氏がTwitter社を買収した理由として挙げたのは、言論規制の解放だった。トランプ氏のtwitterアカウント停止に見られるように、今までのtwitter社はいわゆるフェイクニュースや誹謗中傷を削除するためにユーザーのツイートを監視し、悪質なツイート・ユーザーの排除を実施してきた。その監視を私企業による言論統制だとマスク氏は反発していた。

Twitterが幅広い言論ができるデジタルプラットフォームにすることが買収の目的であり、金儲けではないとマスク氏は表明している。

一方で、Twitterはユーザーのニーズに合わせた広告はユーザーにとっても有益で、Twitterを世界で最も尊敬される広告プラットフォームにしたいとも言っている。

私企業である以上、Twitterがデジタルプラットフォームとして継続するには黒字化する必要がある。Twitter社の売上は伸びていて2021年度は約50億ドルだったが、営業損失は約5億ドルと赤字に陥っている。

約50億ドルという売上はTwitter社のネームバリューとユーザー数から考えるとかなり少ない。同じく広告収入が主体としているGoogleの売上は約2500億ドルで桁がちがう。

マスク氏はTwitterはもっと収益を上げられると考えているようだ。

収益化のために

黒字化するためには広告の出稿量を増やして、コストを減らす必要がある。

コスト削減のために、半ば強引に社員をリストラしたわけだ。フェイクニュースや悪質な言動がないか、ツイートを監視するためにTwitter社は大勢の社員を採用していた。今回のリストラでツイートの監視の目がなくなる懸念はある。

売上を伸ばすための広告の増加は前途多難かもしれない。ツイート監視を減らすことで、偏見やフェイクニュースが溢れることを懸念して、既に数社の企業がTwitterへの広告の出稿を取りやめると表明している。コストを減らしても、広告が集まらなければ黒字化は厳しくなる。

AIでツイートを監視する手法も考えられるが、マスク氏はそもそもツイートの過度な監視と検閲に批判的なので、広告主の懸念がすぐに解消するとは限らない。

マスク氏は広告だけではなく、さまざまな手法で収益化を進めている。有料プランに新たな機能を加えることで有料ユーザーを増やそうとしている。

新しい有料プランの機能の一つが「認証バッジ」だ。認証バッジは著名人が自分が偽物ではないことを証明するためにTwitter社へ申請し審査の末つけることができた。認証バッジの存在がフェイクニュースの排除にも貢献していた。

今後は月額料金(約8ドル)を支払えば、誰でも認証バッジをつけることができるようになるので、偽者が著名人の名を騙ることもできてしまう。

認証バッジの意味がなくなる乱暴な措置にも思えるが、私企業であるTwitterが、無償で審査を行う体制を運営するのも厳しいものがある。Twitterにとって認証バッジはコストばかりかかり売り上げに直接影響しないものだ。

それ以外にも、マスク氏はツイートの長文化やYouTubeのような投稿主が広告料の一部を受け取れる仕組みなどを検討していて、売上を伸ばすアイディアを次々と打ち出している。

半数の社員で改革ができるか?

Twitterを幅広くかつ継続した言論プラットフォームにするために、マスク氏はさまざまな施策を今後も打ち出していくだろう。それが悪いこととは一概に言えないが、規制が撤廃され、Twitterがフェイクニュースや誹謗中傷が横行する無法地帯に陥った時、そこに自社の広告を打ちたい企業がどれだけあるだろうか。

また、多くのマスク氏のアイディアを実現する体力が、リストラを完了したTwitter社にあるのかも注目する点だ。

全世界で3億人ものユーザーを集めるTwitterというサービスには、まだ多くのポテンシャルがあるように思える。数多くの人が日々ツイートしているわけだから、そこから収益を得ることも、もっと自由なプラットフォームになることも将来的に可能に思える。

ただ、自由の代わりに失うものがあるかもしれない。広告の減少や、世間の批判などに耐える必要が出てくるかもしれない。マスク氏はユーザーの動向を見つつ、改革を続けていくことになるだろう。

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Apple Watch series 4のバッテリーを交換するか買い替えるか考える

