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自分の小説が本屋に並ぶという中学生からの夢がようやく実現します! 興味がある方は書店で予約してみてくださいませ。

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新型AirPodsファーストレビュー。旧型との比較、気になる点を試してみた

新型AirPodsが到着

発売されたばかりのワイヤレス充電対応の新型AirPodsが届いたのでファーストレビューをお届けします。

気づいた点と気をつける点もご紹介します。

いい意味で変わらない外観

ファーストインプレッションは「初代と何も変わらない」だ。箱と同梱物はほとんど同じ。

箱の文字の色が少しだけ違うけど、比べないとわからない。

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箱の外観。初代と同じに見える

本体の違いは、外側のインジケーターのみ。蓋の内側にあったインジケーターがケースの外側に移動し、蓋を閉めた状態でも充電状況がわかるようになった。

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外観の違いはインジケーターのみ

初代と比較しても、違いはほとんどない。

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左が初代、右が新型。裏側のヒンジの色が違うような

 イヤホンは本当に一緒。何も変わっていない。混ぜたらわからなくなりそうだが、iPhoneでAirPodsの名前を見れば判別がつく(一台のiPhoneに複数のAirPodsを接続する場合、同一の名前をつけることはできない)。

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イヤホンは寸分狂いなく一緒。混ぜたらわからない

別に初代の外観に不満はなかったけど、新しい製品を買ったのにここまで違いがないと、新しい製品を買った気がしないのは事実。筆者の場合は2年間使った初代のバッテリーが保たないから仕方がないのだけど。 

便利なワイヤレス充電。スタンド型は注意

新型の目玉の一つがワイヤレス充電モデルがあること。iPhoneとApple Watchがワイヤレス充電できるので、筆者の環境だとAirPodsだけのためにLightningケーブルを用意しないといけなかった。

といっても、ワイヤレス充電だから、置いて充電できるだけ。外部のインジケーターが光るのが目印。

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まあ、これだけなのですが、注意点をひとつ。「スタンド型のワイヤレス充電器だとAirPodsを置いても充電できない場合がある」ことだ。

自宅にあったAnkerのスタンド型充電器にそのまま置いても反応しなかった。AirPodsが小さすぎて充電コイルに接地することができないようだ。

AirPodsを2つ並べて上の方で設置すれば充電できた。スタンド型の仕様にもよるので、注意が必要。

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Ankerのスタンド型の充電器。上の方しか充電されない

<2019/04/02 追記>

AirPodsを逆さに充電するとAnkerのスタンド型でも充電できた。スタンド型しか持っていない人は試してみてください。

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体感できるH1チップの効果

外見からはわからないが、新型AirPodsはH1チップを搭載している。新しく設計されたH1チップにより、デバイスの切り替え、反応が早くなると触れ込みだが、確かに体感できる速さだ。

状況にもよるが、AirPodsを装着した時の反応は、初代より2倍程度速い気がする。iPhoneからMacに切り替えたときは3倍以上速い。Macに切り替えるときは結構待たされるイメージだったが、新型は1秒ちょっとで切り替わる。

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iPhoneとMac間の切り替えは早い

Hey Siriが面白い

新型は、口頭の「Hey Siri!」に対応する。これが結構面白い。iPhoneのマイクが使えない状態でもSiriが使えるし、反応も早い。

iPhoneのSiriのように「Hey Siri」と言った後に「ピロロン」という音がしないので、「Hey Siri」+「音声コマンド」と続けて命令することができる。

たとえば「Hey Siri。今日の天気」と続けて話してもAirPodsを通じて回答してくれる。

ただし、「Mac接続時だと「Hey Siri!」は使えないと思われる」

「思われる」と曖昧に言ったのは、2018年モデルの「Hey Siri!」対応のMacと接続していれば、使えるかもしれないからだ。筆者のMacBook Pro 2017モデルは「Hey Siri!」に対応していないので、AirPods接続時に「Hey Siri!」と言っても全く反応しない。

MacbookでSiriボタンを押すか、AirPodsのイヤホンをダブルタップすれば、MacのSiriが使える。

ちなみにApple Watch 4に接続時には「Hey Siri」が使えた。

バッテリーの保ちは不明

Appleの説明では少しだけバッテリーの保ちがよくなったようだけど、そこまで使い込んでいないので不明。少なくても2年落ちのAirPodsよりは、はるかにバッテリーが保ちそうだ。

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音質は?

筆者の耳では新型は音量が大きく聞こえるが、音質はよくわからない。低音が若干強調されるようになった気もするが、個体差かもしれない。

いくつか実験

新旧AirPodsを同時登録できるか?

こちらは可能。新旧AirPodsどちらでも耳に装着した方と接続する。

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新旧AirPodsのイヤホンを混在して利用できるか?

こちらはできない。iPhoneが1種類のAirPodsとしか同時に接続できないので無理。

ただし、新モデルをMacに繋いで、旧モデルにiPhoneに繋ぐと、両方同時に使うことができる(逆も可能)。右耳からMacの音楽、左耳からiPhoneの音楽を流すことができるが、そうしたい場面は、ちょっと思いつかない。

ちなみに片方をiPhone、片方をApple Watchに繋いで使うことはできない(新旧モデルとも)。

新旧AirPodsのイヤホンを混在して充電できるか?

これはできない。行おうとすると、下記のエラーが表示される。

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旧AirPodsのイヤホンを新AirPodsのケースに両方入れても充電できそうだ。ただし、その場合、iPhoneで確認できるバッテリー状態の表示が、たまにおかしくなる。接続している新旧どちらのAirPodsのバッテリー容量を表示するべきなのか混乱するようだ。

Hey Siriとデバイス切り替えは買い換える価値あり

筆者の初代AirPodsのバッテリーが弱っていたので迷わず買い替えたが、その他の人は買い換える価値があるだろうか。

口頭での「Hey Siri」とデバイス切り替えの反応はよく、それだけでも買い換える価値はあると思う。

ただし、ワイヤレス充電対応モデルを買う価値があるかは人によるかもしれない。ワイヤレス充電モデルは、通常モデルより5,000円高い。5,000円を余計にだしてまでワイヤレス充電したいかは、その人の環境によると思う。

マグネット充電ケーブルを持っていたら、Lightningコネクタを挿す必要はなくなるので、ワイヤレス充電の恩恵も半減する。

ケーブルを本気で廃止したい人は、迷わずワイヤレス充電対応モデルを買おう。

新しいワイヤレスイヤホンを探している人は、新型AirPodsを検討してみるとよい。iPhoneに接続して使うなら新型AirPodsはベストな選択だ。

防水やノイズキャンセリング機能はないので、わかりやすいスペックでは他社に劣るが、切り替えの速さ、接続の簡単さなどスペックにでてこない部分ではAirPodsの使い勝手は他社を上回る。

AirPowerの開発中止からわかる4つのこと。AirPowerを殺したのはAppleのサービス重視

AirPowerの開発中止

Appleがワイヤレス充電器「AirPower」の開発中止を発表した。

2017年9月にAirPods発売と同時に、開発が発表された「AirPower」だが、待てど暮らせど登場せず、ついに開発中止となった。

AirPower開発中止からわかることを書いておきます。

[:contents]

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2代目AirPodsの発売が遅れた

AirPodsは2年間モデルチェンジされなかったが、先週ついに発売された。長い間、新モデルがでなかったのは、AirPowerのせいだろう。

AirPowerは、iPhone、Apple Watch、AirPodsをどこに置いても充電できる仕様だったので、AirPower販売と同時にワイヤレス充電対応のAirPodsが登場するはずだったと思われる。

その証拠にAirPower開発断念が公表される直前に新型AirPodsが発表された。

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新型AirPodsの仕様がしょぼくなった

登場した新型AirPodsはワイヤレス充電対応など進化した点もあるが、防水やノイズキャンセリングなど大胆な変更点はなかった。

おそらく、新型AirPodsはもっと早く発売する予定で、仕様も早々に決まっていたと思われる。ところが同時発売する予定だったAirPowerが完成しないので、AirPodsは古い仕様のまま発売されたのではないだろうか。

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ワイヤレス充電器が安くなった

AirPowerは、どこに置いても充電できる仕様を実現するために複数の充電コイルを内蔵する設計だったが、発熱などの問題をクリアできなかったと思われる。

発熱だけではなく、コストも問題になっただろう。複数の充電コイルのために、AirPowerはかなり高い値付けが予想されていた。おそらく2万円近い値段になったはずだ。この2年の間にワイヤレス充電器の価格は下落し、3,000円前後で買うことができる。

Appleのブランド力をもってしても、現在の市場で2万円の充電器を売ることは難しかったに違いない。

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サービスに軸足を置く

開発が難しかったAirPowerだが、仕様を変更して普通の充電器を発売してもよかったが、Appleはその選択をしなかった。

長い間販売していたWi-FiルーターであるAirMacの販売もAppleはやめてしまった。身につけない周辺機器にAppleは興味が無いようだ。周辺機器は価格も安く、利益幅も薄いのでAppleとしては売りたくないのだろう。

AirPowerの販売断念は、ハードウェア企業から、マージンが大きいサービス企業に移行しようとしている現代のAppleの象徴的出来事である。

iOS 12.2登場。Apple TVを操作するならコントロールセンターが便利

iOS 12.2にアップデート

春イベントで発表されたApple News+に対応するため、iOS 12.2が登場した。最近のアップデートには珍しく、いくつかの目に見える変更点があった。

日本で関係しそうな主な変更点は、こちら。

  • 4つのアニ文字を追加(フクロウ、イノシシ、キリン、サメ。IKEAサメによせた?)
  • コントロールセンターのTVコントロールが変更
  • スクリーンタイムで休止時間を曜日毎に設定可能
  • Safariのアドレスバーに文字を入れた瞬間に検索候補を表示

この中でTVコントロールを紹介します。

アイコンが変わった

見た目で変更がわかりやすいのはコントロールセンターのアイコンだ。コントロールセンターを表示するにはiPhone X系なら画面右上端から下へスワイプする。今まではApple TVそのものアイコンだったが、テレビのリモコンのようなアイコンに変更となった。アイコンを変更した理由は、Apple TVだけではなく、AirPlay 2対応の他社のデバイスも操作できるようになったからだ。

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コントロールセンターに見慣れぬアイコンが

リモコンも変わった

アイコンをタップすると、Apple TVのリモコンような画面が表示される。以前の画面に比べて格段に便利になっている。なんとApple TV用のアプリ「Remote」より高機能だ。

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左から旧TVコントロール、アプリ「Remote」、新TVコントロール

TVコントロールには検索ボタンがある。Apple TVを起動してタップすると全体の「検索App」画面に移行する。この「検索App」は、どの画面からも即座に検索できるが、検索対象は対応している全てのアプリだ。

たとえば映画を検索すると、「iTunes Movie」だけではなく「Amazon Prime」や「Netflix」も対象になる。Amazon Primeを見ているときでも、Amazon Primeだけの検索はできない。

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左が文字入力画面、右が動画鑑賞中の画面

ロック画面から動画を操作

Apple TVもtvOS 12.2にアップデートすると、ロック画面で動画をコントロールすることができる。今まではiPhoneのロックを解除しないと操作できなかったので、この機能はとても便利だ。左のリモコンアイコンをタップすると、TVコントロール全般が操作できる。

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コントロールセンターに慣れよう 

どれぐらいの人が使っているかわからないが、コントロールセンターは慣れると便利だ。カメラを使いたい時もすぐに起動できる。今回のアップデートをきっかけに、使っていない人は一度試してみよう。

定額動画配信サービス「Apple TV+」などAppleが新サービスを発表した背景を考察

4つの新サービス

Appleの春イベントではハードウェアの発表は一切なく、新しいサービスのみが発表された。

  • 雑誌読み放題「Apple News+」(アメリカとカナダ)
  • クレジットカード「Apple Card」(アメリカのみ)
  • ゲーム遊び放題「Apple Arcade」(150カ国以上)
  • 定額動画配信「Apple TV+」(100以上の国)

ひとつずつ背景を考察します。

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Apple News+

日本では提供されていないので馴染みがないApple Newsに300以上の雑誌読み放題サービスが加わった。アメリカでは月額9.99ドル(約1,100円)で提供される。

特徴としてはファミリー共有ができること。

日本でもたくさんある雑誌サービスのうち「dマガジン」と強引に比較すると、こちら。

  • 価格:Apple News+ 1100円 / dマガジン 400円
  • 雑誌数:Apple News+ 300以上 / dマガジン 200以上

雑誌数はApple News+が多いが、価格はdマガジンは半額以下。他のサービスもそうだが、日本のサービスは非常に安い。

雑誌や出版社は国によって商習慣も法律も異なるので、海外へ展開するのが非常に難しい。動画配信とは異なり、出版社は無数にあり中小企業が多い。

Apple Newsが開始して2年経っても日本では提供されていないので、Apple News+が日本で開始することは当分ないと思われる。

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Apple Card

Appleが提供するクレジットカード。Appleで発行でき、Apple Payで利用できる。iPhoneで毎月の支出を管理できる。

Appleらしく内容は非常にシンプル。年会費は不要で、クレジット番号は表示されない。キャッシュバックも明確。Apple Storeでは3%、その他の店舗では2%。一応、Apple Payが使えない店舗用に物理的カード(チタン製!)も用意される。

日本で言うと、LINE Payカードが一番近いかな。いずれ日本でも開始されるだろう。

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Apple Arcade

100タイトル以上のゲームを定額で提供されるサービス。iPhone、Mac、Apple TVで遊ぶことができ、オフラインでも遊べるようだ。コナミやSEGAなどの日本のベンダーも参加する。

提供される国名は公表されていないが、日本語のプレスリリースもでているので、日本でもこの秋に登場する可能性が高い。

スマホでは広告モデルでの無料ゲームが多いが、定額料金を払うことで広告無しでゲームを遊べる。

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Apple TV+

定額動画配信サービス。先行するAmazon PrimeやNetflixと同様にオリジナルコンテンツをAppleが制作する。スティーブン・スピルバーグなど錚々たるクリエイターが名を連ねている。iOSとApple TVだけではなく、Macにも提供される。

月額料金も提供されるコンテンツもわからないので、ライバルのサービスと競合できるかは秋の開始を待ちたい。

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日本で提供されるのは、Apple ArcadeとApple TV+