Apple Watch series 4のバッテリーがおかしい

普段使っているApple Watch series 4が突然切断するようになった。バッテリーを満充電しているのに、暫く使っているとバッテリー残量が40%ぐらいになっていて、さらにいつの間にか強制的に低電力モードに入ってしまい、やがて切断してしまう。

普通に考えればバッテリーの劣化が原因だ。Apple Watch series 4は買ってからすでに4年が経過して、ほぼ毎日使ってる。

このようにバッテリーを100%充電されているのに突然0%になってしまい、充電するとすぐに100%に戻ることもある。

iPhoneのようにApple Watchは「バッテリーの状態」を確認できる。最大容量が89%なので、そこまで劣化しているわけではないが、4年間使い続けているので、数値以上に劣化しているのかもしれない。

強制切断や再インストールを試したが、現象は変わらず。どうやらバッテリーを交換しないと改善しないみたいだ。

Apple Watchのバッテリー交換について調べてみました。

バッテリー交換は?

Apple Watch series 4のバッテリー交換をAppleに頼むと、12,200円かかる。Apple Watch Ultra以外のバッテリー交換は全て同額だ。Apple Storeへ持ち込む他にAppleに配送して修理することもできる。

街の修理屋さんだと、8,000円から1万円ぐらいかかる。新しいApple Watchに買い換えるよりは安いけど、4年前のモデルを継続して使うためには少々高価だ。

4年前のモデルだと、常時点灯機能がないなど最新モデルより劣っている点も目立つ。

バッテリーを交換しても、旧モデルをまた4年使うのはちょっと辛い。Apple Watch series 3以前は今年からOSのアップデート対象外になっているので、来年はseries 4も対象外になる可能性が高い。

買い換える?

バッテリー交換以外だと買い替える手がある。

現在販売しているモデルは、series 8、SE、Ultraの3種類だ。もっとも安いSEはディスプレイサイズはseries 4と同じで、常時点灯機能がないなど性能もseries 4に似ている。せっかく買い換えるなら、最新機能を堪能したい。

series 4の買い換えなら、標準モデルであるseries 8を選ぶのが自然だけど、series 8の目玉の機能は皮膚温センサーと衝突事故検出機能で、あまり魅力的には思えなかった。

今年series 8に買い替えて、来年もっと魅力的なモデルが登場したら、ちょっと悔しい。

Ultraを選べばデザインも異なるし、さまざまな独自機能を使えるが、高価だし、ランニングが趣味の筆者には重すぎる。

今まで使っていた44mmのバンドを流用するためには、series 8の45mmのアルミニウムボディを選ぶことになる。スポーツループバンドだと価格は64,800円だ。バッテリー交換費用との差額は52,600円。

Apple Trade inに申し込みと古いApple Watchを下取ってくれる。series 4の概算見積もりは4,000円なので、支払額は差し引き60,800円になる。

さらに安く買う手段としてApple Gift Cardのキャンペーンを利用する方法がある。セブンイレブンでApple Gift cardを購入すると、10%還元されるキャンペーンを実施している。

このキャンペーンに申し込めば、実質10%割引になるので、6,480円値引きとなる。

series 4の下取りと合わせれば10,480円減額となり、支払額は54,320円になる。これでも、バッテリー交換費用と比べればもちろん高い。

もう少し悩む

バッテリー交換かseries 8への買い替えか結論は出なかった。series 8が魅力的ならすぐに買い換えるけど、3年前からチップ性能も変わっていないし、追加された機能も微妙なものばかり。この機能を得るのに50,000円以上支払うのは割高な気がする。

といっても、ランニングやApple Payで支払うためはApple Watchは不可欠なので、使えないのは非常に困る。

やっぱり買い替えかな。

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今月のKindle Unlimited(KENP)ランキング(2022年10月)

Kindle Unlimitedランキング(2022年10月)

10月も多くの方に拙作を読んでいただき、ありがとうございます。先月に続き10月のKENP数は過去最高を更新しました。本当に多くの方に読んでいただきました。感謝感謝です。