 

サービス開始がまだで詳細はわからないが、ひとつ言えるのはAppleがサービス事業に参入し、ライバル企業と本格的に競合していく決心をしたことだろう。

イベントでもっとも時間を掛けて紹介したように、新サービスの中でApple TV+が一番重要なサービスとなる。競合サービスも多いし、動画配信サービスはApple TVなどのハードウェアの売上にも影響する。

Apple Arcadeは面白い試みだ。ゲームで遊ぶ人の多くが、広告モデルにうんざりしている。金額次第だが、安い料金なら使ってみたい人も多いだろう。

今回のサービスにより、多くのサービスをAppleが抱えることになる。必要なサービスをユーザーが選ぶのもよいが、Amazon Primeのようなリーズナブルにパッケージされたサービスがあるとユーザーも選びやすい。

今後、Appleがサービス事業をさらに加速させたいなら、検討すべきだろう。

最新iPad Air、iPad mini、無印iPadを比較。どれを買うべきかタイプ別に紹介

iPad Air、iPad mini登場

3夜連続の先週の発表で、最も驚いたことはiPad Airの復活だろう。噂にあった新iPad mini、iPad Proの2モデル、無印iPadと合わせて計5モデル体制になった。

5モデルも同時に販売されるのは史上初(たぶん)。選択肢が多いのは嬉しいが、どれを買ったらよいか迷ってしまう。

性能を比較しながら、どういう人がどのモデルを買うべきか考えてみます。

 iPad Proは特別

iPad Proを選ぶか、そうではないiPadを選ぶかが最初のポイントだ。

iPad Proは特別なモデルだ。iPad Proは11インチモデルでも89,800円、iPad Airの54,800円と35,000円の差がある。性能も異なる。Face ID、Liquid Retinaディスプレイ、Apple Pencil(第2世代)対応、USB-Cコネクタと他のiPadと多く異なる。

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ディスプレイサイズと価格帯

1.5倍価格が違うと、同じカテゴリーの製品ではない。上述の性能を望むなら、iPad Proのどちらかのモデルを選べば良い。

性能と価格が近い残りの3モデルで比較すべきだろう。

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ディスプレイサイズ

5モデルのディスプレイサイズはすべて異なる。 iPad mini< iPad <iPad Air の順に大きい。iPad AirとiPadの違いは0.8インチ。触れれば体感でわかるサイズの違いだが、使い方は大きく変わらないだろう。片手で掴めるサイズではないので、ベゼルを掴んでもう片方の手で操作するか、本体を置いて操作するしかない。

iPad miniは片手で掴めるサイズで、大きなズボンのポケットなら入れることができる。片手で持ちたい、立って使いたいなら、iPad miniを選ぶべきだろう。

iPadはTrue Toneディスプレイに対応していない。Trure Toneは色と明度を自動的に適応させ自然に表示してくれる。

両ディスプレイを比較すればわかるレベルだが、WebブラウザやOfficeを使うぐらいならiPadのディスプレイでも困ることはないだろう。

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プロセッサ

iPadのみA10 Fusion、その他の2モデルは最新のA12 Bionicを採用している。A10はiPhone 7に採用されているプロセッサで、通常の使い方では性能の差はわからないだろう。負荷が大きいゲームで遊ぶか、長く使うつもりなら最新プロセッサを選んだ方がよい。

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Smart Keyboard対応

iPad AirのみSmart Keyboadに対応している。Smart Keyboadは、無線ではなく直接繋ぐことができるので、iPadから給電してくれる。

Bluetoothのように接続の手間がいらないのでキーボードを頻繁に使う人はiPad Airを選ぶべきだ。

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価格帯

ディスプレイサイズとは異なり、iPadのほうがiPad miniより安い。ディスプレイとプロセッサの性能差による価格差だろう。ただ、iPadの最低価格のストレージは32GB。Micro SDカードが使えないiPadはストレージを増設できないので、内蔵ストレージは多めにしておくべきだ。iPadの128GBだと、iPad mini 64GBの方が3,000円安い。

価格だけでも選ぶなら、iPadと決める前にiPad miniでも問題ないか一度確認しても良いと思う。

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本体サイズ

本体サイズはディスプレイサイズに比例する。比較するなら厚さ。iPad Airの厚さは6.1mm、iPadは7.5mm。タブレットPCにおいて1.4mmの差は大きい。といってもiPhone XSの厚さは7.7mmで、iPadよりも0.2mm厚い。iPad AirとiPad miniが薄すぎるとも言える。

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重量

iPad AirとiPadの差は14gで大して差がない。iPad miniの約300gはタブレットの中でもかなり軽い部類に入る。ちなみにiPhone XS Maxは208g。

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その他の違い

フロントカメラはiPadだけ異なる。でもiPadのカメラの性能差を気にする人は少数派かと。
iPadだけBluetoothは4.2。Bluetooth 5.0のほうが省電力だが、iPadのバッテリー容量だと気にする必要はないだろう。

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iPadはeSIMに非対応。

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値段を追求したい人

32GBのiPadが最も安いが、128GBのiPadは64GBのiPad miniより高いことは留意しておくべきだ。ストレージを増設できないので、iPadは128GBを選ぶべきだ。

  • iPad 128GB

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立って使いたい人

立って使いたい人、持ち歩きたい人はiPad mini一択だろう。

  • iPad mini

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キーボードを使いたい人

Smart Keyboard対応のiPad Airが良い。Smart Keyboardなら何の設定も不要でキーボードを簡単に接続できる。

  • iPad Air

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長く使いたい人

頻繁に買い換えるのではなく、長い間同じモデルを使いたい人はiPad Airが良いだろう。iPad Air内蔵のプロセッサA12 BionicはNeural Engineに対応している。ニューラルネットワークは今後進化していくだろうから、長期的に使用するならiPad Airを選ぶべきだ。

  • iPad Air

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動画鑑賞がメインの人

縦横比はどのiPadも同じ4.3。映画を鑑賞するには望ましいディスプレイサイズではないが、動画鑑賞するならディスプレイサイズが大きいiPad Airが良いだろう。

  • iPad Air

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やっぱりAirPowerは存在する⁉  AirPowerを発売する証拠をまとめてみた

AirPowerはなくたったと思ったら

先週の新型AirPods発表に伴い、AirPowerの画像が削除されたので、AirPowerの開発は中止になったと思われた。そもそもAirPodsのワイヤレス充電対応と同時にAirPowerが発売されると予想されていた。

しかし、ここにきてAirPowerが存在する証拠がでてきたのでまとめて紹介します。

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iOS 12.2に表記

iOS12.2のベータ6のソースに、AirPowerを載せたデバイスを表示するためのコードが発見された。ベータ版のコードの中に新商品のグラフィックがみつかることが過去にもあった。ただ、マット型のワイヤレス充電器は似た形状をしているので、AirPowerと断定できる画像なのか気になる。

Appleサイトに表記

AppleサイトのコードにAirPowerの画像が隠されているのが見つかった。オーストラリアのAirPodsのページにあり、iPhone XSが載っていたので昨年秋に書き直した画像だと思われる。

サプライヤーからの情報

台湾の半導体メーカーがAirPowerを3月下旬に出荷するという情報を台湾メディアDigiTimesが報じている。この情報が事実なら、もうそろそろ発売されることになる。

発売されても様子見の方が良い?

色々な情報がでてくると、AirPowerがやっぱり存在する気もしてくる。ただ、AirPowerを販売するなら、どうしてAirPodsと一緒に発表しなかったのだろうか。

新AirPodsはワイヤレス充電機能以外は旧型とほとんど変わっていないので、設計は難しくなかったはずだ。初代から2年が経過した昨年秋に新型iPhoneと同時に発表できたと思われる。

それを3月まで発売しなかったのはAirPowerの完成を待っていたと推測できる。そうだとすると、AirPowerとAirPodsの同時発売しない理由がわからない。

本当は同時発売する予定だったが、何らかの不具合が発見されてAirPowerだけ生産が遅れたのかもしれない。

3デバイス同時充電が可能なAirPowerは設計が非常に難しいと言われてきた。もし発売されても、不具合がでないか確かめてから購入したいかな。

ついに登場した新型AirPods。進化した点、進化しなかった点を検証

新AirPods 2登場!

Appleのサイレントローンチ第3弾は待望の新型AirPodsだった。初代発表から2年半、本当に長かった。

しかし、今回の連続サイレントローンチには驚いた。イベント以外の話題作りとしては、大成功だったように思う。

さて、筆者も個人的にずっと待ち望んでいたAirPodsの新型は、どこが進化して、どこが変わらなかったか、過去の噂や要望を元に検証してみます。

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ワイヤレス充電

公約通り、新型AirPodsはワイヤレス充電に対応した。

iPhone同様Qi充電に対応したので、サードパーティ製のQi充電マットの上で充電できる。外観における唯一の変更点であるケースのインジケーターが点灯して充電状態を知らせてくれる。

充電にかかる時間と充電可能なワット数は公表されていないが、iPhoneと同じ7.5W充電だろうか。

ちなみに、開発していると噂されていた純正の充電器AirPowerは、新型AirPodsの登場と共にAppleのサイトから姿を消した。もしも存在するなら今回が発表の絶好の機会だったので、今後の登場はかなり期待薄だ。

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新型AirPods登場と共に、この画像が消された

マルチポイント

複数のデバイスと同時に接続し、デバイスを切り替えることなく音楽を楽しめる機能がマルチポイントだ。初代AirPodsはiPhoneで音楽を聴いていて、Macで動画を鑑賞する時は手動で切り替えないといけない。

新型では改善してほしかったけど、どうやら変わっていないようだ。その代わり、新しく搭載したApple H1ヘッドフォンチップにより、デバイス間の切り替え速度が約2倍になった。

手動で切り替えるのは変わらなそうだけど、イライラは少し緩和されそうだ。

ボリューム調整

AirPodsでボリュームを調整するには、iPhoneやApple Watchで操作するか、Siriに頼まないといけない。通常のワイヤレスイヤホンにあるボリュームを調整するボタンがAirPodsにはない。不便だから新しいスイッチがつくかと思ったが、イヤホンの外観には一切変更ない。

その代わりではないが、新型AirPodsは「Hey! Sir」で応答するようになった。Siriに命令すれば、AirPodsに触れることなく、ボリュームを調整できるようになった。

ただ、マイクの性能が変わらないと、屋外で使用する場合の認識率が気になるところ。

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完全防水

防水機能の変更はなさそうだ。SONYのワイヤレスイヤホンは水泳でも使えるので、雨天で安心して使えるようにしてほしかった。

ノイズキャンセリング

他のイヤホンでは定番になるつつあるノイズキャンセリング機能だが、新型AirPodsには搭載されていない。

バッテリー性能の向上

連続通話時間は最大2時間から3時間に伸びた一方で、音楽などの再生時間は最大5時間と変わっていない。

フルマラソンに使用するには、ぎりぎりの連続使用時間だ。ライバルと比較して短くはないけど、改善してほしかった。

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急速充電

少し前に急速充電に対応する噂があったが、充電時間の変更もないようだ。15分の充電で最大3時間の再生時間も変更がない。

ブラックモデル 

こちらも噂にあったブラックモデルと滑りづらいコーティング加工も存在しなかった。iPhone XRのカラバリなど、最近のApple製品は多色展開が当たり前になってきているのに、今回もAirPodsはホワイトのみ。価格が安い製品のカラバリは用意しない方針なのだろうか。iPhoneやApple Watchと合わせてスペースグレイモデルがあっても良いと思うけど。

とにかく発売されてよかった

このまま秋まで発売されないかもしれないと危惧していたので、新型が発売されてまずはよかった。ワイヤレス充電に対応したが、それ以外の性能の進化はわずかだ。ノイズキャンセリングや防水など他社に追いついていない点も多い。

とは言え、Apple製品との親和性の高さ、コンパクトな外観など、魅力的な製品なので、やっぱり買い替えてしまうけど。

今度はiMac!なぜAppleは毎日サイレントローンチを行うのか?

新型iMac登場!

昨日のiPad miniとiPad Airに続いて、今日は新型iMacが発表された。

2017年6月以来2年ぶりの刷新で、CPUやGPUなどが進化した。どうして来週のイベントではなく、Appleはサイレントローンチで発表したのだろう。

背景を考えてみます。

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マイナーアップデートの内容

今回の変更で、筐体は一切変更されていない。2018年に発表されたiMac Proのようなベゼルレスディスプレイにはならなかった。

内部スペックの変更だけのマイナーアップデートレベルの変更なので、イベントで大々的に発表する内容ではなかったのは理解できる。

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新サービスの発表に時間をかけるため

連日の新ハードウェアの発表は、来週のイベントが全く別のタイプの発表ということを意味する。

噂されている「定額動画配信サービス」と「雑誌読み放題サービス」開始の発表だろう。

iPadが6モデル体制になり、需要は決して大きくないデスクトップPCをMac mini、iMac、iMac Proの3モデル体制をAppleが維持するのは、ハードウェアの売上が停滞しつつあるからだ。小さい需要も取りこぼさないように多数の選択肢を用意しようとしている。

今のAppleにとってサービス部門の売上拡充は絶対に外せない。新サービスを成功させるために時間をかけて発表するつもりなのだろう。

動画配信サービスは、自社制作のオリジナルムービーの質と量が他サービスとの差別化になる。Netflixなど先行するサービスに追いつくためには、オリジナルムービーや撮影体制を発表する必要がある。映画の紹介にはどうしても時間がかかる。

その十分な時間を確保するためにハードウェアの発表をサイレントローンチに切り替えたと思われる。

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Appleによる実験

連日のサイレントローンチは過去に例がない。昨日のAppleのサイトはメンテナンス中にならなかったのに、iMacは発表された。一昨日のメンテナンスで、iMacも含めて新製品の発表を仕込んでおいたに違いない。

噂によると新型iPod Touchの発表も予定されているらしい。新型AirPods 2もサイレントローンチされる可能性もある。

最大限の効果を発揮するためにAppleのイベントは周到に用意されていて、リハーサルも入念に行われる。当然、コストもバカにならない。

サイレントローンチでも、そこそこの成果を収められるなら、Appleはイベントの頻度を減らしたいだろう。

今のAppleは多くの製品とサービスを抱えている。全ての製品とサービスをイベントで発表することはできないので、選別する必要がある。

今回の連日のサイレントローンチは、今後の発表体制を検討するためのAppleによる実験かもしれない。

新iPad mini、新iPad Air発売。iPad Airが復活した理由とイベント前のサイレントローンチが意味すること

新iPad mini、新iPad Air発売!