10月の拙作のランキングを発表します。こちらのランキングはKENP数(Kindle Unlimitedの会員が読んだページ数)を元にしています。

どの作品も本を購入する場合は0円から、Kindle Unlimited会員なら全作品無料で読むことできます。

[:contents]

第5位:箱の中の優しい世界

今月の第5位は「箱の中の優しい世界」。「世界の共有化」をかけたITサスペンス小説です。「Ork(オーク)-2006-」と続いた世界が舞台ですが、単品でも充分楽しめます。

11月中に、続編を出版するために現在鋭意作業中です。

 

第4位:哀しみアプリ

第4位は「哀しみアプリ」。

先月より1ランクアップして、今月は4位です。本作は筆者の小説の中で一番最初に人気になった作品です。シングルファザーのエンジニアが主人公で、子供のイヤイヤ期に悩んだことがある人も、今も悩んでいる人にもおすすめです。

第3位:四度目のF

先月と変わらず、第3位は「四度目のF」。同級生に一目惚れした群馬県高崎の女子高生が大学、社会人と成長していく物語です。女子高生の一人称視点を面白おかしい文体で描いています。100%の恋愛小説を目指して書きました。先月から19レビューいただいて、合計72レビューになりました。

すてきなコメントもいただきました。

第2位:コクーンマンションへようこそ

今月の第2位は「コクーンマンションへようこそ」。謎の膜に包まれた、ごく普通のマンションに住む、ごく普通のサラリーマンが主人公です。さまざまなキャラの住民の迷走をお楽しみください。先月から12レビューをいただいて、合計96レビューになりました。今月中には100レビューを突破するかもしれません。

第1位:ふたりの余命

第1位は「ふたりの余命」。2021年の年末に出版した小説が今月も1位でした。たくさんの方に読んでいただき、ありがとうございます。本作は筆者がもっとも気に入っている作品のひとつです。長い間、Amazonのロマンスカテゴリーで1位を維持しています。

男女の高校生が死神に余命を宣告される話で、ミステリーでもあり恋愛ものでもあり夢の話でもあります。

先月72レビューいただき、著者史上初の200レビューを達成しました。

すてきなコメントもいただいています。



IT関連のブログをほぼ毎日更新していますが、本業は小説家です。
ブロックチェーンなどITを題材とした小説の他に、ミステリー、恋愛物、児童文学など様々なジャンルの作品を取りそろえています。
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iPhone 14が売れていない5つの理由

iPhone 14が売れていない?

9月に発売されたばかりのiPhone 14が販売不振で減産に追い込まれているというニュースが流れている。Appleはなにも声明をだしていないので事実かどうかわからないが、BCN調べの日本のスマートフォン売上ランキングでも、iPhone SEとiPhone 13が上位に並んでいて、新モデルであるiPhone 14の姿はない。

最新モデルであるiPhone 14は11位にやっと顔を出す状態だ。

Appleのサイトでも出荷日が1〜2営業日と表示され、在庫はあるようだ。

どうしてiPhone 14が売れていないのか考えてみます。

価格が高い

iPhone 14が売れていないからといってiPhoneの人気が落ちているわけではないようだ。売上ランキングでは5位まで廉価版iPhone SEと昨年発売のモデルiPhone 13が上位を占めている。

最新モデルであるiPhone 14が売れていないもっとも大きな理由は、価格だろう。

各モデルの最低価格は、こちら。

  • iPhone 14:119,800円
  • iPhone 13:107,800円
  • iPhone SE:62,800円

昨年モデルであるiPhone 13でも10万円を超えているのには驚きだが、iPhone 14はさらに高く、約12万円もする。ちょっとしたノートPCより高い。円安が原因なのは分かるけど、スマートフォンを購入するには躊躇する価格だ。

これなら半額近いiPhone SEや少しでも安いiPhone 13を選びたくなる。

同じチップ

iPhone 14は最新モデルなのに前モデルと同じチップを搭載している。過去のiPhoneにはなかった現象で、最新チップはProモデルだけに採用された。

iPhone 14に搭載されたA15は昨年のiPhone 13、iPhone SEと同じチップだ。

A15チップの性能に不満はないが、どうせ買うなら最新チップが欲しくなるし、高性能のA15チップを半額近いiPhone SEでも体験できるとも言える。

ほとんど変わらない性能

iPhone 13とiPhone 14の性能はほとんど変わらない。メモリ容量が4GBから6GBに増えたり、カメラ性能が一部変更になっているが、デザインやノッチの形状など見た目は変わっていない(カラバリは変わった)。

毎年買い替えている熱心なiPhone信者も、さすがに今年は敬遠したんじゃないかな。

iPhoneは日用品になったから、新機能がなくてもバッテリー劣化などを理由にして、定期的に買い換える人が多いと思ったけど、目玉の機能がないと、買い換えようという気持ちも起きないようだ。

Proモデルの進化

今年のモデルではProだけが大きくバージョンアップした。ノッチの形状が変わり、カメラユニットも変更になった。

新機能を使ってみたい人は標準モデルではなくProモデルを選択したと思われる。

Proモデルの納期は3〜4週間で、iPhone 14より長くなっている。製造台数が少ない可能性もあるが、Proモデルの方は人気がありそうだ。

長くiPhoneというかApple製品を使ってきた人なら、上位モデルの新機能は、将来の標準モデルに採用されることを知っている。

来年発売されるiPhone 15かどうかわからないが、iPhone 14Proに搭載されたDynamic Islandや48MPメインカメラも、標準モデルにいずれ搭載されるはずだ。

Proに搭載された機能はどちらも魅力的だから、どうせ買うなら新機能を搭載したiPhoneが欲しくなる。

Lightningポートの廃止

EUの決議により2024年末までにデバイスの充電用端子はUSB-Cに統一される。EUだけでアジアやアメリカ市場はこの決議に拘束されることはないが、EUだけに専用モデルを製造するよりもグローバルで規格を統一する方がコストがかからないので、可能性が高い。

10月に発売されたiPadはUSB-C仕様になり、これで全iPadからLightningポートが消えた。iPhoneはLightningポートを搭載し続けているが、来年モデルはUSB-Cを搭載するか充電はMagSafeだけに行うようになるはずだ。

レガシーポートになるのがほぼ確定しているLightningを搭載したiPhoneを新たに購入するのを躊躇う人もいるのでは。

ユーザーは変化を求める

昨年と変わらなすぎるiPhone 14のスペックを見て、日用品となったiPhoneは大幅進化しなくても定期的に買い替えてもらえるとAppleが判断したと思った。

本当にそれがAppleの思惑だったかどうかわからないが、そういった考えに市場はNOを突きつけている。

スマートフォンが一般化した現代においても、ユーザーは変化を求めている。新しいデバイスが生活に潤いを与えてくれることを望んでいる。

円安の日本では値上がりしたこともあり、高い価格に見合うだけの「変化」がないと、ユーザーは容易に買い替えてくれない。

iPhone 14の販売不振が続いた場合、Appleがどのような措置をとるか興味深い。Appleが新モデルのiPhoneを値下げしたことはないが(為替変動により値上げしたことはあるが)、初めての値下げに踏み切るのか、それとも別のキャンペーンを行うのか。

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KDPストーリーに選ばれました

 Amazonからのメッセージ

AmazonからTwitterにダイレクトメッセージが届いたので何事かと思ったら、筆者のコメントがKDPストーリーに選ばれたという内容でした。

Amazonの出版サービス「KDP(Kindle Direct Publishing)」が10周年ということで、Amazonが特設ページを開設し、KDPの歩みと高レビューの作品を紹介しています。

10周年のキャンペーンの一環として、著者それぞれのKDPのストーリーを募集していました。それに筆者のストーリーが選ばれたわけです。筆者を含めて9つのストーリーが選出されたようです。

選ばれたストーリーが、こちら。文末の句点が2つある(自分はつけていないと思うけど)のと、筆者のストーリーが一番短いのが気になるけど、なにはともわれ選ばれたのは嬉しい限りです。

できれば、ストーリーだけじゃなく、Amazonに筆者の小説も選んで欲しいですが、贅沢は言っていられません。これを励みにまた小説を書いていきたいと思います。

KDP10周年おめでとう!

  

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