昨日突然Appleのサイトがメンテ状態になり、メンテが終わると新iPad miniと新iPad Airが登場していた。この発表を予想できた人はいないだろう(Appleの中の人以外)。

今回の発表で驚いた点は、こちら。

  • iPad miniのApple Pencil対応
  • まさかのiPad Airの復活
  • イベント直前のサイレントローンチ

それぞれの意味と背景を考察します。

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iPad miniのApple Pencil対応

iPad miniが復活する噂は昨年から何度もあったが、あの小さな画面でApple Pencilに対応すると思っていた人は少ないだろう。iPad miniのディスプレイサイズは7.9インチで、iPadファミリーでは最小であり、iPhone史上最大のiPhone XS Maxのディスプレイサイズ6.5インチとの差は、1.4インチしかない。

ジョブズがスタイラスペンは不要と言った影響かどうかわからないが、Appleは小型ディスプレイでApple Pencilを使うのは否定的だと思っていたので、意外な対応だ。

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iPad Airの復活

iPad Airの復活もかなりのサプライズだった。昨年春に発表した無印iPadのアップデートが行われると思っていたが、無印とは別にiPad Airの名が2年ぶりに復活した。

これによりiPadは5種類のディスプレイサイズが揃ったことになる。

小さい順に並べると、このようになる。

  • 7.9インチiPad mini
  • 9.7インチiPad
  • 10.5インチiPad Air
  • 11インチiPad Pro
  • 12.9インチiPad Pro

ディスプレイサイズとストレージの関係を表した図が、こちら。

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モデル数が多すぎるように思えるが、こうやって並べるときっちり整理されているのがわかる(少なくても同じディスプレイサイズの製品がひしめくMacBookシリーズよりは)。iPad Airは、iPad ProとiPadの間に入るサイズだ。「廉価版ではないiPad」がiPad Airと考えて良さそうだ。

ディスプレイとストーレジ以外のiPadとの違いは、こちら。

  • チップ(iPad Air: A12 / iPad: A10)
  • True Toneディスプレイ対応
  • Smart Keyboard対応 (Smart Keyboard Folioではない)
  • eSim対応

A10はiPhone 7に使われたチップなので、無印iPadの速度に不満を持つ場面は少ないだろう。そうなると、残りの3つの違いとディスプレイサイズの大小をどこまで重視するかによって、買うプロダクトが決まってくる。

ちなみに、iPad Airは無印iPadより0.6 mm薄いが、重量はほとんど変わらない。軽さを求めるなら、iPad AirよりiPad miniを購入すべきだ(iPad miniは約300g)。

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イベント直前のサイレントローンチ

来週の3月25日にAppleはイベントの開催を予定している。その直前に新製品を発表するのは、かなり異例だ。

この時期に発表したのは、元々はイベントで発表する予定だったがイベント内で発表しきれないか、他の発表に注目を集めたいのが理由だろう。

ハードウェアメーカーは、何年も前から新製品の発表スケジュールを決めて開発を進めている。今回のiPad miniとiPad Airも2019年春イベントで発表するつもりで開発していたに違いない。

チップだけを変更するなどのマイナーチェンジの場合は、サイレントローンチもありえるが、今回は「史上最小サイズのApple Pencil対応iPad」「まさかのiPad Air復活」とイベントで発表しても十分興味を引く内容だったから、意外だった。

とは言っても、防水やワイヤレス充電など今までのiPadにない革新的な要素は皆無だったから、サイレントローンチにした判断も理解はできる。

「他の発表に注目を集める」のが、今回のサイレントローンチの主な理由と思われる。今回のイベントでは「定額動画配信サービス」「定額雑誌読み放題サービス」の登場が噂されている。

サービス部門の売上拡大は、iPhoneの売上が停滞しているAppleにとっては至上命題。そのために、ハードウェアの発表を今週行って、来週のイベントでは新サービスの発表にたっぷり時間を充てるつもりに違いない。

新型AirPods 2は?

そうなると気になるのは、iPadと同じく噂になっていた新型AirPods 2はどうなったか。個人的にも大変期待しているモデルで、昨日はメンテが終わったらすぐに購入しようとAppleサイトとにらめっこしていた。

新サービスの発表に注力するなら、新型AirPodsの登場もないことになる。今回発表するサービスとAirPodsとAirPowerは親和性が低い(雑誌サービス向けならiPad Airのほうがまだ理解できる)。

3月のイベントがある年は、WWDCでハードウェアの発表が行われる可能性は低い。AirPods 2の登場は、秋のiPhone発表までおあずけになるのだろうか。内容的にはiPhoneと同時発表が一番しっくりくるけど、個人的には非常に残念だ。

SpotifyとAppleの喧嘩の背景にあるプラットホーム問題とは?

激おこのApple

Spotifyの告発に対してAppleが反論のニュースリリースを発表した。

控えめに言ってAppleはめっちゃ怒っている。どうして、こんなことになっているのだろう? 考察してみます。

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Spotifyの主張、Appleの反論

Spotifyは、所有するApp Storeを利用してAppleがApple Musicを不当に優遇したと告発していた。告発の中でSpotifyは色々言っているが、「App Store経由のSpotifyのサービスに30%(2年後以降は15%に減免)の手数料をAppleに支払わなければならない」ことについて強く文句を言っている。

それに対してAppleは、全体の82%のアプリは無料で手数料をAppleに支払う義務はない、広告を表示して利益を得ているアプリはAppleに1円も払っていない、アプリを経由して販売した商品の売り上げにも手数料は発生しない、と主張している。

手数料を支払う義務が生じるのは、デジタルコンテンツをApp Store内の課金システムを利用した時だけ、それ以外は無料でプラットフォームを提供しているAppleは寛大であり、自分たちが儲けているのに1円も払いたくないというSpotifyの主張は強欲だと非難している。

支払い義務を生じている開発者は一部であり、自分たちはみんなが儲けることができる(エコシステム)の構築と維持に努力していると言ってるが、今回の議論の本質は、「プラットフォームを使用する費用を払うべきかどうか」ということだろう。

Appleはプラットホームを独占している?

GAFA脅威論」でも言及したが、いわゆるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)への脅威とはプラットフォームの独占だ。

今回のSpotifyの主張も、App StoreというAppleが自社で所有するプラットフォームを独占的に利用し、正当な競争を妨げるというものだ。

Spotifyは30%の手数料をAppleに支払わなければならないのに、Appleの自社サービスApple Musicはもちろん手数料を払わないので、料金面でApple Musicは有利になる。これでは正当な競争はできないというのが、Spotifyの主張だ。

Spotifyの主張は理解できるが、2点欠けている点がある。

ひとつは、App Storeというプラットフォームを立ち上げ維持するためにAppleは膨大なコストと手間をかけている点だ。そのプラットフォームを全て無料で使われてしまっては、AppleはApp Storeを維持できない。

App Storeをショッピングモールと捉えれば、モールに店舗(アプリ)を出店するなら手数料を支払うのは通常の商行為だ。全て無料ではモールを維持できない。

もうひとつは、Appleがプラットホームを独占しているかどうかという点だ。Appleは、自社でハードウェア・OS・サービスを独占している。それによって統一したデザインと強力なブランド力を維持している。Appleの規約に外れたアプリをiPhoneにインストールすることはできない。

しかし、iOSのシェアは全世界で20%を切っている。Appleの規約が気に入らないなら、iOSのApp Storeから撤退し、Android OSやその他のプラットホームで商売すればよい話だ。

Appleはシェアを追わず、高い利益を得るビジネスモデルだ。Windowsと争ったときもそうだったし、スマートフォンの時代になってもトップシェアを握っているのはAppleではない。

プラットホーム同士の競争が鍵

Spotifyの主張全てが荒唐無稽というわけでもない。プラットホームをもつ企業同士が結託してしまえばどうなるだろう。AppleとGoogleが結託して、iOSとAndroid OS両方がアプリ提供業者に不利な契約を強いたらどうなるだろう。アプリ提供業者は逃げ場がなくなり、いずれはAppleとGoogleのサービスに負けてしまうだろう。

サードパーティが良いアイディアをもつサービスやアプリを開発しても、それをAppleとGoogleが真似して、他社を排除することもできてしまう。サブスクリプション型の音楽配信サービスはAppleが発明したものではないが、Apple Musicはサブスクリプション型で成功している。

今はAppleとGoogleも協同するというより競争を続けているように見える。競争こそが複数の選択肢と可能性をもたらす。プラットホーム同士の健全な競争が続くように政府もユーザーも注視するべきだろう。

Appleが6月3日からWWDC 2019を開催。過去のWWDCから発表される新製品を予測する

今年はサンノゼ

Appleが6月3日から開発者会議「WWDC 2019」を開催すると発表した。

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Appleのイベントといえば、イベントの内容を示唆する意味深な画像に意味深なタグラインが有名。今回の招待状には開発者のイベントらしく、クリエイターらしき頭から様々なものが飛び出す画像になっている。

タグラインはWrite code. Blow minds」。訳すと「コードを書け、衝撃をあたえろ」みたいな感じですかね。

こちらも新製品発表というよりは、開発者向けのメッセージに思える。例年通り、基調講演では、Appleの4大OS(macOS, iOS,  watchOS, tvOS)の次期バージョンの発表がメインになると思われる。

とは言え、過去のWWDCでは新製品も発表されている。2018年はソフトウェアのみだったが、2017年はiMac Proが発表されている。

今年のWWDC 2019で、どんな新製品が発表されるか考えてみよう。

3月イベントがあるときは、WWDCでの新製品発表はない?

新製品発表を考えると言ったけど、WWDCで製品が発表される可能性は低いと思う。3月のイベントがまだ終わっていないのでなんとも言えないが、過去3月のイベントがある年はWWDCでハードウェアは発表されていない。

 

2018年

  • 3月イベント:新iPad
  • WWDC:ソフトウェア・OSのみ

2017年

  • 3月イベント:なし
  • WWDC:iPad Pro、iMac Pro、OS

2016年

  • 3月イベント:iPad Pro、iPhone SE
  • WWDC:OSのみ

2015年

  • 3月イベント:Apple Watch、MacBook
  • WWDC:Apple Music、OS

 

3月イベントがなかった2017年のみ、大量の新製品が発表されている。WWDCはあくまでも開発者向けのイベントだ。開発の基盤となる新OSの発表がメインになるパターンが基本。

というわけで、3月のイベントが控えている2019年のWWDCではハードウェアの新製品の発表はないと予測する。

新OSの予測は、また後日行います。

新型iPadへの要望は防水、ワイヤレス充電、軽量化

次期iPadの噂

売上が低迷していたiPadの復権は2018年のAppleの大きな課題だった。タブレット市場を拡大するため、iPad Proをアップデートし、廉価版のiPadを発表した。iPad Proでは不満が多かったApple Pencilの充電方法を改善し、Face IDを導入した。Appleには珍しく、ユーザーの望みを叶えたモデルチェンジだった。

3月のイベントでは、長らく放置していたiPad miniの新型が噂されている。

片手で持てて電子書籍が読める小型のiPad miniはユーザーの要望が多かったモデルだ。タブレット市場拡大のため、Appleは今回もユーザーの希望に沿った製品を発表するようだ。

でも、iPadへの要望は他にもある。思いつく点を列記します。

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防水

防水のいわゆる「お風呂タブレット」は絶滅の危機に瀕している。筆者はSONYの「Xperia Z3 Tablet Compact」(以下、Z3)を使っていて不満はないが、5年前の製品で、もちろん今は販売していない。SONYはすでにタブレットから撤退している。

最近タブレットに注力しているのは、HUAWEIだ。HUAWEIは防水タブレット「HUAWEI MediaPad M3 Lite 10 wp」(以下、M3)を販売している。ただ上の記事でも説明したようにM3はZ3よりもかなり重たい。

そのHUAWEIも、販売している防水タブレットはこの1機種のみで、最新のM5シリーズでは防水モデルを販売していない。

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防水モデルに人気がないのだろうか。お風呂だけではなくプールサイドなどでタブレットを使いたいユーザーは多いと思う。海外のプールへ行くと、プールサイドに寝転がってiPadやスマートフォンを愉しむ人をよく見る。

iPhoneなど多くのスマートフォンが防水対応になっている。iPhone 8・iPhone XからIPX7等級に準拠している。

iPhoneが防水対応できるなら、iPadでも可能なはずだ。

ワイヤレス充電

意外かもしれないが、iPadはワイヤレス充電に対応していない。iPhoneでワイヤレス充電に慣れるとケーブルに挿すのが面倒に思えてくる。

ワイヤレス充電に必要な受電コイルを筐体が大きいタブレットのどこに内蔵するかは確かに難しい。筐体中央に内蔵すると、筐体と充電器がずれやすくなってしまう。立てかけるスタンド型だとタブレットが倒れないように充電器が大型化してしまう。

ただiPad Proはワイヤレス充電をできないが、Apple PenciやSmart Keyboard Folioにワイヤレス給電はできる。Smart Keyboard Folioは、iPad Pro側のSmart Connectorとマグネットで接続し、iPad側のバッテリーから給電され稼働する。

これと反対にSmart Connectorから充電できるようになれば、iPadでもワイヤレス充電が実現できる。Smart Connectorは本体端にあるので、本体を水平に充電すると傾いてしまうが、本体中央にも受電コイルを内蔵してもよいと思う。

ところで、タブレットでワイヤレス充電対応している機器ってあったっけ?

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軽量化

性能も大事だが、片手で持ってつかうタブレットには軽量化も重要な要素だ。次期iPad miniは現行モデルと同じボディサイズと噂されている。現行のWi-Fiモデルは約300g。次期モデルにはもう少し軽量化してほしい(ちなみにZ3は約270g)。

まとめ

  • 防水
  • ワイヤレス充電
  • 軽量化

筆者がタブレットに求める要素は、この3つだ。

スマートフォンは、ここにあげた防水とワイヤレス充電の両方を実現している。ディスプレイサイズも大型化し、タブレットを使わなくてもファブレットと言われる大型スマートフォンを使えば、タブレットがなくても不自由しない状況も多い。

タブレット市場を活性化するためには、様々な需要にあったデバイスを投入する必要がある。細かいニーズを拾って最適な製品を提供しないと、「スマートフォンを使えばいい」と思われてしまう。そのためにも、ここに挙げた要望を実現するタブレットの登場を期待する。

Apple WatchでPay Payや楽天ペイなどのQRコード決済が可能か調べてみた。LINE PayをApple Watchで使う方法も

Apple WatchでQRコード決済

Pay Payのキャンペーンと消費税の減税対象になることで注目を集めたQRコード決済。スマートフォンにQRコードを表示するかカメラでQRコードをスキャンすることで決済ができるシステムだが、Apple Watchでできればスマートフォンを取り出さず、より簡単に支払いができる。

Apple WatchでQRコード決済ができないか国内の主要サービスを調べてみました。

Pay Pay

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  • QRコード決済:できない

Pay PayではApple Watchのアプリがないので、QRコード決済はできない。Pay PayはバーコードとQRコードを表示して支払うことができる。そのコードをApple Watchに画像として保存すれば決済できそうだが、コードは最初に表示してから5分以内しか使えないので、画像保存したコードを使い続けることはできない。

それに、多くのQRコード決済アプリはアプリ以外でのコードの使用を認めていない。

Pay Payは銀行口座からYahoo!マネーからチャージして利用する方法と、クレジットカードを登録して使う方法があるが、他の決済サービスにチャージすることもできないので、Pay Payを経由して、Apple Watchに対応している他の決済サービスを利用することも不可能だ。

よって、Apple WatchでPay Payを利用することはできない。

<追記:2019/09/11>

iPhoneの「PayPay」アプリがアップデートされて、PayPayがApple Watchに対応した! バーコード払い、残高チェック、履歴の参照がなどがApple Watchでできるようになった。カメラがないので、スキャン払いはできない。

LINE Pay

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  • QRコード決済:できないが、LINE Payカード経由でSuicaへチャージが可能

日本人の多くが利用するLINEプラットホームを基盤としているLINE Pay。LINEにはApple Watch用アプリがあり、Apple Watchでメッセージの参照・返信ができる。

Apple Watch用のLINEアプリには「マイQRコード」というQRコードを表示する機能はあるが、知り合いに自分を登録してもらうコードなので、LINE PayのQRコードとは異なる。

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左が「マイQRコード」右が「LINE PAY」のQRコード。中央の文字が異なる

Apple WatchにLINE PayのQRコードを表示することがLINEアプリ内ではできないので、Apple WatchでQRコード決済はできない。

だが、裏技がある。LINE Payを使って、Apple Watchに登録したSuicaにチャージすれば、Apple Watchで決済ができる。流れは、こちら。

  1. LINE PayでLINE Payカードを発行する

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  2.  LINE Payカードに銀行口座などからチャージする

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  3. LINE Payカードのクレジットカード情報をiPhoneのアプリ「Suica」で登録する

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  4.  Suicaにチャージする。iPhoneのアプリ「Suica」でもApple Watchの「ウォレット」からでもチャージ可能

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  5. レジで「Suicaで支払う」ことを伝え、Apple Watchを端末にかざす

この方法ならQRコード決済ではないが、LINE Payでのチャージを使って、Apple Watchでの決済ができた。この方法のメリットは、クレジットカードを現在持っていなくてもSuicaにチャージができること、支払いをLINE Payで管理できること、ポイントがつくことだ。

LINE Payにチャージした後でSuicaにチャージしなければならないので、面倒ではあるが、LINE Payでポイントを貯めたい人には有効な方法だろう。

楽天ペイ

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  • QRコード決済:できない

楽天が提供する「楽天ペイ」。ローソン、ファミリーマートで利用できるので利用者も多いのではないだろうか。

楽天ペイは、クレジットカードを登録してQRコードで決済ができるサービス。メリットは、クレジットカードのポイントに加えて楽天スーパーポイントがもらえること。普通にクレジットカードを使うよりもお得なわけだ。

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だが、楽天ペイもApple Watchに対応していないので、Apple Watchをかざして利用することができない。

Origami Pay

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  • QRコード決済:できない

株式会社Origamiが提供している「Origami Pay」。2015年から開始しているので、老舗のQRコード決済サービスだ。Origami PayもApple Watch用のアプリがないので、Apple Watchで利用できない。

Origami Payはクレジットカードか銀行口座を登録して利用するので、LINE PayのようにLINE Payカード経由でSuicaにチャージすることもできない。

まとめ

  • Apple WatchでQRコード決済はできない (2019/09/11追記:PayPayでは可能に)
  • LINE Payカードを使ってSuicaにチャージし、Apple Watchで支払いは可能

国内の主要なQRコード決済サービスを調べたが、Apple Watch用アプリを提供していないので、Apple WatchでのQRコード決済は無理だった。

裏技的に、LINE PayはLINE Payカードを経由してSuicaへチャージしApple Watchで利用できた。通常のSuicaへのチャージだとクレジットカードのポイントは貯まらないので(Suicaカードを除く)、LINE Payカードを使ってポイントをもらうのはアリだと思う。

腕を端末にかざすだけで使えるApple WatchとQRコード決済の親和性は良いと思うので、各社にはApple Watch用アプリの提供を要望したい。

指を離さずタップする方法。Macを使う理由はトラックパッドにあり。

Macのトラックパッド

筆者はWindowsマシンとMacBook Proを持っているが、メインに使っているのはMacBook Proだ。シンプルなデザイン、統一されたOSも良いが、トラックパッド(Windowsでいうタッチパッド)が最も気に入っている。

Windowsもバージョンを経て改善されていったが、OSとハードウェアを一体で開発できるAppleのほうが筆者は気に入っている(Surfaceを常用したことないので、使い勝手はちょっとわからないけど)。

Macのトラックパッドの良い点を紹介します。

 

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2本指スワイプでページ間を移動

2本指で左右にスワイプするとページ間を移動できる(3本指の設定も可能)。Safariであれば右スワイプで前のページに戻れる。iOSの画面端からのスワイプによる移動の感覚に近い。

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3本指スワイプでフルスクリーン間を移動

3本指で左右にスワイプするとフルスクリーン間を移動できる(4本指設定も可能)。この動作でアプリを切り替えることが可能だ。

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Windows 10は3本指の左右スワイプで直前に使用したアプリに切り替えることができる。Alt+Tabと同じ機能だ。アニメーションが一切なく、瞬時にアプリが切り替わる。

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3本指の上スワイプでアプリ切り替え

3本指で上にスワイプするとアプリを切り替えるMission Controlを起動できる。起動している全アプリの画面を一度に表示し選択できるのも良いが、画面が切り替わるアニメーションも気持ちいい。

2本指でアプリ内のページ移動、3本指でアプリの移動と階層的になっていてわかりやすい。

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Windows 10でも同じように、3本指で上にスワイプするとアプリを切り替える画面に変わる。アニメーションはないので、Macより素早く切り替わることができる。

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ピンチでアプリ起動画面

親指と3本指のピンチ(指をすぼめる動作)で、起動するアプリを選べるLaunchpadが立ち上がる。LaunchPadは、iOSのホームスクリーンのようにアプリを1タップで選べる。Mission Control同様にアニメーションも気持ちいい。

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2本指タップで副ボタン

Windowsでいう右クリックを2本指タップで代用できる。ボタンに指を動かさず、トラックパッド上で素早く操作できる。

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Windows 10にも同様の機能がある。

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感圧タッチトラックパッド

最近のMacのトラックパッドは感圧タッチ式だ。トラックパッドが物理的なボタンになっているのではなく、機構的にただの「板」だが、触覚フィードバックを擬似的に返すことでクリックしているようにユーザーに思わせる。iPhoneのホームボタンに採用された技術だ。

「強く押す」ことで文字などを選択できる良さもあるが、最大のメリットは「指を離さずクリック」できることだ。

以前のトラックパッドはトラックパッドとクリックボタンが別にあったが、ノートPCの小型化のためにトラックパッドとクリックボタンが一体化した。トラックパッドを押すことでクリックできるようになった。

感圧式は擬似的に押すことができるので、トラックパッドに指を置いたまま、少し力を加えるだけでクリックする状態になる。トラックパッドでカーソルを動かし、指を離さずクリックして選ぶことができる。

今のWindowsだと、タッチパッドをタップすれば右クリックと同様の動作ができるが、指を一度離さないといけない。

使ってみないとわからないと思うけど、一度慣れると、指を離してボタンを押すのが面倒になってくる。

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Windowsとは似ているようで似ていない

こうやって比較すると、Windows 10とmacOSのタッチパッド(トラックパッド)の挙動は似ている。WindowsがmacOSに似せてきているので、当然だが。

アニメーションが少ないWindowsの方が素早く動作できるので、macOSとどちらが良いかは好みによるかもしれない。

筆者の場合は、感圧式タッチパッドが気に入っている。1本指でカーソルを移動し、目当ての場所でそのまま押し込めばクリックできるのが、とても良い。

新しいパソコンの購入を検討するなら、WindowsとMacでタッチパッド(トラックパッド)を触って比較してみると良いと思う。

Appleが春イベントの開催を発表。過去の春イベントから発表内容を予測

春イベントを発表

3/25に新しいイベントを開催することをAppleが発表した。場所はスティーブ・ジョブズシアターだ。

いつもは装飾した綺羅びやかなAppleロゴが招待状に書かれているが、今回は黒いロゴに「It's show time.」の文字だけ。

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ロゴが意味するもの。Mac Pro登場?

「It's show time.」は、「さあイベントを始めるぞ!」ともとれるが、映画や演劇に関係するともとれる。

噂がある「定額動画配信サービス」の発表があると予想する。AppleはiTunesで映画の販売・レンタルは行ってるが、NetflixやAmazon Primeのような定額動画配信サービスをはじめていない。

1作品ずつ選んで購入・レンタルするよりも、時間が空いた時に選んで鑑賞できる定額サービスは、現代の生活パターンに合っていて、一般化している。

 以前の記事では、Apple Music・iCloudと統合した総合型サービスを提供すべきと提言したが、その可能性は低いだろう。Appleの売上の多くを占めるiPhoneの販売が停滞している現状、今後成長が見込めるサービス部門の拡大は急務だ。

他社のサービスの後塵を拝することになるが、Appleのブランド力とハード・OS・サービスの垂直統合モデルで追いつくつもりだろう。Apple Musicの経験が活きるはずだ。

ロゴは、シンプルに黒いAppleロゴに天井からライトが当たっている。キャッチコピーと同様に映画をイメージさせる。

ただ、過去の3月のイベントは新製品の発表を必ず行っている。2018年は、新型iPad を発表した。教育イベントということもあって、子どもでも使えるようにApple Pencilに対応した廉価版iPadが登場した。

2017年は新型iPad ProとiPhoneの(PRODUCT)REDモデルを発表。

2016年の3月はiPad Pro、iPhone SEを発表、2015年はApple Watchと新型MacBookが登場した。

ロゴから想像されるハードウェアはMac Proだろう。Mac Proの後継機の開発はAppleがすでに公言しており、2019年内の発表が予想される。開発に使われることも多いMac Proなので、開発者が集う6月のWWDCも有力だが、ロゴの雰囲気はMac Proのものだ。新しい「動画配信サービス」が一般の人も作品をアップできたら、「動画編集に新型Mac Proをどうぞ!」みたいなプレゼンが行わっるかもしれない(可能性は低いかな)。

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他の製品の発表があるか予測してみよう。

iPhone

  • 可能性:10%

昨年の秋に出たばかりの新型iPhoneが登場する可能性は限りなく低い。iPhone XR向けにすでに(PRODCT)REDモデルも登場しているので、カラバリの展開もないだろう。

待望のiPhone SE登場の可能性はあるが、動画配信サービスの発表がメインだとすると、小さなディスプレイをもつiPhone SEは合致しない。

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iPad

  • 可能性:40%

廉価版のiPad登場から1年。チップなどのスペックアップはあるかもしれない。iPad Proとの差別化のためにFace IDの投入は見送られると予想する。でも久々に見ると、わずか一年前の製品なのに、ホームボタンがあるiPadが随分古い製品に感じる。

噂のiPad miniのアップデートはあるのだろうか。数多くの新製品を投入する昨年のAppleの戦略を考えると、iPad miniが登場してもおかしくはない気もする。

〈追記:2019/03/25 iPad AirとiPad miniがサイレントローンチされました〉

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Apple Watch

  • 可能性:10%

売上が好調と言われるApple Watch。新型の登場はないだろうが、2017年のイベントのように新色のバンドの発表はあるかもしれない。

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Apple TV

  • 可能性:70%

噂はまったくないし、なんとなく忘れられた存在のApple TVだが、大画面で鑑賞できるデバイスは、定額動画配信サービスを定着するには無くてはならないものだ。新型は登場しなくても、現在の価格からの値下げは考えられる。

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Mac

  • 可能性:10% (Mac Pro以外)

上述のMac Pro以外の新型Macの発表はないだろう。昨年10月のイベントで、MacBook Air、Mac miniなど多くのMac製品をリニューアルしたからだ。

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AirPods & AirPower

  • 可能性:90%

初代発表から2年半が経過している新型AirPodsの登場は確実だろう。ワイヤレス充電など新機能の追加が有力視される。同時にワイヤレス充電器「AirPower」、ワイヤレス充電対応ケースも一緒に発表される。

〈追記:AirPodsがサイレントローンチされました。2019/03/25〉

それ以外の製品

iPod Touchなどいくつかの噂もあるが、新しいサービスの開始をメインにするなら、サプライズは想定しづらい。

  • どんなサービスなのか?
  • 他のサービスとのパッケージ化はあるのか?
  • 料金は?
  • 開始国は?

が新しいサービスの発表の注目ポイントだろう。近年の定額動画サービスは、コンテンツを買ってくるだけではなく、各社は自社制作に力を入れている。NetflixやAmazon Primeをみると、各国の実情にあったコンテンツづくりに取り組んでいる。

Appleが映画を制作している噂はあるが、まだはじめたばかりだ。まずは本国アメリカからの開始と思われる。

強力なプラットフォーマーであるAppleの動画配信サービスへの参入は楽しみだ。Appleらしい、どんなサービスを見せてくれるだろうか。